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天使舞う

呉服店のシャッターの絵も 完成間近 さらにダンスチームが 達子に弟子入り?


12月に入り 慌しくなってきた

そんな中 健太の絵は丁寧に 書かれていった


少し寒くなってきた土曜日の朝 里美の主人一行(かずゆき)は自宅でのんびりとしてると 里美は一行に

「お願いがあるのだけど 良いかしら?」と改まってお願いをしていた 一行は何か解らず黙っていると 里美が

「私がやってるお店 模様替えをしたいのよ それで棚を動かすの手伝って欲しいの いいかしら?」と頭を下げた 

里美には 信念があり 自分が今やってる店は自分の母から受け継いだものだから 店のことでは 家族には迷惑をかけない 店の事で家族にも お願いはしない 自分は主婦なので 家事はきちんと行い 手抜きはしない と決めていた だから 店の事を一行にお願いするのは初めてであった 一行は少し驚きながらも 

「良いよ いつやるの」と聞いてきた 里美は

「今日はいいかしら?」と言ってきたので 一行は早速 着替えをして 里美と店に行く用意をした

店に着くと 里美と共に 棚や台を移動させた 汚れたゴミも出てきた

入り口付近に出来た場所に 椅子 机が置かれた 一行の提案で 住居部分に置かれたままになっていた 椅子 机を使うことになった これの方が 座りやすくゆっくりできる 一行は

「この頃 お前 明るくなったな 生き生き動いてるな」と言い 「以前は ただ店に行っている感じがしていたし 何かため息も多かったよな でも今は やる気がある感じになった」と関心していた「それに ここのお店も明るくなったし 前の絵も綺麗」と 店と前の絵を見渡していた すると AKB三人組みが

「今日 店開いてたんや!」と入ってきた そして一行の存在に気づき「こんにちは」と挨拶をした 里美は

「家の主人よ」と言うと 一行は「いつも家内がお世話になってます」と言ってきたので AKB三人組は

「私らの方が お世話になってます」と頭を下げた そして「机 ここに持ってきたんや! それに綺麗やし 座りやすい!」と喜んでいた 里美が 

「ここで お弁当食べれますって事や お味噌汁ありますって 張り紙した方が解りやすいよね」と言うと 篤子が 

「それで その張り紙は あるん?」と尋ねた 里美は

「今から 作ろうと思ってるんだけど・・・」と言った すると若葉が かばんから紙と ペンと色鉛筆を取り出して 

「ちょっと待っててな」と言い 何かを書き始めた しばらくして

「こんなんどうかな」と言い 作った張り紙を見せた

それは手作りづりで可愛い物だった 里美は

「可愛い それいいわ」と言うと「何処に貼るかな?」と悩んでいると AKBが

「店の入り口のドアとか 入ってすぐ入り口の所から見える棚の横の部分なんかが 見やすいよね」と言った 

可愛い 張り紙も出来て お店に皆が来てもらえる スペースも出来た

里美は 若い子の力は凄いと思った


呉服店のほうにも 時々ダンスチームの子が 一人か二人来ることがあった そして先生にいろいろ教わっていた

そのたびに自分たちの名前や いろいろなことを話していった

5人組の学校は 東高校2人 南高校1人 市立高校1人 有名私立校の甲東学院校1人という構成になっていること ダンス大会やイベントで知り合った グループであること 

そして 2月にショッピングモールで行われる バレンタインダンスフェスティバルに出場することなども 話した

達子は この子たちは 踊ることが本当に好きなのだと 解っていった


呉服店のシャッターの絵は 丁寧に出来上がって行った

顧問の神田が 視察という名目で時々来ては 手伝ったこともあり 質も相当なものになって行った

そして12月前半に完成した

海と空に 天使とポセイドンが描かれ イルカや鯨 カジキマグロの描かれるという 壮大なものになった

完成の瞬間は 達子や里美 南高校の美術部員や同級生やダンスチームの子や なぜか校長先生など大勢の人たちで賑わった

達子は 「おおきに! こんなん書いてもろて 嬉しゅうおます」と喜んだ 


その後 里美は自分の店のシャッターにも 絵を書いてもらえるように お願いをした

健太は しばらく休んでから 描くことを約束した


年も明けると 口コミでアートされた市場と うわさが広がり 夕方から人ど通りが少し増えてきた

市場前で 屋台のたこ焼きや 市場内でシートを広げ アクセサリーを売る人も出てきた

市場の空き店舗を扱っている 不動産屋が空き店舗を見せるために お客を案内する姿も出てきた

人が来て 活気が少しずつ出てきたが

その 一方では ゴミが捨てられたり タバコのポイ捨ても増えてきた

市場の通路の掃除が 達子や里美だけでは追いつかず AKBの三人や篤子の母静江も手伝ってはいるが 大変なものになっている

でも 綺麗になった市場には お昼間も少しずつ人が通るのは ありがたいことだと皆思っていた


2月になり いよいよダンスフェスティバル本番の日 ショッピングモールの特設会場では あの五人組ダンスチームが出番を待っていた 司会者の

「次は ダンスチームエンジェルです さあ踊って頂きましょう!!」という 合図と共に 彼女たちはステージに上がった

美しさ 質 技術 構成全て 他のチームよりずば抜けていた 中でも一番の見せ場で 日本的要素が入り 扇を使っての舞は 観客全てがどよめき 花びらが舞ったフィニッシュでは観客から スタンディングの拍手が巻き起こった ただの通りすがりの人も 思わず見てしまっている

成績は優勝となり その後司会者に マイクを向けられた時に 彼女たちは思わず

「市場の呉服店の 井川先生 ありがとうございました」と頭を下げた

客席の隅で見ていた達子は 思わず涙した すると次の瞬間 舞台から

「アーッ 先生来てると」彼女たちの声がした そして達子は舞台に出され 喜ぶことになった

そして 達子の日本舞踊を教えたいという 思いに火をつけてしまったのである


   

 

  

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