夢挨拶
見ず知らずの人に
「おはようございます」
と、あいさつをされた。
とりあえず、
「おはようございます」
と、会釈を返せば、なぜか怪訝そうな顔をされた。
なぜそんな態度を取られるのか、よくわからないのでさっさと立ち去った。
通りすがりの売店のおばさんに
「こんにちは」
と、あいさつをされた。
「こんにちは」
と、会釈を返せば、ギロッと仇でも見るように睨まれた。
よくわからないどころか、何だが恐いので、足早にその場から立ち去った。
「こんばんは」
と、女の子にあいさつをされた。
あいさつを返すのも恐いので、会釈だけして立ち去ろうとした。
途端、背中に強い衝撃が加えられた。
よくわからずに振り返ると、先ほどの女の子の頭の頂が見えた。
ジワリジワリと背中のある一点が熱を帯び始めた。
痛みはないが、意識が朦朧とし始め、その場に音を立てて倒れた。
見上げると、女の子の顔が見えた。
自分自身だった。
「おやすみなさい」
と、にんまりとした笑顔で言われ、意識を手放した。