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夢見る星のウタ  作者: TriLustre
第1章「見知らぬ世界の救世主」

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第17話「タイムリミット」

 エディーを捕らえた黒き腕との睨み合いが続く中、ヴェスタは横目でマインとクレールへと視線を向け、耳打ちするかのような小声で言葉を紡いだ。


「……俺が先に仕掛けて、奴の気を逸らします。その隙に貴方達は攻撃を仕掛けて、エディーの救出を試みて下さい。」

「良いのか?そんな危険な役回り……。俺達に出来ることがあれば、他にも……」

「いえ、貴方達は……エディーの救出を最優先にして下さい。エディーが黒き腕に囚われている今、彼が放つあの赤黒い光に惹かれて、生ける屍が無尽蔵に湧き続けてしまいます。こちらが消耗しきる前に、エディーを救出して敵の増援を防ぎましょう。」


 ヴェスタの作戦を聞き、マインは先程の光景を思い返すと納得したように頷く。


「そうだよな……確かに、生ける屍が無限に湧いてたんじゃ、俺達が先に消耗して倒れちまう。それに……エディーを早く助けてやらねぇと、あいつがいつまでも苦しめられる羽目になっちまう。それを防ぐためにも、まず先にエディーを助けてやらねぇとな。」

「ええ。加えて、エディーを助けることができれば……エディーの力で黒い亀裂にも対抗することが可能です。万が一にも……あの腕を倒すことが叶わないとしても、彼が持つ力で黒い亀裂を打ち破り、出現元を壊してしまえば……腕も必然的に消滅するはずです。」

「元を断ってしまえば良いというわけですね。……しかし、そのためには……まず、エディーさんを捕らえている球体を破壊しなければなりません。あの膜のような球や、何処からともなく現れた鎖は一体何なのでしょうか?もしやあれが……ヒゥヘイムさんやヴェスタさんの言っていた『魔力』というものなのですか……?」


 黒き腕の傍で宙に浮き続けながら、球体の中心で鎖に雁字搦めにされ項垂れているエディーの姿を見つめ、クレールは疑問を口にした。


「ええ、あれは恐らく……黒き腕に宿る『魔力』で作られた、一種の『拘束魔法』かと思われます。であるならば、必ず魔法を解くための方法があるはずなのですが……先程の行動を見る限り、掌に埋め込まれたあの眼が鍵になるかもしれません。もし、琥珀色の眼から魔法が発生しているのだとすれば……琥珀色の眼を攻撃すれば、魔法を解除できるかもしれません。」

「……ってことは、あの眼を攻撃すりゃ、エディーは解放されるってことか?」

「可能性は高いと思います。試してみないことには結果はわかりませんが、やってみる価値はあるかと。貴方達は琥珀色の眼に焦点を当て、積極的に攻撃を狙ってみて下さい。」

「おうよ!やるべきことがわかりゃ後はやるだけだ!頼ってばかりでわりぃけど、ヴェスタさん……あの腕の注意を引く役、任せたぜ。」

「ええ、任せて下さい。……元はと言えば、俺が貴方達をここに連れて来たんです。責任を持って守ると言ったのですから、その役目を……エディーを守ることができず、攫われてしまったことへの責任も取らなければ……」


 言葉の最後を呟くように漏らし、顎を引いてヴェスタが少し俯いた瞬間——痺れを切らしたかのように、黒き腕が低い唸り声のような音を響かせ、咆哮をする獣が如く腕を振るう。

 黒き腕の動向に触発されて、マイン達は改めて黒き腕を仰ぎ見ると、ヴェスタは険しい表情を浮かべて姿勢を低くし、助走を付けるような体勢でマイン達に声を掛ける。


「奴が動き出しました。今なら俺の動きに合わせて、貴方達から目を逸らすはずです。死角から、奴への攻撃を試みて下さい。……行きますよ!」


 ヴェスタがそう言って武器を構えたまま走り出すと、マインとクレールも武器を構え直して黒き腕を見据える。

 崖に沿って造られた遺跡の道に走り出したヴェスタの動きに釣られて、黒き腕は顔のように掌を動かしてヴェスタの姿を捉えると、琥珀色の眼でヴェスタの動きを追った。

 ヴェスタが黒き腕の注意を引き付ける中、マインとクレールは互いに言葉を交わして作戦を練る。


「俺があいつに死角から攻撃して、隙を作るぜ。だからクレールは、あの眼を狙い撃つ役割を頼む。」

「わかった、私に任せてくれ。ヴェスタさんが奴の気を引いている間に、マインさんが重い一撃を仕掛けて、体勢が崩れたところを私が狙い撃つわけだな。責任重大だが……なんとかやってみせよう。」

