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夢見る星のウタ  作者: TriLustre
第1章「見知らぬ世界の救世主」
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第5話「ブラーヴシュヴァリエ」

 フロワドゥヴィルの医療施設へ招かれたマイン、クレール、エディーの3人は、レドから受け取った治療薬を手に、施設のベッドで休息をとっていた。

 生ける屍に襲われた者が療養する部屋とだけあって、外の情景を映し出す窓は1つも無く、白を基調とした壁や家具は清潔に保たれている。

 並べられた3つのベッドに3人はそれぞれ割り当てられ、簡単な雑談を交わしながら、生ける屍に襲われた際の待機時間が過ぎるのを待つ。

 そんな3人のもとに、レドは湯気の立つ飲み物が淹れられたコップを3人に手渡し、椅子を置いてベッドの近くに座った。


「良かったらどうぞ。職員に頼んで貰ってきたハーブティーさ。この街では一般的に飲まれていてね……体も温まるし、使われているハーブの香りが心を落ち着かせると言われているんだ。」


 レドの言葉を聞き、クレールはそっと口元にハーブティーを近付け、その香りを楽しむ。


「……確かに、爽やかで良い香りだ……。お心遣い、ありがとうございます。」

「いいんだ、君達の緊張が少しでも解れたら良いなと思ってね……。この街のハーブティーを気に入ってくれたのなら、嬉しいよ。」


 マインとエディーも受け取ったハーブティーを嗜み、ほっとしたかのように肩の力を抜く。


「ほんとだ、良い香りだな……。こうやって飲み物を口にしてると、ちょっと落ち着いて居られる気がするぜ。」

「うん、本当だね……。冷たい風に吹かれてた体も温まってくるよ。」


 ハーブティーを飲んだことで笑顔を見せる3人に、レドは心底安心したという表情を見せる。


「それは良かった。この時期は海からの冷たい風が厳しく吹き付けるからね。君達の体が少しでも温まれたのなら、職員に頼んで作ってもらって正解だったよ。……ところで、君達が言っていた『聞きたいこと』ってなんだい?」


 レドが問い掛けると、マインは思い出したかのようにレドへ顔を向ける。


「そ、そうだ……!!俺達、明後日までには自分達の家に帰りたくてさ……。道を聞きたいんだけど、教えてもらっても良いか?」


 マインの言葉に、レドは首を傾げて訝しげに問いかける。


「家に帰りたいって……君達は、望んでここまで旅をしてきたわけじゃないのかい?」

「あぁっ、えーっと……実は、気が付いたらこの街の近くに居たというか、遺跡で倒れてたというか……。そんなこんなで、俺達も自分の身に何が起きたのかわかってねぇんだ。」


 慌てて答えるマインに、レドはこめかみに手を添えて思考を巡らせる。


「記憶喪失……いや、家の場所はわかっているようだし、この街の近くに来るまでの記憶が無くなっているのか……?それに……遺跡というのは、もしかして……。」


 考え込みながら、ぶつぶつと独り言を呟いているレドを、マインは不思議そうな顔で見つめる。


「レドさん……?どうしたんだ?」

「ああっ、いや……なんでもないさ。いずれにしても、道を聞きたいというのであれば、可能な限り答えるよ。そこは安心して欲しいな。」


 優しく微笑んで答えるレドに、マインはほっと胸を撫で下ろして笑みを零す。


「良かったぜ、ありがとうな!早速だけど……俺達は『日本』に行きたいんだ。この街の近くに、日本に行ける飛行機とか船が出てる場所は無いか?それか多少遠くても、電車とかバスで、港とか空港に向かえればそれでも良いんだけどよ……。」

