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東方天風譚「裏」風神録編 ~Wind of the guidance and true faith~ 1・21   作者: 新景正虎
第三章 『嘆きと悲しみの幽霊妖精』の決意
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守護天使登場?

「ま、まってぇ~!」

 まだ緊迫感が残るその場には不釣合いな間延びした声が聞こえてきたので、嵐と早苗は声のした方へと振り向く‥と。

「‥‥エラミーちゃ~ん、大丈夫~?」

 ゆったりとしたローブ風の服装で、背中に小さな翼をつけた少女がふわふわと危なっかしい様子でこちらに向かってくる。それを見た早苗は顔色を変え‥‥

「な‥何ですかあの子!めちゃくちゃかわいいじゃないですか!先輩!」

 と、黄色い歓声を上げ、それまでの緊迫した雰囲気をさらにぶち壊す。

「‥‥そうね」

「特にあの小さな羽をパタパタさせているところなんてかわいすぎます~携帯!携帯~!」

 そう言いながら目を輝かせて懐からカメラ付き携帯電話を取り出そうとする早苗の姿に嵐は深いため息をつくと、

「早苗‥‥それはまた後にしなさい」

「えぇ~」

「まったく‥‥この子は」

 口を尖らせる早苗の様に苦笑しながら嵐は幽霊妖精と新しく現れた有翼少女の様子をじっくりと観察する。

 有翼少女はふわふわと早苗と嵐の間を通り過ぎると、彼女がエラミーと呼んだ幽霊妖精へと近づき、彼女を気遣う。

「だいじょ~ぶ~?」

「‥あ~‥うん‥‥何とかね」

「もぅ~だから言ったのに~きちんとお話をしてから頼んでね、って~」

「‥‥ごめん~、はじめはちゃんと頼もうって思っていたんだけど、ついいつものくせが~」

 どうやらこの二人は知り合いのようだ‥ということは先程、あの幽霊妖精を守った力はこの有翼少女が発したものということだろうか?‥‥などと嵐が考えていると有翼少女が嵐達に気づき、ふわふわと彼女たちのほうへと近寄ってくると‥‥

「‥‥あ、あの~ごめんなさい~エラミーちゃんには悪気は‥‥無かったとは言えないですけど~とにかく‥‥ごめんなさい~」

 そう言うと二人に向かってぺこぺこ頭を下げてくる。

 その健気かつ、微笑ましい様に嵐は警戒を解いて彼女に近寄ると、事のいきさつを聞く事にした。

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