「ああ、わりぃけどよろしく頼むな。俺が持ってる剣だと……眼に近付き過ぎて、攻撃する前に気付かれちまう。かと言って……クレールに任せたまま何もしないわけにはいかねぇし、あの眼に確実に矢を当てるとしたら、あいつが反応できないくらいに大きな隙が必要になるはずだ。だったら俺は……あいつの死角から攻撃して、隙を作る役割を担うぜ。」

「適材適所というわけだな。私も、その作戦に賛成だ。奴に近付き過ぎる分、反撃をもらう危険を冒させてしまうが……隙を作る役目、任せたぞ、マインさん。」

「おう、任せとけ!絶対に……エディーを救って、皆で地上に戻るぞ。」

「ああ、勿論だ。この地に来た目的を果たすためにもな。」


 マインとクレールは作戦を練り終えると、マインは黒き腕の背後に回り、クレールは黒き腕の視界に入らないよう気を配りながら徐々にヴェスタの近くへと寄る。

 自分が走る方向とは正反対の場所へ位置取るマインの姿を見たヴェスタは、2人の作戦に気が付いた様子で、同意するように小さく頷くと、立ち止まって黒き腕を真っ直ぐに見上げる。

 黒き腕は立ち止まったヴェスタを視認すると、ヴェスタに目掛けて鋭い爪を振り下ろし、ヴェスタを引き裂こうと先に攻撃を仕掛ける。


(掛かりましたね、後は作戦を実行に移せば……)


 ヴェスタは黒き腕の行動を見つめると、すかさず横へ飛び退き、黒き腕の攻撃を避ける。

 振り下ろされた手は、先程盗賊達に向けて攻撃を仕掛けた時と同じように、鋭い爪で地面を軽く抉り取り、攻撃が外れたことを確認すると、黒き腕は手を横に振るい薙ぎ払おうと試みる。

 冷静に黒き腕の動きを見ていたヴェスタは続けざまに高く跳び上がり、黒き腕の攻撃を再び避けると、跳び上がりながら持っていた剣を黒き腕の肌へと滑らせ、難なく着地をする。

 黒き腕の攻撃の合間を縫って剣を振るってはみたものの、マインが伝えていた通り物理攻撃は殆ど効いている様子が無く、ヴェスタは一歩下がりながら黒き腕の次なる動向を伺う。


「……やはり、並みの攻撃では歯が立たないようですね……。黒い亀裂から、このような存在が現れるとは……」


 黒い亀裂から現れた謎の存在に、ヴェスタが危機感を覚え独り言を呟いていると、黒き腕は一度体勢を立て直して再び腕を振り下ろす。

 しかし、黒き腕の振り下ろした手がヴェスタに辿り着くより先に、背後に回っていたマインが駆けた勢いのまま上空へと跳び上がると、炎纏う剣で黒き腕の手の甲を斬り付けた。


「これでどうだ……!!」


 マインが炎纏う剣で黒き腕の甲を斬り付けると、黒き腕は背後から衝撃を受けたかのように前のめりに項垂れ、怯んだ素振りを見せた。


「効いた……!!これなら戦えるぜ……!!」


 先程とは明らかに異なった感触に、マインは確かな手応えを感じ、黒き腕を踏み台に後退しながら口を開く。


「……なら、私の矢も効果があるはずだ。エディーさんを返してもらうぞ……!」


 マインの持つ炎纏う剣が黒き腕に対して有効であることを確認すると、クレールは黒き腕が怯んでいる隙を突き、光纏う矢を琥珀色の眼に目掛けて射る。

 クレールの放った矢が光を纏ったまま幾つかの矢へと分散し、琥珀色の眼に照準を合わせて黒き腕を襲うと、黒き腕は瞼を閉じて拳を作るように指を縮こませる。

 光の矢が当たった事で黒き腕は酷くよろめくも、眼への直撃は避けたようで、再び掌を開きながら琥珀色の眼をぎょろめかせた。


「当たらなかったか……だが、掌を『隠した』ということは、あの目がエディーさんを捕らえている魔法の要であることは間違いないはずだ。あの目を攻撃することができれば、確実にエディーさんを救うことができるはず……。次の機会に、必ず当てなければ……」


 眼への攻撃が当たらなかったことにクレールは驚きつつも、冷静な口調で言葉を紡ぎ、次の機会に備えるため今一度弓を引き絞る。

 黒き腕は炎と光による攻撃を受けて身の危険を感じ取ったのか、ヴェスタから目を背けて再びエディーの姿を視界に捉えると、眼から琥珀色の光を放ち、エディーを捕らえている鎖を仄かに輝かせる。

