プロローグ2
気づいた時俺はまた真っ白な部屋にいた。
目の前には俺の机とPCが置かれている。
PC画面にはまた文字が映し出されていた。
『この机とPCは君のじゃないよ、同じものを用意しただけだよぉ』
心底どうでもいい事が書かれていた。
『たしかに死んだ君にはどうでもいい事だね、君のPCの中の隠しフォルダに関してもどうでもいい事だしね』
全然どうでもよくない事が書かれてた。
「ってちょっと待ってくれ、俺は死んだのか?」
『うん、死んでるよ、正確には殺されただね』
「…少し頭の中を整理するから待ってくれ」
『時間は一杯あるから構わないよぉ』
時間はあるらしい、パニックになりそうな心を深呼吸で落ち着ける。
「いくつか確認させてくれ、まず俺は誰に殺されたんだ?」
『真っ黒な人間に襲われたみたいだねぇ、日本人ではないみたいだよぉ、今ニュースで連行されてる映像流れてるし』
「ニュース見れんのかよっ!」
『神様なんだからそれくらい朝飯前だよぉ、犯行の動機はお金に困ってらしいよぉ』
「そんな理由で殺されたのかよ…、まてよ?もし俺がお前の言葉を信じて家から出なかったら俺は死ななかったのか?」
『いや、その場合は君の家にトラックが突っ込んで、君は即死してるはずだよ』
「結局俺は助からなかったのか?」
『基本的にはこの運命は変わらないよ、奇跡的に助かる場合はあるにはあるけど…』
「助かる方法があるのか!?」
『その場合他の誰かが死ぬけどねぇ』
「はっ?」
『君を助けようとして他の誰かが死ねば君は助かるよ、君が死ぬ直前に君を助けようとする人間が表れて、代わりに死んでくれる確率なんて奇跡と呼べる確率だと思うけどね、ゼロではないよ』
「それ以外に助かる方法は?」
『ないんじゃない?いや、僕が見たことないだけであるかもしれないね、この世に絶対はないからね』
「死んだ経緯はわかった、教えてくれてありがとう」
『これくらい別にかまわないよぉ』
「それで一つ頼みたいことがあるんだが…」
『なに?君のPCの隠しフォルダに関してならもう手遅れだよ?』
マジで!?あれ見られたの!?もうやだぁ死にたい・・・
『いや、君もう死んでるから、それに関してはあきらめてこれからの話をしようよ』
「これからって?異世界がどうこうって話か?」
『それそれ、異世界にいってみない?』
「その前に聞きたいんだが」
『なんだい?』
「なぜ俺を異世界に行かせたいんだ?」
『特に理由はないかな、死んだ魂を別世界に転生させることはよくある事だし、あえて理由をつけるなら気まぐれかな?』
「神様が気まぐれでそんなことしていいのかよ…」
『神様だからOKだよ!それで君の返答を聞かせてもらっていいかい?』
「断ったらどうなる?」
『魂が浄化されてまたどこかで転生するよぉ、人間に転生するとは限らないけど…』
「動植物とかは勘弁してほしいな…、でもさ行くとしても俺死んでるんだけど…」
『そうだね、肉体が滅んでるから転生になるかな』
「じゃあ魂を浄化していくのか?記憶とかは?」
『今回は僕が誘ったからね、記憶は持った状態で転生させてあげるよ、後いくつか恩恵もあげよう』
「マジで!?どんなのくれんの?」
『僕が君にあげるのは適正の恩恵だよ』
「適正の恩恵?」
『戦闘における武器や体術が成長しやすい戦闘の適正、すべての魔法が習得しやすく新たに魔法を生み出せる可能性を秘めた魔法の適正、生産職の適正、後は魔力の総量を人より多くしておいてあげるよ』
「適正ってことは最初から使えるわけじゃないのか?」
『鍛えなければ意味がないね、その代わり適正があるから他より成長も早いし成長の幅も大きいよ』
「なるほどな、ちなみに聞くが耐性系の恩恵ってないのか?」
『君欲張りだなぁ、じゃあ全耐性も付けてあげるよ』
「言ってみるもんだな、ありがとう!」
『他に何かあるかい?』
「転生先は何処になるんだ?」
『人間の貴族で顔は平均以上にしといてあげるよ』
「わかった、色々ありがとうな」
『どういたしまして、それじゃあ第二の人生を楽しんできたまえ』
そして真っ白な部屋には誰もいなくなった。
第二話です。これから異世界の生活が始まります。