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竹の浮橋  作者: 加藤無理
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聞き慣れない言葉

 昼喜は窓際にあるベッドに座って服を脱ぎ始めた。部屋にはベッドの他に小さな食卓と椅子が反対側にある。その近くには蓋付きのゴミ箱が置かれている。ドア付近にはクローゼットがある。


 鎖は服を脱がずに室内を見渡している。昼喜はズボンを脱ぎながら、

「脱がそうか?」

 と、かした。鎖は躊躇いがちに脱ぎ始める。服を簡単に畳んで床に置いていく。ベッドのシーツも毛布も昨日洗ったし、床も掃除しておいた。けれども昼喜は椅子に置けば良いのにと思った。昼喜の服は枕元に置いてある。


 昼喜は両手を後ろについて鎖を眺める。新品だけれど下着も安物だ。鎖は俯いている。ブラジャーを外した後、ショーツを掴む。下ろさずに止まっている。昼喜は、

「これ以上、待たせないで」

 なるべく穏やかに催促した。鎖は脱いだ。ショーツを服の上に置く。立ち上がるが顔をドアの方へ向けている。


 想像していた通り、乳房はそんなに大きくないし、腹が引き締まっているわけでもない。陰毛を剃ろうとしたようだが、しっかり残っている。腕と脚は少し長めだ。四肢の毛を剃ったようだが、よく見ると剃り残しがあって身体全体にうっすらと産毛がある。鎖は気まずそうな顔をしている。昼喜に近寄ろうとしない。


 昼喜は両腕を伸ばして、

「来て」

 鎖は振り向く。昼喜は微笑みながら四肢を広げている。しっかり陰毛が有るが垂れ下がった男性器が見える。平均的かどうかは鎖には知らないが小さくはない。髭と脇毛を剃っているが体毛が全体的に薄く生えている。筋肉質だがくどさはない。


 昼喜が手足を広げたまま待っている。鎖は、

「避妊具は?」

 昼喜は微笑んだまま首を傾げながら、

「なるべく痛くしないようにするからこのままヤらせて」

 鎖は一歩後退った。昼喜は、腕を下ろして立ち上がり、

「妊娠したらまた会おう」

 鎖は更に下がる。しかし食卓に尻が当たる。ドアの方へ逃げようとするがその前に昼喜が両肩を掴んで抱き寄せた。両腕を鎖の胴にしっかりと巻き付ける。男性器が鎖の太腿に当たる。鎖の顎が昼喜の右肩に当たって乗っかった。鎖の身体が強張る。鎖は昼喜の腰を掴んで離そうとしたが全く離れない。昼喜は痩せているが身体の厚みは十分にある。


 昼喜は思い詰めた声で鎖の耳許でゆっくりと囁いた。日本語でも英語でもない。鎖が全く知らない言葉だ。昼喜は左腕でしっかり押さえながら右手で鎖の腰を撫でる。撫でながら再度、同じ台詞を繰り返す。日本の何処かの方言のようにも聞こえるし、何処かの先住民族の言葉にも聞こえる。昼喜の左胸の鼓動が胸に当たってやけに伝わる。


 昼喜は少しだけ身体を引き離し、鎖の額に自分の額を当てて、また同じ台詞を繰り返した。優しい声。昼喜の身体が火照っている。鎖の身体が少し緩んだ。

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