 黒と紫の光を帯びた鎖は、魔法陣の中へ戻ろうとするかのようにエディーの体を強く引っ張ると、きつく締め上げながら黒い電流を膜の内側へと流し込む。


「ぁあああああっ!!あああああああ!!」


 エディーが苦痛に身悶え叫びながら空を仰ぐと、赤黒い光が輝きを強め、生ける屍が姿を現す。


「てめぇ!それ以上、苦しめるんじゃねぇ!!」


 マインは咄嗟に跳び上がり、エディーを捕らえている球状の膜へ剣を振り下ろすも、攻撃は弾かれてしまい、効果的な損傷を与えることは叶わなかった。


「……クソッ!やっぱ弱点にもなってそうな目を攻撃しないと埒が明かねぇか……」


 剣を弾かれた勢いで地面に着地をしたマインは、黒き腕を見上げて歯がゆい気持ちを募らせる。


「エディーを利用して増援を呼びましたか……気を付けて下さい!生ける屍が何処から現れるか、予測が……」


 上層や下層から次々に姿を現す生ける屍を見つめて、ヴェスタはマイン達に声を掛ける。

 次の瞬間——ヴェスタはふとクレールへと視線を向け、クレールの背後に迫る生ける屍に思わず目を見張って叫ぶ。




「クレール!後ろです!」

「……!!」




 ヴェスタはクレールに向けて声を張り上げるも、クレールは弓を引くことに集中していたため、背後に迫る生ける屍に気付かず接近を許してしまう。

 クレールはヴェスタから声を掛けられたことに驚き、慌てて後ろを振り返るも、回避行動が間に合わず、生ける屍の振り上げた爪に腕を斬り付けられる。


「うぁっ!!」

「クレール!!」


 クレールの腕から上がった血しぶきを目撃したマインが慌てて駆け寄ろうと走り出すも、赤黒い光を浴びて活発化した生ける屍がマインの行く手を阻む。


「ッ……!戦うしかないか……!!」


 マインが武器を構え直し、生ける屍と対峙すると、生ける屍はマインに組み付こうと勢いよく飛び掛かる。

 生ける屍の飛び付きに合わせて、マインは一度体を横に退き生ける屍の側面へ位置取ると、炎纏う剣で下から突き上げるように屍の体を斬り付ける。

炎によって斬り付けられた屍が燃え尽きようとしている最中、すぐに左右から別の個体がマインに挟み撃ちを仕掛け、マインは跳び上がりながら後退し、攻撃を退ける。

 マインが生ける屍と距離を置く一方で、クレールの腕を傷付けた屍は再び腕を振り上げ、クレールへの追撃を試みる。

 振り上げた手がクレールへ振り下ろされようとした、その時——生ける屍の横からヴェスタが走って接近し、屍の体を盾で殴り付け突き飛ばした。


「大丈夫ですか?」

「え、ええ……大丈夫、です……。ご心配をお掛けして、申し訳ありません……。」


 怪我をしたことで膝をつき、血を流す腕に手を添えて痛みに耐えるクレールの顔を覗き込み、ヴェスタは懐から治療薬を取り出して怪我の具合を確かめる。


「これを飲んで下さい。すぐに飲めば、屍化も進行せずに治療が……」


 ヴェスタがクレールへ治療薬を差し出そうとした時——ヴェスタはクレールの腕の傷口を見て思わず口を噤む。




(これは……屍化を発症していない……?)




 クレールの腕の傷を診ていたヴェスタだったが、生ける屍に斬り付けられたクレールの腕は屍化の発症が見られなかった。

 ヴェスタはクレールに屍化の治療薬を手渡しながら、周囲を警戒しつつ傷口の手当を行う。


(たまたま屍化を免れた……いや、生ける屍に襲われ、傷を負った者は命を落とすか屍に成るかのどちらかのはずです。その屍化を発症しないなど……普通では考えられませんね……。)


 クレールの傷の手当を終えたヴェスタは、治療薬を飲むクレールの様子を伺い思考を巡らせる。


(クレールが持つ力が、屍化の進行を防いだ……?……いや、俺が知るクロト様の力に、そのような効果は無かったはずですが……エディーが持つ力が、2人の身体に何らかの影響を……)


 ヴェスタが険しい顔で思考を巡らせていると、ヴェスタとクレールの耳に黒き腕の低い唸り声が響く。

 2人が黒き腕へと視線を移すと、黒き腕は一度手首を回して空を仰ぎ、エディーを捕らえる膜を鷲掴みにして黒い亀裂の中へ腕を引き始める。


「エディーさんを連れて行くつもりか……!」

「何とかして止めねぇと……!」


 マインは生ける屍をいなし、呼び寄せられた屍を斬り倒したところで再び跳躍を試みる。




(さっきと同じやり方じゃ……弱点である目をまた隠されちまう……。もっと大きな隙を作って、エディーを助け出さねぇと……そうだ……!)




 マインは何かを閃いたかのようにハッとした表情を浮かべ、上空に舞い上がり左手に炎の力を溜める。


(『あれ』を利用して、一気に叩き込めば……隙を作れるかもしれねぇ……!!)