「できれば、駅に行くまでの道とかも教えてもらえると嬉しいな……。俺達はこの辺りの土地勘が全く無くて、本当に何処へ行けばいいのかわからないから……。」


 マインとエディーは、レドに質問を投げ掛ける。

 少しでも家に帰る道筋が掴めればと、3人は期待を込めて返事を待つが……レドはマインとエディーの言葉に再び首を傾げ、記憶を辿ろうと俯いてしまう。


「にほん……?くうこう……?この街にも、他国との貿易のために港から船が出ているけど……『ニホン』と呼ばれている国があるという話は、聞いたことが無いな……。」


 レドから返ってきた言葉に、マイン達は明らかに動揺した様子でお互いの顔を見やる。


「日本のことを知らないのか……?……まぁ、全く交流が無かったりしたら、あり得る話……なのか?」


 落胆するマインに代わり、すかさずエディーが身を乗り出して故郷の名を伝える。


「そ、それなら……!『アメリカ』は……?アメリカは俺の……故郷なんだけど……」


 エディーは少しばかりの期待を込めて言うが、レドは相変わらず首を横に振って申し訳なさそうに眉を下げた。


「……ごめんよ。『アメリカ』という国も、俺は知らないな。君の言う『ヒコウキ』や『デンシャ』というものは、君達の国で使われている馬車か何かなのかい……?」


 本当に知らないといった様子のレドの顔を見て、3人は各々の仕草で頭を悩ませる。

 家へ帰るための頼みの綱であった故郷の名が伝わらないと知り、マイン達は俯いて次の道筋を掴むための案を捻り出そうと唸る。

 そんな3人の様子を見て、レドは「そうだ。」と呟きながら立ち上がり、マイン達に向けて安心させようと笑い掛ける。


「俺、実はこの街の領主様と長い付き合いなんだ。領主様なら、俺達が知らない別の国の話も知っているかもしれない。俺が直接掛け合って、君達を領主様に紹介するよ。」

「……良いのですか?何処の馬の骨ともわからない私達を、街の領主に会わせるなど……下手をすれば、領主に危険が及ぶかと思いますが……。」


 レドの提案に、クレールは冷静な口調で危険性を指摘する。


「ははっ、確かにそうかもしれないね。君の言う通りさ。でも……俺の狩人としての長年の勘が、君達には危険が無いと言っているんだ。それに……道を聞くという君達に、可能な限り答えると言っておきながら、全く力になれなかったお詫びもしたいしね。……大丈夫、領主様も人を見る目があるから、君達のことを危険だと思ったなら、そもそも近寄らないさ。」

「それなら良いのですが……いえ、不躾なことを言ってしまい、申し訳ありません。私達のことを信用して頂き、ありがとうございます。」

「ほんとに、何から何まで悪いな……。レドさんがそう言うなら、お言葉に甘えて、領主様を紹介してもらっても良いか?」

「ああ、もちろんさ。街の施設を紹介しがてら、領主様の家へ案内するよ。さて……そろそろ待機時間が過ぎても良い頃合いだね。職員に確認して、君達の外出許可を貰ってくるよ。」


 「少し待っていてくれ。」と、レドは踵を返してベッドが置かれた室内を後にする。

 レドを見送った後、3人は再び向き直り安堵した吐息を漏らす。


「全員、何事も無くて良かったな!特にエディー……お前も無事で何よりだぜ。」


 マインはそう言いながら、エディーに腕を伸ばして肩を組む。


「あ……ははっ……そうだね……。本当に……みんな何事も無くて良かったよ。」

「まさか、ゾンビに襲われるなど夢にも思わなかったからな……。いざ現実に対面するとなると、中々受け入れ難いものだ……。」


 片手を頭に軽く添えて悩ましそうに言うクレールに、マインは当時の光景を思い出しながら口を開く。


「どうして良いかわからなかったもんなぁ……。……ったく、目覚めてすぐにとんだ災難に遭ったもんだぜ……。」

「レドさんが助けに来なければ、私達は死んでいただろうな。運が良かったのか悪かったのか……五分五分なところだな。」

「……そういえば、2人はどう思う?レドさんが……日本やアメリカを知らなかったこと……。」


 レドが出て行った扉を見つめながら、エディーは不安げな声で話を切り出す。


「未だに文明の利器に頼らない、原始的な生活を好む人達も居るとは思うんだけど……そういう人達の街に、たまたま辿り着いたなんて、あまり考えられないと思うんだ。」

「……確かに、細かな地名とかならまだしも、国を知らないなんて現代じゃあまり考えられないよなぁ……。やっぱりレドさんが、たまたま知らなかっただけか?」

「いや……そうとも限らないぞ。どういうわけか……この街の付近にはゾンビが蔓延っていて、少なくともレドさんは、それが当たり前であるかのように振る舞っている。実際に効果があるのかは試したくもないが……治療薬もあれば、襲われた際には医療施設へ隔離されることが他の街でも決まっているという。……私達が暮らしていた場所の常識とは、明らかにかけ離れていないか?」

「そうだよなぁ……。そもそもゾンビが実在してんのがまずおかしいぜ。どうなっちまったんだ?この世界……。」

「……俺達、無事に家に帰れるのかな……。」


 俯きながら話すエディーを励ますように、マインはエディーの肩に手を置く。


「大丈夫だって……まだ帰る方法を探し始めたばっかりだろ?これから領主にも会わせてくれるっつー話だし、そこで帰る道筋が得られると良いな。」

「……うん、そうだね。マインの言う通り、まだ探し始めたばっかりなんだ。あれこれ考えるのは、領主に会ってからでも遅くはないよね。」


 エディーは顔を上げて微笑みながらマインの顔を見つめ返し、「そうだぜ。」と、マインは頷きながら相槌を打つ。

 3人の会話が丁度ひと段落したところで、再び部屋の扉が開き、レドが姿を現した。


「お待たせ。君達の外出許可を貰ってきたよ。これで自由に街中を出歩くことができる。ひとまず……お疲れ様、よく耐えたね。」


 レドは優しく微笑みながら、経過観察の終了を3人へ告げる。

 隔離が終わったことを確信したマイン達は、嬉しさと安堵が入り混じった表情で喜び、立ち上がってレドの近くへと赴く。


「ありがとうな、レドさん!早速で悪いけど……領主の所へ案内して貰っても大丈夫か?厚かましいのは充分わかってっけど……帰る方法が見つからないと、俺達も落ち着かなくてさ……。」


