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東方天風譚「裏」風神録編 ~Wind of the guidance and true faith~ 1・21   作者: 新景正虎
第三章 『嘆きと悲しみの幽霊妖精』の決意
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小さき妖精の大きな決意

「‥‥でも‥さっきのあのおねぇちゃんの怒った顔と‥戦って痛い目にあってはっきりわかった!やっぱり‥‥こんな事しちゃいけないんだ!いくら生きるためだからって、誰かを悲しい目に合わせるなんて‥‥‥しちゃいけないことだったんだ!」

 エラミーがそう叫んだ時、更に濁流の勢いが激しくなり、上流から大量の水が、大きな流木を伴い、彼女達を飲み込もうと迫ってくる!

「くっ!うぅぅぅぅぅ!」

 その勢いを増した濁流によって、エラミーは押し切られそうになる!だが:

「ま、負けるもんかぁぁぁぁぁぁぁ!」

 そう叫ぶとエラミーはさらに力を放出し、自分達を飲み込もうと迫る濁流に抗う‥いや、それどころか『押し返そう』としはじめる!

「もう‥‥誰も悲しませたくなんか無い!つらい思いなんてさせたくない!

だから‥だから!あたしはここで力を使い切って消える!あたしがいることで誰かが悲しい思いをするなんて事を‥‥‥‥もう起こさせないために!」

「エ‥エラミーさん!」

「だから早く行って!あたしのことはいいから!もうかまわなくていいから!」

早苗に対し一方的にそう叫ぶとエラミーは‥‥

「うわぁぁぁぁぁ!」

そう絶叫しながら、その小さい体から猛烈な力を発し、激しく迫る濁流の前に立ちはだかり続ける!

「‥‥‥すごい」

 その‥とても力強く‥勇ましく‥‥そして‥ひときわ‥‥‥はかなげな後ろ姿を早苗は、しばし茫然と眺めていたが‥‥やがて震える手で持っていた大幣をぎゅっと強く握り締めると‥‥

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