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訳あり一家の長ニキとユーリーンの孫は隠れ超能力者。セーンにまつわるとんでもな数々の話題について ~気付かない内に運命急上昇中その3  作者: 龍冶


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第22話 利口なココモちゃん、セーンの力の所為?ヤモとヤーモが最初戦ったドラゴンにココモちゃんの身内が居たと話しだし、セーンは二人に今後の方針を言う

 

 久しぶりの、家族そろっての晩餐、そのはずだったのだが。 

 セーンの夕食食べて来ました宣言で、チーラさんまたお怒りの様子、

「ま、お爺様が長居しないようにと、忠告されたというのに。ったく、誰の言う事も聞かないんだから」

「えーとごめんなさい」

 両親の喧嘩っぽいやり取りを見て、双子の大きな方、チーセンとラーセンがけらけら笑う。

「ママ、まるでパパに向かっても学校の先生みたいだな」

「そうだよな、先生ごっこと言えば、ココモのあの言い草、俺、笑いそうになって必死でこらえた」

「うん、あそこは笑ってはならないとこだよな。俺も笑いたかった。パパがやけにココモに感心しているのも傑作でさ」

「あなた達、パパに何言っても良いのは、ママだけですからね。これはこのお館の掟なの。お婆様が言ってらしたでしょ」

 セーンはこの変わりようの原因はやはり婆さんだったかと納得したものの、チーセン、ラーセンには話を続けてもらいたいものだと思った。

 すると小さいほうの双子、ニーセンとユーセンが、

「迷惑と思ったしとてをあげて」

「はいっ」

「いけない子がいまっしゅねぇ。悪い子がだれかしっているしとはてをあげて」

「はいっ」

「ではどうぞ」

「チーとラーでしゅ、シェンシェイママ」

「ハイ、しょうじきな良い子は飴でっしゅ」

「はいっ」

「ぷはっ」

 セーンはココモちゃんが何を真似たか分かったし、ニーセンとユーセンのママを真似したやり取りも可愛かった。

 チーラが、

「ココモちゃんの前でのやり取りは、セーンに見ていてと頼まれたあの日だけよ。それなのに覚えているんだから驚きましたわ」

 ユーリーン婆さんも、

「利口な子だったわね。ココモちゃん。それに、子供たちも利口に育つのよねぇ。最近は」

 そこで、ユーリーンはニキに、疲れたらしく椅子の背に持たれ、大口を開けて爆睡を始めたセーンを顎で指し示し、

「あの、癒し能力での知恵の付かせ方がねぇ。小さな子ほど、異常に発達している気がするの。どう思う、ニキ。良―く他所の子や色々な者、比べてみてよ」

「まさか、そんなバカな」

『もう、良―く考えてってば。そしてセーンの周りに居る者の事。その性格、能力。申し分ないけど。初めからああだったかしら。思い出してよ』

 途中からテレパシーで言い始めたユーリーン。

『お前、何が言いたい』

『お館さまの家には、超能力者の癒し測定不可能が居るって。最近噂が、セピアまで行っているのよ。レンの元奥様が、あたしが生んだ子の事かしらって、不安そうなの。そして、獣人国の王が狙っていただけじゃないのよ。噂はもっと広がっているの。魔の国も、ドラゴンの茶色のも、セピア経由でこっちに来そうだって教えてくれたの』

 聞こえていたらしく、ジュールが、

『それで、ココモドラゴンの王がセーンに護衛を寄こそうかとか、兵士が必要なら呼べば直ぐ助けに行くとか言ってくれているようだ。理由をキチンと言わないから、セーンは分からず、呑気にしているな』

『呑気にしていちゃ、不味いって?ううむ』

 ニキ爺さん、うなる。


 それにしても、吞気すぎるセーンである。

 皆が食堂に行こうとしているのだが、セーンはこのまま寝かしておいて、良いものかどうか悩むニキ爺さん。

 すると久しぶりに、ニキ爺さんの前に現れたヤモちゃん及びヤーモちゃん、

「ニキさん、俺らでセーンを見てますから、皆と夕飯食べていてください」

「そうかい、じゃあ、そうしよう」

 と言いながら、ふと思って、

「おや、ヤコちゃんはどうした」

「最近は双子さんの4人のうちの誰かのポケットに居ます」

「誰かのねぇ。賢いな、4人も居ればその日、都合のいいのを選べるしな」

「あはは」

 ヤーモちゃんは笑った。

 その後、ヤーモちゃんはキリリと言った。宣言したとも言えるが、いったい誰に向かって?

