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訳あり一家の長ニキとユーリーンの孫は隠れ超能力者。セーンにまつわるとんでもな数々の話題について ~気付かない内に運命急上昇中その3  作者: 龍冶


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第39話 セーンはニールの家に戻り、レン達が遅れて来て、コモドラと獣人の使用人の怪しいのを捕まえて、情報を聞き出す。ヤコはコモドラ国に連れて行かれていた

 

 ニキ爺さんの館の使用人さんの頑張りにより、明日の二組の夫婦(夫は親子)の結婚披露宴会場は豪華なフラワーアレンジメント、及び、さりげなく配置されることになっている高級ワインなどの酒とおつまみ、出席の方々が、いちいち接待担当の使用人を探して必要な飲み物食べ物を要求しない、いわゆる今どきのセピア公国ふうのパーティーの準備が出来上がった。言い様によっては、はっきり言って、セルフサービスなのだが、ユーリーンはそうは言い現わすことはない。

「出席してくださった皆様の、お好みをいちばん大切に接待させていただきますの。それがこの形のパーティーですわ。おっほっほっ」

 高らかに、上品な風に笑って見せるユーリーン婆さん。相手は早々とやって来たチーラやミーラの大伯父、大伯母、叔父叔母、他親類一同及び、彼女らの父親である死亡した王の関係者達。皆に『うちの子や孫と結婚して、ミーラさんとチーラさんは、このように幸せに暮らしておりますの』的な事を表している。

『なるほどね。婆さん頑張ったねぇ』

 この際だから高級酒を含みながら、セーンは思った。明日用の酒だが、味見に開けて飲んでいる。側にはチーラが満足げにニーセンとユーセンを抱いて、この会場を眺めていた。チーラはセーンが前日に戻って来たのでご機嫌だ。チーラはセーンの事だから、おそらく式直前に戻って来るものと思っていた。

 セーンはレンより自分の方が遅いと思っていたが、来てみればレンとミーラはまだやって来てはいなかった。

「招待客の方が早くやって来ているけど、親父は何しているんだろ」

 何とはなしに、ミーラに話しかけると、

「それがね、レンさんはこう言う結婚披露パーティーをするってミーラが国に帰るまで知らなくて、嫌がってまだこっちに来る準備が出来ていないんだそうよ」

「ドレスとか必要なものは全部ここにあるけど、唯一新郎が居ないわけよね。だいたいあたし達はついでで、本命はあの二人なのにね。結婚したら。ミーラは獣人国の女王だから、向こうでも披露宴するそうよ、お世話はお母様と話しているあの大伯母さん夫婦よ。時期はまだ先の話、準備は一月以上かかるそうなの。ここみたいに突貫で飾り立てるほどさばけないしね」

「ふふん、チーラも言うね。確かに突貫だけどね」

「ま、いじわる言わないでね。黙っていてよ、お母様にはね。言いたいことは、お母様はさばけるって話だけよ」

「そうなの、じゃ、そこんとこだけ覚えておくから。最近俺、脳が覚醒したと思う。だから些細な事で感情的になったりはしないんだ。だから早めに来た」

「まぁ、それは素晴らしい事ですわ」

 チーラに褒められ、セーンは益々悦に入って、婆さんに言われれば親類達の所へ行って挨拶周りだって、できそうな気がする。だが、言われないからやらないだけ。そんな和やかな雰囲気を吹き飛ばす出来事が起こる。

 レンとミーラがやって来た。

 執事さんの連絡により、2人の所へ行くユーリーン。セーンはそれを見ながら、異変を感じた。

「何事かな」

 呟いて、ユーリーンの後を追う事にする。チーラも続いて行く。

 玄関ロビーにレンが縛ったと思える、縄でぐるぐる巻にされた男が二人、転がっていた。そして困ったようなミーラと不機嫌そうなレン。レンはなぜか仁王立ちで、誰とはなしに目にかかる奴を睨みつけている感じだ。

 セーンは縛られて男らを見て、『こいつら何をしでかしたのかな』とコンタクトしながら見ていた。

 レンが何も答えないので、セーンは酩酊一歩前だったが、じっと二人の男を見比べると、興味深い事実がみえた。口に美味しい高級酒を飲みすぎ、自室でぐっすり眠りたい所だが、黙っている訳にはいかない。

「あれっ、こいつら何して居たって?レンの家に居たんだろ」

「訂正しよう、俺の家じゃない。ミーラの名義の家だ」

「なるほど、じゃあ、ミーラさんちでこいつらは何していたの」

「それがですねぇ、何故かヤコちゃんの母親探しですの。それも、実の母親ですわ。育ての親はヤモさんって事には、なっているようですわ。私の家の使用人だけではなく、近隣の使用人まで調べるんです。ヤコちゃんの生みの親の行方を捜しているんだそうですよ」

「こっちのこいつはコモドラだよ。そっちのはドラゴンじゃなさそうだね。コモドラがらみって事になると。俺の管轄だね。おい、コモドラ、下っ端だな。人型に化けている事は知っているんだからな、それで、そのヤコちゃんの生みの親を探している奴。もし、この辺りで見つかったとして、それからどうするんだ」

