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訳あり一家の長ニキとユーリーンの孫は隠れ超能力者。セーンにまつわるとんでもな数々の話題について ~気付かない内に運命急上昇中その3  作者: 龍冶


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第41話 ココモがオーカーさんに連れて行かれてからの、土ドラゴンの国での様子

 今日のエピソードは、『魔の空洞』の件は、ちょっと一休みして、今回は、セーンと別の場所で暮らしだした、ココモちゃんの様子。オーカーさんに魚くわえて眠っているココモちゃんを見つけられて連れて行かれた後の当時の事です。この先のエピソードに必要な気がして書いておきます。40話の続きは明日からです。

では今日のエピソードをどうぞ!

 

 ここはヤコちゃんがセピア留学で居なくなった後のオーカーさんのお宅。

 最近では、当初と比べて評判は翻り、オーカーさんの秘蔵っ子と呼ばれるココモちゃんは、今日も朝のおやつを食べたのちは、土ドラゴンの有名格闘家、サンさんの道場へ向かう。ココモちゃんは、ヤコちゃんが同居し出したと思えば10日もしない内に、セピアへ留学してしまって、仕方なく道場通いで暇をつぶしている。道々、最初にココモちゃん一人こっちに来た時の事を思い出しながら歩く。



 始めにお魚くわえて寝ていた所をオーカーさんに見つけられ、土ドラゴンの国にやって来た折には、近所の人はココモちゃんを見た途端、信じられないものを見たと言った様子だ。使用人には側仕えさんが用心して口止めしていたし、特別扱いなしで、普通の栄養失調のコモドラっ子だった。土ドラゴンの王国では、現在はそう露骨に敵意を示さないが、ココモドラゴンは先祖代々の敵である。そう言う敵の子供が、すでに王座を退いた一般民風に暮らしてはいても、先王の住処に居る。狂信的とも言える崇拝者は居るものだが、そういうものの評判は言うに及ばず、控えめに近隣に住む崇拝者たちは、初めてココモちゃんを見た時には、控えめに言っても眉をひそめていた。『なぜに先王はココモの栄養失調者を引き取ったのか』非難するわけにはいかない崇拝者たちだが、ココモちゃんを見る目は厳しいものだった。

 そして、打てば響くよに狂信的崇拝者は行動に移す。側仕えは、狂信的崇拝者は、例のオーカーさんがあがめ崇拝するココモドラゴンの国の先王とのことも勘付いてはいても、認めていないのを知っていた為、ココモちゃんの素性を隠していたのだが。ココモちゃんは呑気に、お世話する係になった土ドラゴンの老婦人スンとおやつの買い物に出かけた。すると、得体のしれない浮浪者風の男たちに囲まれる。狂信者たちが下働きの者に命じて、痛い目に合わせて、船でコモドラに送り返す計画を立てていた。老婦人ながら戦いの心得の有ったお世話係スンに庇われたココモちゃん。その時は羽根の無い栄養失調姿だったが、これでは情けないとヤル気になったココモちゃん。人型に変化して、驚く浮浪者達をやっつけた。コテンパンにすることができ、結果空腹にはなったが達成感はある。老婦人スンは、

「まあ坊ちゃま、お強い事、おみそれしました」

「そうだろ、かかか、おやつ今日買ったのくれる?」

「ええ、ええ、差し上げますとも、もう一度買えばよいだけの事ですし」

 通りのカフェの歩道側席にちゃっかり座って食べていると、横の席に居た上品なカップルの内の男の方が、

「失礼ですが、あなたはオーカー様が引き取られたお子さまではないですか」

「そうです。僕は名はココモですけどね、オーカー様が引き取りました。ちょっと訳ありでして」

 ココモちゃん、外で正体を吹聴するなと側仕えさんに言われていたことを思い出し、ちょっと匂わせただけで正体は隠した(つもり)。

「人型におなりになったら、オーカー様の面差しによく似ておいでですね」

 向こうから正体を言われたらどうすればよいのか、『聞いてないよー』と言う感じ。

 返答に窮す。しまったと思い、栄養失調ドラゴンに慌てて戻ったココモちゃん、

「気のせいですよー」

 と、いまさら言っても・・・しかし言い張るつもりだ。

「にてませんからー」

 と言って、お世話係と一緒に、そそくさと帰ろうとする。

「後ほど、オーカー様を訪問させていただきますよ」

 そう言う声を後にして、そそくさ歩く。

 家に戻ってもオーカーさんは何かのお仕事不在だった。それっきりかと思えば、そいつは後ほどやはりオーカーさんの所に来ていた。

「ふうむ」

 ココモちゃん、『あいつは何者?』と思ったが、正体は直に知れた。オーカーさんが王様時代の手下だった。言い換えると、失業していた、忍びの者ふうなドラゴン。オーカーさんの崇拝者だが、王ではなくなったら、必要の無いと言うか、雇えない使用人だ。今の王が勘繰る可能性が有るらしい。しかし、諦めきれずに、辺りをうろうろしていたそうだ。そういう人、一般人になっても居るらしい。今回ココモちゃんのピンチを目撃し、いつも襲って来る輩をやっつける事ができるとは限らないという、その主張を通すつもりで、雇ってもらいに来たのだ。主張は通り、ココモちゃんの付き人に採用された。

