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飛龍国建国神話
太古の昔、この地には何も存在しなかった。
あるとき、どこからともなくやってきた一人の男が、その身に龍を宿した。
男が龍を宿した事で、この地に光が満ち、多くの生き物が生まれた。
龍を宿した男に、他の生き物が従い、とりわけ力を持っていた五匹の龍も、男に恭順を示した。
水を司る水龍。火を司る炎龍。土を司る地龍。風を司る白龍。そして緑を司る緑龍。
全ての龍が、太陽の龍を宿した男に従ったことで、この国は産まれた。
国の名は飛龍国。
この国の皇帝と、五龍の名を冠する名門貴族家当主には、それぞれ龍の証が宿っているとか、いないとか。