最後の援助 『約束の時』
その翌日から真剣にハローワークに通って二年後にようやく仕事を見つけ脱生活保護を果たした信介と連太。
「連さん、俺たちやったね」喜びでいっぱいの信介たち。
「これで堂々と生きていけるんだな」連太も歓喜の声を上げる。
その間はイズミじゃなく、イズミのお父さんが援助をしていたのである。
そして、会社に入れたのは清水企業の子会社だ。
イズミの陰の力が働いていた。イズミが二年間ものあいだ裏で二人をハローワークに通わせて、本当にやる気があるかどうかを見極めていたのだ。
下済みを経てようやく正式に入社できたの一年後のこと。
その間もイズミの陰の援助があった。
入社翌日に社長と対面する二人。
「ようこそ、わが社へ。私はここの社長の清水憲治だ。そしてようやくきてくれたね私のステージまで」憲治は笑いながら二人を迎える。
「屋上で娘が待っているよ。信介くん」肩をポンと叩く憲治。
信介が屋上に行くとそこには大人になってスーツを身にまとったイズミがいた。
「きっと来てくれると信じてました。私の王子さま」イズミは三年前の約束を守っていた。
「今一度言います。私と付き合ってください」さわやかな春の風が吹き抜ける会社の屋上イズミは頭を下げる。
「こちらからもお願いします。援助なしで付き合ってください。あなたを幸せにします」信介とイズミは涙を流して抱き合った。
援助学生 ー完ー
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