「今日からはセーンは俺らが守るから、ドラゴンの護衛なんかいらないや」

 ヤーモちゃん、おそらくセーンに向かって言いたかったのだろうが、眠っている間に言ってしまったのは、茶化されそうだし、照れてしまいそうだったし、といった所だろう。

 ヤーモちゃんの宣言に、ニキ爺さんも、少し笑ってしまう。

『セーンの取り合いか。確かに側に居ると、気分は良くなるな。これが癒し12番の底力なんだろうな』


 ニキ爺さんが去ったところで、ヤーモちゃんは、

「ヤモちゃん、さっき俺らが戦った相手、ココモちゃんに似た奴、わりと居たよね。どうしてセーンを殺そうと思ったのかな。ココモちゃんの兄弟か親類と違うか。セーンはココモちゃんを可愛がっていたってのに、不愉快な奴ら」

「ヤーモ、それ、他のヘキジョウには黙っていた方が良いな」

「どーして」

「俺ら、相手に認識されないまま、先手を打ったよな」

「うん」

「そもそも、あいつらが来た目的、確かめていないだろ」

「おいヤモ、セーンが毒もられたこと忘れてないか。睡眠薬じゃないって言った奴。どこ行った?」

「それな。皆セーンを恐れている。対応間違いする奴。きっと居るし、これからも出る。セーンが言っていたろ。王がパワー出しっぱなしだったって。あれはセーンへの威嚇のつもりだったろうな。面と向かって何かセーンに仕掛けるような案は思いとどまった。セーンを味方につける方が有利だと判断したんだろう。だが自分の能力は示しておいた」

 そこでセーン目が覚め、いやもっと前だったろうか、口を挿む。

「おいおい、誰だ。最重要情報提出を怠っていた奴」

 そして目を開け、

「誰かと思えば、ヤモ及びヤーモ。しばらくポケットに入らなかったと思ったら、脳から知恵が噴出しちまったか」

 セーン、じろりと二人を見て、

「ココモちゃんをあいつらのとこに連れて行く前に、俺になんかコンタクトする機会なかったかな、情報提供の案は出なかったのかお前らの脳みそのどっちかに、おい」

「危険なのはセーンで、ココモじゃないし」

 思わず白状するヤーモ。

「本当に、ココモは危険じゃないと思うか。ココモは行きたく無さそうだったんだ。俺がそういう事情分かって居たら、何とか誤魔化して此処に置いておけたと思わなかったか」

 ヤモは、

「だが、所詮はココモドラゴン一家の内戦。セーンは奴らの中に入り込む必要は無いんだ」

「あー、さすが使い魔的考え。ご主人無事が第一案件だな。くそう。俺は何時でも無事。最近、俺を気遣うやつが、うざいんだよ。良いか、これからは俺の無事を画策するのは止めろ。俺は自分の事は自分で面倒を見る。この前、茶色のドラゴンに会ってから、俺は覚醒したからな。これは事実だ。俺は自覚した。だから、いいか、言っておくからな。俺の面倒はお前らは見なくて良いから。それより、俺の望み、生きる希望、生涯の目的、人としての生きざまの追求、そしてもう一言、俺の矜持、これに沿ったお前らに出来る範囲の事を、やってくれるとありがたい。で、具体的にそれが何かって事になるが。最近は、ココモちゃんの世話を責任を持って行う、そして大人になるまで見守るって事だ。親ドラゴンと約束したんだ、死んでしまう前に約束した。これは重い約束だ。これを破る事は出来ない。お前らは俺の望みをかなえるという方向に役割を変えてほしい。出来ないと思うのなら、そうだな、ヤコちゃんみたいに、違うポケットに入るしかない。どうする?さっさと決めるんだな。俺は、今からココモちゃんの様子を見に行ってくる。不味いようなら、連れて戻る。以上だ」

「俺らはついて行ったらだめなのか」

 ヤモちゃんが呟くように言った。

「まともに戦ったら、負けるんじゃないのか」

「俺らはつおいよ」

 ヤーモちゃんが相変わらずの強気発言。

「もう、方向性は変えたんだな、じゃ、来るか」

 いつものメンバーでの出発となった。

 皆が夕食を終わってしまう前に、そっと出たら、セーンは、遠くからチーラの叫び声がしたような気がした。気の所為ではないだろう。『チーラの声、最近、良く聞こえるな。そういう音程なんだろな』

「んまっー。また居なくなっている。黙って行くなんて、酷いわーーー」 



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