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4 64.事件の当事者に会う。


「みつけたあぁ―――――――――‼」

「「檸檬(様)‼」」


 陽翔と蓮が私を呼ぶ。


「檸檬、よく見つけられたな」

「そりゃニ十分も走り続けたら」


 ずっと走ってたよ…。


「すみません。葵さんがどっか行ってしまうと思っていたら周りを見るのをおこたってしまいました……」

「生き物なんだから間違いはあるよ。葵を見失わないだけで上等! ありがとう一花」


 いつの間にか葵の世話係が一花みたいになってる。

 葵本人はスマホ見てるし……。


「よぉ~しッ!」


 と思ったらいきなり歩き出すし。


「こっちがお家な気がする! 行こう!」


 あってるけど、動きが読めないなぁ……。


「こっち向きながら歩いてたら危ないよ~」


 そんな事言ってると葵は人にぶつかった。


「いったいじゃね~かよねーちゃん」

「う~わっ折れてんじゃね? 慰謝料くれよ」


 葵がぶつかったのは大学生ぐらいの二人組。

 そんな事よりも、知ってるやつだ。


 蓮と目を合わせてどうしようか無言の会議。


「すみません。すみません。葵さんも謝ってください!」

「ごめんなさい」

「……なあ。奥の二人、どっかで見たことある気がするんだが、お前知ってるか?」


 葵とぶつかった方が言う。


「あ~………あ。あれだ。去年の雪が降った日に会ったやつだ」


 あ~…覚えていやがった。

 そう。去年の十二月、怪盗として初めて動いた日に絡んできた二人組。


「あ~めっちゃ走ったやつ?」

「そ~そ~。あ。じゃあ、こっちがれんとかいう奴だ。彼氏っていう」


 せめて最後の一言が無ければ‼


「………そうですけど、何か用ですか?」


 ナイフみたいに突き刺してきそうな尖った目で睨みつける蓮。


「……ッいや、用はねえよ」


 いやな予感がしたのかよく分からないがその後、二人はすぐ去った。


「怖かっ……」

「二人とも、ラブラブなんだ~」


 葵をかばって前に出た一花がホッと胸をなでおろすのをかき消すように葵が遮る。


「断じて付き合ってもラブラブでもございません‼」


 蓮が全力否定する。


「伊予とお出かけしたときに話しかけてきたの‼ 本当にただそれだけ‼ その時に助けてくれたのがかッ……蓮よ‼」


 危ない。

 怪盗ワンダーって言いそうだった。


「残念~」

「葵。なぜ残念か聞いてもいい?」


「……じゃあそろそろ帰ろっか~」

「聞いてる?」

「聞いてな~い」

「聞いてるじゃ…」


 あ。

 ドン


 葵との会話に夢中で周りを見てなかったから人とぶつかる。


「ごめんなさい!」

「こちらこそすみません」


 あ。

 この子、猫だ。


 遠くの方で葵が「先行ってるよ~」っていう。


「じゃあ…」


 そう言って私とすれ違っていく猫の子。

 猫田家の遠いだったっけ?

 猫柳さんだ。


「あ、あの! 猫柳さん、ハンカチ落としましたよ!」


 ハンカチを落としていたので拾って届ける。


「ありがとうございます。……なぜ私の名前を?」


 あ。やらかした。


「…猫田家は長い付き合いだからね。失礼のないようにしなきゃいけないから。覚えられるものは覚えさせられるのよ」


 苦笑いが思わず出る。


「檸檬様…? なのですか……?」

「そうね。檸檬よ。」


 すると遠くで葵が「檸檬ちゃ~ん! 助けて~! また迷った~!」


「声が聞こえるから迷ってない! 他の四人はどうしたの~⁉」


 そんなふうにどこかにいる葵に話しかけていると


「お急ぎでしたか? 引き留めてしまって申し訳ありません」

「そんなに急いでいるわけではないわ。それに、年もそんなに変わらないんだから敬語はやめて仲良くしましょ? ね? 琴音」


 この子は猫柳琴音ちゃんだった気がする。


「檸檬様のお声で私の名前を……?」

「琴音。呼び捨てにして」

「ハッ! 恐悦ながら呼ばせていただき……ううん、呼ばせてもらうね。れ……れみょん……ひゃ噛んだ‼」

「蓮もこんなに素直ならいいのになぁ……」

「何か?」


 琴音ぐらいに聞き入れが良かったらいいのに。

 せめて人前で様付けはやめてほしいよね~。


「ううん。何でもない。また会えたらよろしくね。琴音」

「うん。また…ね。れ…もん」


 まだ名前で呼ぶのなれてない感じだな~。

 妖にそう呼んでもらってよかった。

 みんな、私が私って分かると〝様〟を付けたがるんだよね~…病気かなんかなんじゃない?


「檸檬ちゃ~ん。本当に迷っちゃうんだからね~!」

「今行く~」


 そう言って近くで待っててくれた蓮の方に駆けよる。


「今の方はお知り合いですか? 猫ではあると思いますが」

「今日初めて会った友達。」

「え……? 今すぐあの女を調べに行かないと……」


 初めて見る怖い形相。


「だめ。一個上の年上に話しかけられたら怖いでしょ? 私だって怖いなぁ……。」


 そう言って自分を抱くようにしてぶるぶるって震える。


「ウッ……ホントに思ってます? 演技じゃないですか?」


 バレたか。

 いや、怖いけどね。

 そんなもので怖いなんて言ってたら、大人とまともに話せないって。


「そう言って肝心な時に助けてくれないんだよね~」

「ウッ……で、でも、それは檸檬様が演技を日常的にするからですよ‼」

「楽しいんだも~ん。蓮も分かるでしょ?」

「それは……そうですけどぉ……」


 よし。

 蓮に勝った。


「檸檬ちゃん⁉ 本当に本当に迷うんだからね⁉」


 あら、葵を待たせすぎちゃった。


 そんなこんなで楽しい昼は幕を閉じた。



   ♢



 時間が経つものは早いもので、次の日の夜。

 ちょっぴり学校を抜け出す。


『その辺にいるだろう』

「了解」


 Kからの指示で私たちはちょっと街外れの廃墟にいる。

 ここにアイツが来るらしい。


「見つけたよ」

「ナイスI」


 ちなみに私はRではなく、()()檸檬としている。

 絶対に聞き出す。

 Kからは『指示は出さない。好きにしろ』とのこと。


「なんだよ。話ッつうのは」


 聞く。

 絶対に。


「貴様に聞きたいことがある。どれも正直に答えろ」


 先陣を切って行ったのはE。


「いいよ。話しな」


 私は事件の真相を聞きたいと依頼した少女と言う設定。


「何で……()()飛鳥と()()柚子を殺したんですか……?」


翆「次で終わり! 四章短い!」

小「…劇強メンタルなきゃこの事実は耐えられんだろうな~」

翆「…………確かに‼ ほんとだ‼ 今気が付いた‼」

小「マジで?」

翆「彼女が明るくいられるのは大切な仲間がいるおかげです!(ごり押し)」

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