 マインは左手を横に振るい、溜めた炎の力の一部を前方へと分散させると、炎は鋭い破片の様に形を成し数本の刃となる。




「これならどうだ!!」




 残った炎の力を一気に前方へ放出することで、作り出した刃は黒き腕へと直進し、雨のように降り注いで黒き腕へと突き刺さる。

 黒き腕はエディーを捕らえる膜を掴んでいたため、マインからの攻撃に咄嗟に反応を示すことが出来ず、刃を受けて思わず球体から手を離した。

 その隙を突いたマインが、上空からの勢いを利用して炎の剣を振り下ろすと——黒き腕は追撃を喰らい、身体を大きく横へ仰け反らせた。


「今だ!クレール!」


 マインがクレールに声を掛けると、クレールは既に弓を構えており、矢に光を纏わせながら黒き腕へ照準を合わせていた。




「視えた……!そこだ……!」




 クレールが光の矢を放つと、黒き腕は身の危険を感じて指を折り畳む。

 しかし、大きく怯んでいたために行動が間に合わず、黒き腕は指を折り畳む途中で光の矢を受け、琥珀色の眼に直撃すると瞼を閉じて苦しみの声を漏らす。

 黒き腕がのたうち回る間に、エディーを捕らえている膜や鎖にヒビが入っていき、やがてガラスが割れるような音と共に弾けて消滅すると、エディーは拘束から解放され落ちていく。


「エディー!」


 着地をしたマインが、慌てた様子でエディーへ視線を向けると、駆けていたヴェスタが跳び付き、勢いのままエディーの身体を抱いて地面へ飛び移る。

 そのまま地を転がるヴェスタとエディーのもとに、マインとクレールは慌てて駆け寄ると、2人を助け起こして声を掛ける。


「大丈夫か!?」

「ええ、俺は大丈夫です。それより、彼のことを……」

「……そうか!エディー……今、解いてやるからな。」


 ヴェスタが体勢を整えながらエディーへ顔を向けると、マインは急いでエディーの背中に手を掛け、エディーを縛っている縄を解く。


「これっ、キッツイな……。……よし、解けたぜ。エディー、大丈夫か?」


 マインは縄を解き終わると、エディーの顔を覗き込み声を掛ける。


「……ぅ、うぅ……。……マイン、クレール、ヴェスタさん……。」


 エディーはゆっくりと瞼を開けると、マイン達の顔を見つめて弱々しく声を漏らす。


「良かった、意識はあるみたいだな。……悪いな、助けるのが遅くなっちまって……随分と手こずっちまった。」

「ううん、皆が居なかったら、俺……どうなってたか……。助けてくれて、ありがとう……。」

「解放されて早々に申し訳ないのですが、エディー……貴方の力を貸して頂けませんか?黒い亀裂を打ち破り、あの腕の脅威を退けておきたいんです。……やれますか?」

「うん……俺の力が役に立てるのなら、喜んでするよ。でも……さっきの俺は、黒い亀裂を打ち破った時のような武器を創り出せなかった……。一体、どうすれば……?」


 マインとクレールの手を借りて体を起こすエディーに、ヴェスタはある案を提示する。


「それは……貴方達の力を合わせるんです。フロワドゥヴィルで黒い亀裂を打ち破った時のことを思い出して下さい。あの時……エディーが貴方達に何らかの力を与えたように見えましたが、黒い亀裂を打ち破る武器を生み出した際に、3人で言葉を発して、エディーに力を集めていたはずです。それと同じようにして力を集めることができれば……もう一度、あの武器を創り出せるかもしれません。」

「そうだ……確かにあの時、俺達も何か言葉を発しながら、エディーに向けて手をかざしてたよな。何を発したのかは、あんまり覚えてねぇんだけど……あれと同じことをすれば、エディーの足元に魔法陣が展開されて、あの武器も創り出せるかもしれねぇ。」

「そうと決まれば、早速試してみるとしよう。あの黒い腕も、何時までも怯んでいるつもりはないだろう。奴がエディーさんを狙って動き出す前に、ケリを付けるぞ。」

「ああ、早くアイツを倒して、レドさんに治療薬を届けに行こうぜ!」


 マイン達はエディーの身体を支えて立ち上がると、エディーが胸の前で両手を合わせ、マインとクレールはエディーに向けて手を翳す。

 徐々にエディーの身体から光が漏れ始めると、時の経過と共に星のような光が輝きを増し、マイン達を優しく包み込んでいく。

 3人の様子を傍で見守るヴェスタだったが、不意に背後から声のような低い音が鳴り響き、後ろを振り返って声の主を確認する。




「……流石に、武器の完成まで待ってはくれませんか。」




 音が黒き腕から発せられたことに気が付くと、ヴェスタは剣と盾を手に持ち、マイン達を守るように立ち塞がる。

 黒き腕は攻撃を受けた眼を閉ざしたまま、掌をマイン達に向けて指を少し内側へ曲げると、指の先から魔力を放出して手の中心に魔力の球を創り出す。


(随分とお怒りのようで……エディーを諦める気も無いようです。せめて、エディー達が武器を創り終えるまで、彼らのことを守り切らなければ。)


