プロローグ
俺の名前は日向 理28歳のフリーターだ
今日もコンビニのバイトを終え弁当を買って帰り、家でPCに向かう。
ネットの海に潜り日課の巡回を終え新しい発見を探していた時だった、いきなり視界が真っ白に染まった。
目を開いた時俺は愕然とした、今までいた自分の部屋は何処にもなく真っ白な部屋に自分が座っている机と、目の前にあるPCだけが残されていた。
「なんなんだこれ…。」
いきなりの事にどうしていいかわからず、現状を把握する為に周りを見渡してみるが、やはり真っ白な部屋だった。
「ってかドアないんだけど…トイレ行きたい場合どうすりゃいいの…」
そんな検討違いな事考えていたら目の前のPC画面に文字が映し出されていた。
『こんにちは日向 理
いきなりこんな場所に呼び出してすまないね、さぞ困惑しただろう。
まずはこちらから自己紹介しておく』
『私は神だ!』
PCの向こう側にはアホがいるようだ。
『アホとは失礼だなぁ、これでも神様だよぉ?
話が脱線したね、今回君をこの場所に呼んだのはまぁ適当に選んだだけなんだけど』
アホが適当に人間拉致ってるようだ。
『ひどい言われようだなぁ、まぁいいや適当に選んだのは事実だしね』
アホの部分はスルーしてやがるぞこいつ…
『率直に言うと僕の作った別の世界に行かないかい?
君達の世界の言葉にすると異世界かな、剣とか魔法とかある世界に君を招待しようと思って、声を掛けてみたんだ』
いきなり異世界とかかなりぶっ飛んだ自称神「アホ」だな
『信じてくれないかぁ、いきなりそんなこと言われてもふつうは信じないよね。
でも事実だよ!信じてみるかは君次第かな、もし信じられないならさっきの自分の部屋に戻してあげるよ、これは強制じゃないからね』
「じゃあ元の自分の部屋に返してくれ!」
『まさかの即答!?そっかぁ残念だけど今回は縁がなかったってことで他の子に声をかけてみるよ。
でもまたすぐ会うことになりそうだけど』
「それってどういう意味だ?」
『神様だからさぁその人間がどれくらいで死ぬかわかるんだよ、君の寿命は残り少ないから近々君は死ぬよ。
君はまだ若いから死因は病死か事故死か殺されるかあたりだと思うよ~』
自称神「アホ」は俺に死の宣告を使った。
「ってまてよ!!俺死ぬのかよ!!」
『うん!』
「うん!じゃねぇよ!なんとかしてくれよ!!」
『めんどいからイヤ、ってことで死んだ時に僕が覚えてたらまた話でもしよう、じゃあ戻すねぇ』
「ちょっと待ってくれよ!!」
と叫んだ時にはもう自分の部屋に戻っていた。
「いったいなんだったんだ…白昼夢か?」
ひどく疲れた気がして今日はもう寝ることにした。
それから数日は何事もなかった。
自称神とかいうのが言っていたことが事実の可能性も考えて、二日ほどバイトを休んで家に籠ったけど何も起こらなかった。
ずっと休み続けるわけにもいかず三日目からバイトに出ている、いちお周囲には気を配ってはいたけど何も変わった事は起こらなかった。
そしてまたバイトが終わり弁当を買って家に帰る途中にだった。
ドスッ
いきなり背後から何かがぶつかった、そのまま地面に倒された。
ドスッドスッドスッ
背中に熱さと痛みが襲ってくる、俺は首を回して背後を見ようとした。
ザシュ ブシャ
黒い何かがそこにいた、俺の意識が判断できたのはそこまでだった。