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プロローグ

寂れた市場 そこに現れた絵 それは・・

     天使の存在信じますか


「落書きされたんです」

市役所の市民課には 今日も苦情がを持ち込んでくる人でいっぱいである

私は中田弘(なかたひろし) 市役所の市民課の窓口を何年もやっている

昔は 当事者同士で解決できたことや お門違いなことや 言いがかり的なものここに持ち込まれるので 件数も年々増加してきているので あまり待たせないように スピードというものも大切になってきている

今も初老のご婦人が私の前で いろいろ言ってきている 

私は そのご婦人の前に用紙を置くと

「その用紙に 名前 住所 電話番号を記入して下さい」と説明をすると 相手は面倒くさそうに

「こんなん書くんですか?」と言ってきた そして 記入された用紙を渡しながら 相手は

「家の店のシャッターに 落書きされたんです!消して下さい!」とまくしたてようとしたので 私は

「確認させていただきますね」と言い 「お名前は井川達子(いがわたつこ)さん 住所は栄恵町1丁目○ー● 電話番号は0○6-●6●4-◎45○ ですね」と確認すると相手は 又何か言いたそうだったが 私は続けて「井川さん この住所は 自宅ですか?」と尋ねると 相手は「店です」と答え 私は用紙の住所欄に ’店’と書きこみ 「電話番号は?」聞くと「店です」と答えた 私はさらに続けて「お店の場所はどの辺りですか?」と尋ねてみると 相手は 面食らった様な表情で「えっ! 駅前市場の’井川呉服店’知りませんの?」と 馬鹿にしたように言ったのだ

私は(あの市場 まだやってたんだ!)と思いながらも 用紙に 駅前市場’井川呉服店’と書き込んだ

そしてさらに確認作業を進めた 私が

「お店のシャッターに 落書きされた ということですね」と言うと 相手は

「バテレンの絵です! シャッターにドカーンとかかれたんです!」と又まくしたてそうだったので

「いつごろ書かれたか 解りますか?」と聞くと

「一昨日店閉めた時は 書かれてなかったから その後やね それで今朝 店開ける時に 書かれてたから・・・」と 言ったので

「一昨日店を閉めたのは 何時ぐらいですか」と質問すると 相手は

「一昨日 フィットネスクラブの3時30分からのレッスン出たから 3時前に閉めたかな?」と答えた 私は(3時前に店閉めるか!)と思いながらも「それで お店を開けたのは 今朝何時ごろですか?」

と聞くと 相手は

「10時過ぎやったかな?」と答えたので 私は

「一昨日 10月○日午後3時~本日10月×日午前10時の間に ’井川呉服店’さんのお店のシャッターに 落書きをされたということで それを消すように とのことで よろしいでしょうか」と 確認をした 相手は

「ちゃんとして下さいよ!」とまだ 何か言いたそうだったので 私は事務的に」

「本日は これで 終わりになります 係りに回し 後日連絡させてもらいます」と閉めくくった 相手は まだ言い足りないという感じだったが とりあえず帰っていった


今日も 全ての仕事を終えたのは 夕方6時はとっくに過ぎていた

家まで歩いて帰る途中 駅前市場のことが気になったので寄ってみることにした

午後6時半過ぎだというのに 人通りは無く 店も全て閉まっていた ’井川呉服店’は市場の入り口の横にあり シャッターの上に大きく看板が出ていた

そのシャッターの左下の部分に とても可愛い天使の絵が書かれていたのだ 私は(これがバテレンの落書き??とても可愛いじゃないか)思った

すると シャッターががたがたする音がした 風の音?違う 音のしたほう 市場の3軒ほど奥の方に行ってみると ごみ箱に隠れる場所で 少年?高校生が無心に 絵を描いていた 私は

「君 ここで何をしてるのかね?」と聞くと彼は驚いた様子でこちらを見た 呆然と立ち尽くしてる 彼の後ろを見ると 聖母と天使が描かれており まるで ミケランジェロか?エルグレコか?とでも表現できそうな すばらしい作品が書かれていた 私は思わず「すばらしい!」と声を出してしまったが ふとわれに返り「君がこれを書いたのかね?」と聞いてみた すると彼は小声で「はい」と答えた 私は「この絵は誰かに頼まれて書いたものかな?」と聞くと 彼は首を横に振り小声で「いいえ」と答えた 私は

「私は市役所の者だが 落書きされたと 届出があったんだ 君が 無断で街の壁などに絵を書いたら 条例違反や場合によっては 刑事処分 も考えられる」と言った そして付け加えて「でも 私はその様な係りでもなければ 警察でもない だから何もしない」と言うと 彼は緊張が解けたためか その場に座り込んでしまった  





  

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