 ヴェスタが盾を構えて黒き腕の攻撃に備えると、黒き腕は光球を掌と同じ大きさまでに成長させ、強力な一撃を放とうと試みる。

 黒き腕からの重い攻撃が来ると覚悟し、ヴェスタが盾を持つ手に力を込めた瞬間——地下遺跡の上層から、風属性を纏う衝撃波が放たれ、黒き腕の側面に直撃すると、黒き腕は不意打ちを受けたことで体勢を大きく崩した。




「……!」




 体勢を崩したことで光球は霧散し、黒き腕の攻撃が阻止されると、ヴェスタは驚いた顔で衝撃波が放たれた方向を見上げる。

 ヴェスタが見上げた視線の先には——逆光で姿がよく見えないものの、フードを被った男性と思しき人影が、本を携えて黒き腕を見下ろしていた。

 フードを被った男性と思しき人物は、黒き腕と同じ琥珀色の瞳を輝かせており、ヴェスタの視線に気が付くと、顔を少し動かして目を合わせる。




「貴方は……」




 ヴェスタはフードを被った男性に声を掛けようと口を開くも、直後に背後から眩い光が溢れ出し、ヴェスタはマイン達へ体を向ける。

 マイン達の足元には、フロワドゥヴィルで展開されたものと同じ魔法陣が広がっており、エディーの手元には光で造られた武器のような『何か』が生み出されていた。

 エディーは造られた武器を手に取ると、ヴェスタが退いたタイミングで大きく振りかぶり、黒い亀裂に向けて槍のように武器を投げ付ける。


「行け!エディー!」

「うぉおぁあああ!!」


 エディーが勢いよく武器を投げ付けると、光が黒い亀裂に突き刺さり、衝撃波を伴いながら鍔迫り合いを起こした後、光は黒い亀裂を貫通して粉々に砕け散った。

 黒い亀裂が割れたガラスのように周囲に飛び散ると、黒き腕は実体を維持することができず、空気に溶け込むように消滅していく。


「おっし!黒い亀裂を打ち破れたな!」

「ああ、ヴェスタさんの読み通り……流石に出現元を断たれてしまっては、あの黒い腕も存在を維持できなかったらしい。これでようやく、黒い腕の脅威は去ったと言えるが……」


 マインとクレールが歓喜の声を上げていると、エディーは足元をふら付かせて崩れるように地面に座り込む。


「エディー!?大丈夫か!?」


 マインとクレールが慌ててエディーの顔を覗き込むと、エディーはマイン達の顔を見つめて口を開く。


「……ごめん、少し疲れちゃっただけだから、大丈夫……。……あ、クレール……その腕は……」


 エディーに指摘され、クレールは己の腕へ視線を向けると、怪我をしたことを思い出して事情を説明する。


「ああ、これか?これは生ける屍にやられたものだ。既にヴェスタさんから治療薬を受け取って、屍化の治療も終えているから大丈夫だ。安心してくれ。」


 心配をかけまいと、落ち着いた口調で話すクレールの腕を見つめ、エディーはそっと手を翳して掌から光を放出する。


「エディーさん……?」


 クレールが呆然と光を見つめていると、やがてエディーの手から光が消え、エディーは翳していた手をそっと下ろした。

 光が消えた直後、改めてクレールの腕へ視線を向けると、怪我をしていたはずの腕は元に戻り、完全に傷口が塞がった状態だった。

 マイン達は驚いた表情を浮かべると、3人で思わずエディーの顔を見つめて声を掛ける。


「これは……!エディーさん……一体、私の体に何をしたんだ……?」

「これは……間違いなく『治癒魔法』ですね。扱える者は極少数と言われ、世界でも珍しい希少な存在です。」

「そんな珍しい力を、エディーが持ってたって言うのか!?なんで……エディーはその力を扱えたんだ?もしかして、最初から自覚してたのか?」

「ううん、『治癒魔法』が扱えるって知ったのは、ついさっきなんだ。実は……盗賊達に襲われて捕まっていた時に、上の階へ上る途中で生ける屍の群れに襲われて……盗賊の内の1人が、生ける屍の攻撃を受けて負傷したんだ。その時に、屍化を治せって言われて……なんとかして、光を傷口に放ってみたんだけど……結局、屍化は治せなくて……代わりに、『治癒魔法』が扱えることがわかったんだ。……俺が捕まったせいで、クレールに怪我をさせて……だから、せめて怪我だけでも治せないかなって、『治癒魔法』を……。」