 無言。

「しゃべりたくないのか」

 だんまり。

「痛い目に合いたいのか。おれ、今日は一杯飲んだから、コントロール効かないかも。やりすぎたらごめんねー。先に謝っとこ。後にしたら、聞こえない状態になるかも、じゃ行きます。せーの」

「ま、ま、待って、言うから」

「言うの、じゃ言って」

「ココモドラゴンの王の命令で、『密偵其の二』が獣人国に居るらしいオーカーの孫を生んだ奴を探せと言っていて、俺ら配下が動いている。前からの知り合いの獣人がミーラの家の使用人だから、調べを手つだわせていた」

「そーなんだー。でもそのくらいは皆察してるんだよー。俺が聞いているのは、どーして今頃になって探し始めたのかって事。理由だよ理由。ココモドラゴン王が元凶だってのは分かるよ、お前がココモだし。どーしてか、も一度言わせるか質問、答えるときは言ってね。口は動かせるようにしておくから」

「しーらーないですー。ほーんとにしーらないですー。王の考えとか、きっと密偵其の二だって、知っているかどーか、じっさいー、王の考えなんかー、ここだけの話、王はいかれて居ると思います」

「お前、意外と常識あるかも。じゃねお前の想像?予想?推理かな、聞かせてよ」

「それがー、王が土ドラゴンのオーカーさんを目の敵にしていまして、その子や孫をさらって、オーカーに仕返ししたいので、子は手元に居て攫えないので、孫がセピアに留学した機会に攫いたいわけでして。しかし、密偵其の一が孫の滞在先を見張って居たら、首もがれて、これじゃ危なくて攫えないから、孫を生んだ奴を人質に、孫をおびき出して、親子共々人質にする気らしいです。密偵其の二が言っていました。でも、其の一をやったのは孫らしくて、そう報告したのに、王はいかれているみたいで、不可能な計画して密偵其の二は、その孫に、嘘で、母親を預かっているから、母親の命が惜しけりゃついてこいみたいなこと言って、王のとこにそいつを連れて行かなければならなくなってしまったです。見つからなけりゃ嘘ついて、連れて来いと王に言われたもんでですね。密偵其の二は『俺も首もがれそうだ』と言いました。ぐずぐずして居たら王の怒りを買うので、孫に嘘ついて連れて行くことにして、多分セピアに行ったと思います。失敗すれば死にますからね。どっちにしても」

「ふうん、コモドラ、下っ端は苦労しているのか。そうだ、ヤコちゃんにこの事言っておこうかな」

『今言った』

『あ、そう。親子ってすごく遠くてもコンタクトできるね。危ないことしないように言ってよ。あ、俺が言うまでもなかったか』

 そこで、レンが加わった。

『ヤコちゃんには、関わるんじゃないと言え。頭のおかしな奴は何しでかすか、正気なものには分からん。オーカーさんに報告して関わるんじゃないと言え』

 ヤモちゃん、

「分かった。そう伝える」

 と、コンタクトじゃなくしゃべりで答えた。

『あれ、ヤモちゃんはレンとコンタクトできないの』

 疑問の点を聞くと、『けんか別れしたからね』

 なんだか微妙な関係性を知ったセーンだ。レンは気を取り直したように、

「このミーラの使用人は、何故コモドラの奴らと親しいんだ。気に入らないな」

 ごもっともな意見だ。

 縛られた獣人の使用人、自分に話が向かったのを察し、慌てて、

「私は特に親しくはしていたつもりはないですから、顔見知り程度でして」

「だから、どうして顔を見知っているのか、聞かせてくれや、顔色悪くないか」

 そんな様子を側で見ていたミーラ、何か思い出したようだ。

「そう言えば、お母様の実家では。ココモドラゴンを飼っていたとかで家には屋上があって、そこを出入りしていたらしいですけど、母たちは私達には飼っていたなんて言っていましたけど、そんな関係のはずはないですわ。きっと母の実家に滞在していたはず。あなた、母の実家からこっちの使用人になりに来たでしょう。向こうで知る機会があったんじゃないですか」

 レンは、

「密偵を滞在させていたとか?密偵は何を探っていたのかな。そう言うのもしや反逆罪になりはしないか。当人たちはもういないが」

 すると、小声てミーラは、

「伯父さまは健在よ」

 と言い出す。

 レンは小声で、

「はぁ?」

「伯父さまが後を継いでいた頃もまだドラゴンはいたみたい」

「俺は知らない、かかわらないからなっ」

 セーンは『レン、女王の夫君も苦労しそうだな』と思った。


 しかし、こっちの方、ヤコの様子の方が気にかかる。

「ヤモちゃん、ヤコちゃんはどうしている?」

「・・・連絡が取れないな」

「おいおい、まさか連れられて行ったのか」

「かかわるなと言ったんだけどな」

「セピア行く?それとも、もう自称王んちに行っちまったとか」

「行っちまった感じだ。コモドラ、あほでも強いぞ、どうする」

「オーカーさんを誘って行くしかないな」



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