 オーカーさんに、呼ばれたココモちゃん、応接室に行ってみた。

 そこには例の奴がいて、オーカーさんはにっこり、

「ココモちゃんに新しく用心棒を雇ったよ。朝、スンさんと外出した時、暴漢が襲って来たけれど、ココモちゃんは一人でやっつけたそうだね。偉かったね。しかしそいつらはココモちゃんより弱かっただけなんだよ。強い奴がココモちゃんを襲う可能性は十分ある。それで、彼を雇う事にしたよ。名をマッドと言うよ。外出の時は、用心棒代わりに彼を連れて歩きなさい」

 と言われた。

「坊ちゃん、どうぞよろしくお願いしますよ」

 マッドと言うやつは、信用が置けるのだろうか。ココモが首を傾げると、オーカーさんは、

「マッドは儂が王の頃、雇っていた密偵だ。代々王家の重鎮の家柄だった。信用できるよ」

 そしてオーカーさん、思い出したように、

「そうそう、儂が魚をくわえたお前を見つけた時にね。お前の言っていた、セーンと言う男も、お前を見つけていてね。だけど儂の方が先だったから儂について行かせたらしい。セーンさんはココモドラゴン王のあのお方の死の間際に立ち会って、ココモちゃんが栄養失調の卵だった頃だが、ココモちゃんが成人するまで育てると約束したそうなんだよ。そして、人型になったとき、お前は大人の若い男だった。ヤモちゃんと言う方に人型で大人だったら、成人していると言われたそうだね。それで身内の俺に渡して、約束は完結したって事だな。お前の母親との約束は果たしたって事だ。だがな、お前は何故か儂に言わない。ヤコちゃんていう子はお前とヤモちゃんの子だろう。うん、儂は調べた。儂は少しづつだが、いろいろ能力を持っておってな。察することができる。儂は引き取るなら、お前の家族全員引き取るべきだと思わないか。だってそうだろう。お前だけ引き取って何になる?まるでわしがお前とお前の家族を、引き裂いたみたいじゃないか。今までだんまりだったのは、儂をまだ信用していないからだと思ったな。違うのか」

「ちょっと違う。俺、ヤコちゃんと喧嘩して、俺が全部悪いんだけど。ヤコちゃんもヤモちゃんも俺の事怒っていそうで、それで海まで行って、腹がすいて魚捕っていたけれど。オーカーさんにヤモやヤコ紹介する前に、俺が聞いた方が良いんじゃないかな。俺と暮らしたいかって事。そうでないと、只断って来たら、オーカーさんが嫌われたと間違うよ」

「間違えやしないだろうがな。皆、はっきりさせたいかもしれないな。おたがいに気持ちが通じ合っていなくてはね。そうだな、側仕えに皆で会う段取りを頼もうか、どうだ」

「俺だけじゃなくて」

「そうだ。あのヤモちゃんとお前が呼んでいるのは、魔物だろ。そしてあのセーンの使い魔の契約をしている。もしかしたら、親子の絆より強いのかもしれない。確かめてみないとね。お前だけで話しても、お前は皆に言いくるめられて、ニールの館に戻ってしまいそうだ。かはは。年寄りの我がままだ。お前を手放したくないんだよ」

「分かったよ。皆で話し合うんだね」

「分かったくれたか。すまないね。お前の方が生まれたばかりで、好きなようにさせてやるべきなんだろうが。すまぬ」

「年寄りに頼まれちゃ、断れないよ」

「ははは、ずいぶん気の利いた事を言うね」

「セーンとこもニキ爺さんとか、ユーリーン婆さんとか居るんだ。セーンが心の中で、いろいろ考えていた。セーンは断ったりしていた。後悔したり、言う事聞いてやったり」

「なるほどね、じゃあ、いつ会うか決まったら言おう」

 うん、ココモちゃんは頷いて、自室に戻った。

「あれ、一緒に来るの」

「用心棒に側仕えもプラスしてもらいましたよ」

「今?マッドさん交渉上手だね」


 ところがその後、『あのコモドラ達リューンさんちを襲う気だ』ココモちゃんなぜかココモドラゴンの様子を悟った。

「たんへんだー、オーカーさん。リューンさんがコモドラにやられちゃうよー。たすけにいかなきゃ」

 土ドラゴンはココモドラゴンより、大きくて強い。おまけにオーカーさんお墨付きの戦いのプロらしいマッドも側仕えになっていた、幸運じゃないかなと思ったココモちゃんだ。

 土ドラゴンさん三人を引き連れて、急いでリューンさんちへ行ってみると、リューンさんは海に行って船で魚釣り中だったらしいが、ココモドラゴンはココモちゃん達一行の手を煩わすことなく、海に落ち込んでおたおたしている。

「へぇー、リューンさんて本当は強いんだ」

「そのようだね」

『そうだ、この機会に例の話し合いしてみようか』

 側仕えは、

『はは、ではそのように手配を致しましょう。マッドは今日は活躍の場は無かったな。帰って居ろ』

『はいはい』「坊ちゃん俺は用なしだそうだ。じゃな」

「あ、そうだね。でもありがと、マッド」

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