「……なるほど、そういうことだったのか。けどよ、エディー……クレールが怪我をしたのは、お前が捕まったせいじゃないから安心しろって。」

「ああ、もし仮にエディーさんが囚われなかったとしても、あの黒い腕が出現していれば、同じことが起こり得たかもしれない。エディーさんが責任を感じ、自らを責める必要は無い。」

「……うん……ありがとう、2人とも……。ごめん……気を遣わせちゃって……。」

「気にすんなっての。それより……早くここを出ようぜ。エディーには悪いけど……レドさんに治療薬を届けなきゃいけないし、ここに長居するのも危険だしな。早いとこ街に戻って、レドさんに治療薬を届けて、エディーを休ませてやろうぜ。」

「そうだな。黒い亀裂と腕が消滅したとはいえ、ここが生ける屍の巣窟であることに変わりはない。それに……レドさんの容体がわからない以上、事は一刻を争う。急ぎ、街に戻るに越したことは…………ヴェスタさん?」


 クレールは、ヴェスタが遺跡の上層を見つめて上の空であることに気が付き、頭に疑問を浮かべて声を掛ける。


「ヴェスタさん、どうかしましたか?」

「あ……いえ、なんでもありません。本来なら、エディーを少し休ませてから行きたいところですが……貴方達の言う通り、ここは危険地帯です。引き続き警戒しながら進み、急いで地上に戻りましょう。」

「おう!そうと決まれば戻るだけだな!エディー……必要なら肩を貸すぜ?」

「うん……お言葉に甘えて、少しの間だけ貸してもらおうかな……。」

「そういうことなら、私の肩も貸そう。どうしても体格差はあるが、支えくらいにはなれるはずだ。」

「ありがとう、2人とも……。それじゃあ、行こうか……。」


 エディーは2人の助けを借りながら歩を進め、マイン達は2層目へ上がる洞窟の中へと歩みを始める。

 ヴェスタはすぐにマイン達を追い掛けず、今一度地下遺跡の上層へと視線を向けると、フードを被った男性と思しき人物を思い返して口を開く。




「貴方は、確か……いえ、流石に今は目の前のことに集中するべきですね……。」




 雑念を振り払うように、首を左右に振って急いでマイン達の後を追い掛けると、ヴェスタはマイン達を道中守るべく先頭に立つ。

 4人の姿が洞窟の中へと消えると、先程と同じ場所にフードを被った男性と思しき人物が姿を現し、フードの奥から琥珀色の瞳を輝かせると、マイン達が消えた洞窟を見つめ続けた——。






 ——一方、フロワドゥヴィルのブラーヴシュヴァリエ付近では、沈み始めた陽の光に照らされて多くの人が集まり、地震に怯えながら不安を抱えて佇んでいた。

 動揺を隠せない様子の人々に向けて、ヒゥヘイムは平静を保つように静かな口調で呼び掛ける。


「皆様、安心して下さい。先程の地震の際に、街の周辺を兵が巡回しましたが、生ける屍などの脅威は発見されませんでした。立て続けにこのような事態に見舞われてしまい、混乱して不安を抱える気持ちもわかりますが……どうか焦らず、落ち着いて行動を……」


 ヒゥヘイムから宥められたことで、人々が徐々に落ち着きを取り戻し始めていた時だった。

 ヒゥヘイムの背後から、1人の兵士が走りながらヒゥヘイムのもとへと近付き、言い出しにくいといった様子でヒゥヘイムに耳打ちをする。


「領主様……このような時に申し上げにくいのですが、1つお話が……」


 兵士から声を掛けられたことに驚き、ヒゥヘイムは兵士と顔を合わせて頷くと、民衆から離れた場所で兵士と向かい合う。


「どうかしましたか?何か問題でも……」

「……それが、レドさんの容体が……悪化しているのです……。恐らく、治療薬の効果が切れたことで、屍化の進行が再開したのだと思われます……。」

「そんな……!何か打つ手はありませんか!?例えば……もう一度治療薬を投与することで、屍化の進行を遅らせるなどは……」

「残念ですが……それでは、僅かな延命措置にしか過ぎません……。念のため、隣街から治療薬を取り寄せてはいますが……正直なところ、延命措置をしても、薬が届くまでには間に合わないかと思われます。このままでは、いずれ彼は完全に生ける屍となり、この街の人々を襲ってしまうかもしれません。領主様……お辛い気持ちも充分にわかりますが、そろそろご決断を……」

「……そんな……レドの命は……薬が間に合わないと言うのですか……。」


 兵士から友の死が迫っている事実を突き付けられ、ヒゥヘイムは眉を下げて悲しげな表情で俯く。


(レドが助かるためには、今すぐに重症者用の治療薬を投与するしか方法が無い……。しかし、今の私に残された手段は……『彼ら』の帰りを信じて待つことだけです……。)


