生徒会長と俺
ショートです。
いつも通りの朝。
いつも通りに登校する。
いつも通りにあの人とあう。
「おはようございます、会長」
「おはよう」
外は太陽を地上に届かせまいと意地になって雲が分厚く存在していたが、全生徒からその性格と容姿で大人気の我らが生徒会長殿は、相変わらずの美しさだった。
福眼である。
だが、今日は少し体調が優れなさそうである。寝不足かな。
「今日は生徒会の活動はないからね」
「ええ、わかっていますよ」
なんと俺はこの人が生徒会長を務める生徒会のメンバーなのだ。えっへん。
誰に言ってるんだろう俺。
その後簡単な会話を済ませると、俺達は別れた。
うへぇ、今日はたしか数学が三コマもあるな。やってられない。
何とか授業を耐えきった俺は、軽く友達と雑談したあとやることもないので帰ることにした。
昇降口に行く途中、ふと窓から生徒会室を見ると、明かりが着いていた。
おかしいな……。今日は活動がなかったはずだが……暇だし一応行ってみますか。
無事に生徒会室に着いた俺はなんとなくそっと扉をあけた。
そこにはなんと! 不審者が! 居るわけもなく、生徒会長がいた。
ただし、生徒会長は机に突っ伏して寝ていた。
とりあえず寒そうなので、自分の羽織っていた上着を生徒会長に掛ける。
それから物音を立てないようにそっと椅子に座った。
相当お疲れのようだった。
生徒会長の前に置いてある紙を見ると、それは生徒会で処理しなければならない資料だった。
大方、これは皆に回すまでもない仕事とでも勝手に思って知らせなかったのだろう。
あー、これは、悔しいかもしれない。生徒会メンバーとして頼ってくれないと言うのは。
会長は一人で頑張り過ぎてるのではないか。
会長をみる。まだすやすやと眠っていて、起きる気配はない。
俺はおもむろにたまっていた資料を片付け始めた。
「んっ……」
資料をだいたい片付け終わり休憩していると、会長が起きた。
「あれ……わたし。透くん?」
まだ寝ぼけているようだ。
「おはようございます会長」
数秒たつと状況を理解したのか、僅かに顔を赤くして訪ねてきた。いや、破壊力がすごいね。
「もしかして、ずっといたの? それに、この上着……」
「ええ、まあ。それより、帰りませんか?そろそろ完全下校時刻ですよ」
そういうと会長は焦った顔をして時計を見た。
「わたし、こんなに寝てたの!? あ、資料は……終わってる?」
「それは暇なんでやっておきました。というか、もっと周りを頼ってくださいよ。ここで寝るくらいだったら。そのくらいの資料なんて俺達がやります。会長は頑張りすぎです」
何のために俺達がいるのだか。
「うん。次回からそうする」
「それに、こんなところで女の人が寝てて襲われたらどうするんですか」
まあこれは半分冗談だけど。頼ってくれなかった罰として少しからかってみよう。
会長は言われっぱなしだと気にくわないのか言い返してきた。
「あなたは襲わないの?」
「襲ってよかったんですか?」
俺が間髪いれず返すと、会長は赤くなった。
「――――。ばか」
ふふふ。この程度の返しでうろたえるほど俺は甘くないのですよ。
片付けを終え、生徒会から出て鍵をかける。
そうすると会長はいきなり駆け足で数メートル離れ、ターンした。綺麗な黒髪が、遅れて宙を舞う。
「透くん。ありがとね」
そういうと会長はまた走り去っていった。
いや、ストレートが一番きくね。
生徒会の〇存っておもしろいですよね。