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東方天風譚「裏」風神録編 ~Wind of the guidance and true faith~ 1・21   作者: 新景正虎
第二章 悲しみの風と、怒りと慈しみの天
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絶望的差

 そう言うと『もう一人の嵐』は鋭い眼差しで幽霊妖精をにらみつける。対してにらまれた妖精はその迫力に顔を引きつらせるが、すぐに気をとり直し、

「‥‥‥は、はん!そ、そんな顔したって無駄なんだからね!あんたにだって悲しい過去のひとつくらいあるでしょ!‥‥それを‥‥思い出しなさいよね!」

 その幽霊妖精の叫びと共に無数の光弾が生まれると、それらは弾幕となって勢いよく嵐へと襲い掛かる!しかも‥


 キャァァァァ!


 早苗のときと同じく、不気味な悲鳴が辺りに響き渡る!

 だが‥‥次の瞬間、嵐へと襲い掛かる弾幕の勢いが弱まり、そのまた次の瞬間には猛烈な向かい風によって押し返される!

「そ‥そんなぁ!‥‥うひぃぃっ!」

 自分が放った弾幕があっさり跳ね返された事に唖然となりながらも、それを必死に回避する幽霊妖精。

「‥‥空気の密度を上げ、空気抵抗を増やして弾幕の勢いを殺し、追い風で押し返す。大気‥いえ、天地の理を操り、気象どころか気候すら変えることができるあたしにとってこの程度の攻撃、本来かわすまでもないのよ。

それに‥こんな声が一体なんだっていうの?」

 さっきの早苗のときと同じく、今の嵐の耳にも幻聴が聞こえている‥‥しかし、彼女はまるで動じていない。

「ど、どうして効かないのさ!」

 幽霊妖精の悲鳴混じりの問いかけに対し、嵐は冷笑で答える。

「‥‥あたしは妖怪の賢者や不死の蓬莱人ですら比較にならないくらいの歳月を生きてきた。だからこの程度の攻撃は何度も受けて‥‥正直『聞き飽きて』いるわ」

 その言葉に絶句する幽霊妖精。それに対し嵐は鋭いまなざしを向け、怒りをあらわにする。

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