 重症者用の治療薬の材料を得るべく、地下遺跡へと赴いているマイン達の顔を思い返し、ヒゥヘイムは小さく震えた声で兵士に懇願する。




「あと少し……もう少しだけ、時間を頂けませんか?あと少しだけ……『彼ら』の帰りを信じて待ちたいのです……。」




 そう伝えるヒゥヘイムに向けて、兵士は悔しさを滲ませながらも厳しい言葉を投げ掛ける。


「し、しかし!それでは……!彼が生ける屍と成り、人々を襲い始める事態を防げなくなってしまいます!!」

「責任は私が取ります!……いえ、私に責任を取らせて下さい。万が一にも薬が間に合わず、レドが生ける屍となってしまった時には……私がこの手で、レドのことを殺します。」

「そんな……それでは、いざという時に領主様の身の安全を保障できなくなります……。それに……我々は領主様に、親友を殺めさせることなど……できませんよ……。」

「……心配して下さっているのですね、ありがとうございます。……しかし、レドの治療が遅れてしまったのは、私の責任なのです……。私が……領主としての決断を遅らせてしまったばかりに……レドを救う手筈を整えることができず、街に残っていた皆様を危険な目に晒してしまいました。私が領主として未熟だったばかりに、友であるレドを死なせてしまった……私は、その責任を背負って生きていくのです。己の戒めとして……。ですから、お願いです……レドが生ける屍となってしまった時は、私にレドを……殺させて下さい。」

「……領主様……。」


 ヒゥヘイムが少し目を細め、真っ直ぐに兵士の目を見つめて悲しげな表情で決意を伝えると、兵士は一度俯いて言葉を詰まらせた。


「わかりました……もし、薬が間に合わなかった時には……私は、領主様のご意向を尊重します……。」

「……ありがとうございます。この様な時に我儘を言って、申し訳ありませんね……。」

「いえ、我々は領主様の想いを尊重します。我々は領主様に……付いていくと決めたのですから。」

「ありがとうございます……貴方のような方々に囲まれて、私は幸せ者です。……では、ご報告お疲れ様でした。貴方もゆっくり休んで……」


 そう言ってヒゥヘイムが兵士と別れの挨拶を交わした瞬間に、不意に聞き覚えのある声がヒゥヘイムの耳に届く。




「ヒゥヘイムさん!!」

「……!!」




 ヒゥヘイムはハッとした表情を浮かべ、慌てて声のした方を見やると——そこには、重症者用の治療薬の材料を求め、地下遺跡へと赴いていたマイン達の姿があった。

 マイン達は息を切らしながらヒゥヘイムの傍まで駆け寄ると、肩で呼吸を繰り返して苦しげな声を漏らす。


「はぁ、はぁ……ヒゥヘイムさん……待たせちまったなっ、治療薬の材料……採ってきたぜ……。」

「皆様……!!無事だったのですね……!!」


 マイン達の姿を見たヒゥヘイムは、安堵した表情で口元に笑みを浮かべる。


「……ヒゥヘイム、これを受け取って彼に飲ませて下さい。既に重症者用の治療薬として調合済みですので、すぐに処方することが可能です。手遅れになる前に、早く医療施設へ……」


 呼吸を整えたヴェスタは、懐から金色の液体が入った瓶を取り出し、ヒゥヘイムに向けて瓶を差し出す。

 瓶を視界に捉えたヒゥヘイムは驚いた顔を浮かべると、差し出された瓶を受け取り、震えた声でマイン達に礼を伝える。


「これは……。……皆様、本当にありがとうございます……。私は……皆様に、なんとお礼を伝えれば良いか……」

「んなもん、気にすんなっての!俺達は、ヒゥヘイムさんとレドさんに世話になった恩返しがしたかったんだ。俺達はただ……2人に、まだ生きていて欲しかっただけなんだよ。」

「私達の力が、お役に立てたのなら幸いです。早く……レドさんに治療薬を届けてあげて下さい。」

「ええ……!本当に……皆様のお陰です!この治療薬を、レドに届けて来ますね。」

「おう!早くレドさんの容体が良くなるといいな!」


 マイン達の笑顔を見たヒゥヘイムは、嬉しさを滲ませた顔で、瞳に涙を溜めながら目を細めて微笑むと、急いで医療施設へと向かい、その場を後にする。

 医療施設へ向かうヒゥヘイムの背中を見送ると、マインは肩の力を抜き溜め息を漏らす。


「ふぅ……一時はどうなることかと思ったけど、なんとか街に戻って来れて良かったぜ。」

「ああ、これでレドさんの容体も安定するはずだ。あとは屍化の完治を待つだけだが……流石に、時は待ってはくれないものだな。」

「そうだな……結局、今日1日手掛かりを探すことは出来なかったな……。……別に、ヒゥヘイムさんやレドさんを救うために戦ったことも、治療薬を求めて地下遺跡に赴いたことも、俺達の本心でやったことだから後悔は無いんだけどよ。やっぱり……帰るための方法を見つけられなかったのは残念だな……。」