 申し訳なさそうに眉を下げるマインに、レドは快く頷いてみせる。


「ああ、そのつもりだよ。ただ……領主様は忙しい方だからね。君達を領主様に紹介するのは約束するけど……もし、領主様が不在だったり、手が空いていなかったりした場合には、少し待ってもらうことになるけど……それでもいいかな?」

「もちろんです。ご厚意に甘えているのはこちらの方ですから、無理を言うつもりもありません。」

「それなら良かった。領主様は時折、予定も無く街中を見て回る癖があってね。街をもっとより良いものにするために、景色や施設の綻びや不備なんかを点検して回るのさ。だから、今すぐに会えるというのは約束出来なくてね……理解してくれて嬉しいよ。」


 レドはドアノブに手を掛けて大きく扉を開かせると、マイン達に部屋の外へ出るように促す。


「さぁ、外へ行こうか。領主様のお宅へ向かおう。迷わないように、俺についておいで。」


 3人はレドに促されるまま部屋の外へ出ると、そのまま医療施設の出入口へと向かう。

 途中、ハーブティーを淹れた職員や、経過観察の記録を付けていた職員に出会うと、会釈をして軽く会話を挟んだ。


「何事も無く良かったですね。これからこの街の観光ですか?もしまた怪我等をしてしまった時には、遠慮無くこの施設を頼って下さいね。」

「おう!そうさせて貰うぜ。何から何までありがとうな。」

「お世話になりました。頂いたハーブティー、とても美味しかったです。お陰で、少し落ち着くことができました。」

「お役に立てたのなら嬉しいわ。あのハーブティー……他にもいくつか種類があって、それぞれ香りも効能も異なっているから、良かったら試してみてね。」

「ありがとうございます……。他のハーブティーの味も気になるし、見掛けたら是非飲みたいな……。」

「なら、海沿いのカフェに行くと良いですよ。常に潮風が吹き付けているので、この時期は向かうだけでも寒くて凍えそうですが……その分、辿り着いた後の温かい食事が美味しくて癖になりますし、あそこならハーブティーも各種取り揃えています。」

「海沿いのカフェかぁ……それ良いな。機会があったら行ってみるぜ。」

「ええ、是非行ってみて。少しでもこの街を楽しんでくれたら嬉しいわ。……それじゃあ、いってらっしゃい。」


 職員達は笑顔でマイン達を見送る。

 マイン達は改めて職員に感謝の言葉を告げると、お辞儀をして医療施設の出入り口を潜った。

 外へ出た瞬間、隔離されていた時には感じられなかった風がそっと頬を撫でていき、新鮮な空気が喉の奥へと吸い込まれる。


「海沿いのカフェかぁ……。あそこの料理は確かに美味しくて、俺も好きでよく通うんだよね。」

「そんなに美味しいんだぁ……なんだか想像したら、お腹空いてきちゃったな……。」


 レドが視線を上げてカフェでの食事を思い返していると、エディーは想像を膨らませて恥ずかしそうに腹部を押さえる。


「ほんとにお前は飯のことになるとすぐ腹空かせるよなぁ。……まぁ、折角教えてもらったんだし、時間があったら後で行ってみっか?」

「そういうことなら、施設の紹介がてら、カフェの場所も教えるよ。生憎、領主様のお宅とは正反対の方向にあるから、まずは領主様のお宅へ伺ってからになるけどね。」

「良いんですか?楽しみだなぁ……。……なんだか余計に、お腹が空いてきた気がするよ……。」


 困った顔で肩をすくめるエディーに、レドは声を出して賑やかに笑う。


「っはは、お腹が空くのは良いことさ。食欲があるということは、元気な証拠でもあるしね。……さて、領主様のお宅へ向かおう。まずはこの街の中央広場まで戻って、そこから北東方面だ。」


 レドは領主宅のある方角を指差し、先頭に立ってマイン達の道案内を始める。

 せめて領主から自国についての話が聞ければと、淡い期待を胸に持ちながら、マイン達はレドの後ろを追い掛けて領主宅へと歩いて向かう。

 街を守る砦と同じ色味を持つレンガと、整えられた丸石の床で造られた歩道を道なりに辿っていく。

 荷物をどこかへ運ぶ人、道の脇で談笑をする人……すれ違う人々はみんな笑顔で、伸び伸びと日常を過ごしているように思えた。

 そんなあまりに平和な光景に、マインは思わず小さな声で言葉を漏らした。


「……本当に、外へ出ればゾンビが居るだなんて……考えられないよな……。」


 マイン達からしてみれば、生ける屍が闊歩している世界など非日常である。

 己の常識とかけ離れた世界の有様に、3人は意識せずとも違和感を覚えざるを得なかった。

 無意識の内に思考を巡らせていたマイン達だったが、不意にレドの声が聞こえて呆けていた意識を取り戻す。


「さぁ、ここがこの街の中央広場……『勇敢な騎士』の名を意味する——『ブラーヴシュヴァリエ』さ。」


 レドはマイン達の方へ向き直り、歓迎するように片腕を広げて広場を見るように促した。

 円形に整えられた広場には、木製のベンチがいくつか置かれており、中央には大きな噴水がしぶきを上げて水の音を立てている。

 立派な噴水の姿に、エディーは興味津々といった様子でレドに問いかけた。


「凄い……綺麗な噴水だなぁ……。『勇敢な騎士』という名前が付けられたのは、この噴水が大きくて綺麗だからかな……?」

「いや、この広場が『ブラーヴシュヴァリエ』と名付けられたのには深い理由があるのさ。聞きたいかい?」

「是非お願いします。私もその名前について、興味がありますので。」


 エディーに続き、クレールも食い付いた様子でレドに声を掛ける。

 レドは3人の顔をそれぞれ見つめた後、嬉しそうに頷き、噴水に視線を移して歴史を語り始めた。


「わかった。君達がそう言うのなら、この街の歴史について少し話そう。……今から遠い昔、この街の近くには王政で栄えた大きな国があったんだ。今では気候が変動してしまって、寒くて凍えそうな夜が訪れるこの辺りも……その王国が栄えた頃はとても暖かくて、『平和で幸せな理想の国』——『パクス・ディ・アール』とまで呼ばれていたらしいよ。」

「『平和で幸せな理想の国』……。そんな国があったなら、是非拝んでみたいところだな。」


 腕を組みながら話すマインに、レドは共感するように相槌を打って話を続ける。


「ああ、俺もそんな国があるのなら、是非行ってみたいと思うよ。ただ……その国は王の暴走によって滅びてしまったんだけどね……。王国が滅びる直前、1人の騎士が生き残った民を引き連れて国を離れ、近くにあった村に民を導いたと言われているんだ。その時に民を受け入れてくれたお礼として、村の人々と一緒に地下水が湧き続ける井戸を掘り起こし、村を守るべく脅威と戦い続けたという……。……その井戸があった場所がまさにここであり、今では噴水として人々の心を癒しているんだよ。」


 レドの説明を聞いた3人は、感心したように今一度噴水の方へ顔を向けて、歴史を感じようと水が湧き出る様をしばらく眺める。


「そんな歴史があったのか……。レドさんの言うその騎士は、広場の名前の通り『勇敢な騎士』だったんだな。」

「この街に伝わる伝説では、そのようになっているね。……ちなみに、君達が倒れていたという遺跡は、滅んだ王国の一部だと言われているんだ。……なんだか、不思議な縁を感じるね。」


 自分達が初めに倒れていた遺跡が、今の語りに出てきた王国のものであると知らされたマイン達は驚いた顔を見せる。


「あの遺跡が……?何故、私達がそのような場所に……。」

「残念だけど、それについては俺もわからないね。たまたまかもしれないし、何か……君達を導いたものがあったのかもしれない。……いずれにせよ、関係性を調べるにしても、まずは君達が抱えているであろう疑問を解消してからになるだろうけどね。これで……『ブラーヴシュヴァリエ』についての解説は終わりさ。このまま北東方面に向かえば、領主様のお宅はすぐに見えるよ。」


 レドは再び歩き始め、マイン達はブラーヴシュヴァリエを後にする。

 自分達が何故、古の昔にあった王国の遺跡に倒れていたのか……深まった謎に煩悶するも、今悩んでも仕方がないと頭の中で言い聞かせ、思考を振り払うように首を何度も横に振る。

 ブラーヴシュヴァリエへ向かったのと同様に、整備された道を辿って北東方面へ進んでいくと、やがて白い壁の大きな家の前へ辿り着き、飼われていると思しきラマが4人を出迎えた。



「着いたよ、ここが領主様のお宅だ。」



 フロワドゥヴィルに建てられた、一般的などの建物よりも明らかに大きな領主邸を見上げて、マイン達は思わず息を呑んだ。

 少しでも情報が得られれば……その期待だけを胸に、レドが領主へ声を掛ける瞬間をじっと待つ。



「……それじゃあ、ノックするよ。」



 レドは領主邸の扉に近付き、手を近付けて扉をノックした——。



次回投稿日:9月5日(金曜日20時頃)

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