「……せめて、エミル達が無事に過ごしていて、尚且つレドさんの屍化も完治してくれると良いんだが……こればかりは、割り切るしかないな。」

「おう。レドさんの屍化が完治したら、今度こそ俺達が帰る方法を探し出そうぜ。なんとしてでも……何日掛かっても、必ず俺達の家に帰るんだ。」


 夕陽に染まる空を見上げながら、離れ離れとなった大切な人の安否や、レドの症状が改善されることを願い、安堵と心配の入り混じった声でマイン達が会話を重ねていると、ヴェスタが冷静な口調でマイン達に声を掛ける。


「貴方達の事情や、彼の容体が気掛かりなのはわかりますが……地下遺跡での予期せぬ事態に見舞われ、貴方達も疲れているはずです。一先ず、医療施設の一室を借りて、貴方達も休みましょう。戦いに身を置き続けていたのですから、自分が思っているより身体に大きな負担が掛かっているはずです。俺が施設の職員に掛け合って来ますので、少し待っていて下さい。」

「良いのか?ヴェスタさんだって疲れてるだろうし、なんだか悪いな……。」

「いえ、俺が貴方達を地下遺跡へ連れ出したのですから、最後まで責任は持ちます。すぐに部屋を用意して貰いますので、少しお待ちを……」


 ヴェスタがそう言って医療施設のある方角を見た瞬間——不意にエディーがか細く声を漏らした。




「……良かっ……た……。……これで、レドさんの屍化は、治……」




 途中まで言葉を紡いだエディーだったが、最後まで言い切ることなく、体をふら付かせて地面に倒れてしまう。


「エディー!」

「エディーさん!」


 慌てたマインがエディーの身体を支え起こすも、エディーは気を失っており呼び掛けに応じることは無かった。

 マインとクレールが心配そうにエディーの顔を見つめると、ヴェスタが2人の横に屈み、エディーの顔へ手を近付けて容態を確認すると、落ち着いた口調で2人に向けて口を開く。


「どうやら、疲れが溜まっていたようですね。……無理もありません。この短時間に、2度も黒い亀裂を打ち破るという荒業をやってのけた上に、敵に捕らわれ力を利用されていたのですから……膨大な魔力を消費し、心身共に相当なダメージを負っているはずです。その状態でここまで休まず走って来たのですから……今のエディーに倒れるなと言う方が難しいでしょう。……少々、無理をさせてしまったようですね……。急ぎ医療施設へ運び、彼を休ませてあげなくては。」


 ヴェスタの言葉に、マインはエディーの顔を見つめ直して1日を振り返る。


「そうだよな……確かに、慣れない土地で大仕事をしたり、あの胡散臭い商売人とか、黒い腕の魔法に捕まって酷い目に遭わされたり、色々大変だったもんな……。そういうことなら……エディーを早く医療施設に運んで、のんびり寝かせといてやろうぜ。」

「ああ、そこでついでに私達も休ませて貰うとしよう。流石に……慣れない力の行使で、身体に疲労を感じているからな……。」

「ええ、貴方達も疲れていると思いますし、エディーと共にゆっくりと休んでいて下さい。地下遺跡で遭遇した黒い腕については、俺からヒゥヘイムに報告しておきますので。」

「ありがとな、ヴェスタさん。ここはお言葉に甘えて、そうさせて貰うとするぜ。」


 マインの返答にヴェスタは頷いて相槌を打つと、近くを通り掛かった医療施設の職員にすかさず声を掛ける。


「すみませんが、彼らのベッドを用意してあげて下さい。出来れば個室で……彼ら以外の同室者が居ない部屋でお願いします。」

「わかりました。すぐに用意しますので、どうぞこちらへ。」


 医療施設の職員は快諾すると、施設の方向を示して同行するように促す。

 マイン達はエディーの身体を支えて歩き、職員に促されるまま施設の扉を潜ると、玄関から少し離れた病室へと案内され、3つ並んでいる内の左側のベッドにエディーを下ろして寝かせる。

 ヒゥヘイムへの報告のため、ヴェスタが部屋を一時退出すると、マインとクレールは残り2つのベッドに腰を掛け、時折横になり、小声で雑談を交わしながらしばしの休息を得る。

 大切な人と交わした約束の日が、すぐそこまで迫っている事実を自覚しながら……マイン達は、気を失っているエディーの目覚めを待った——。



次回投稿日:2月20日(金曜日20時頃)

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