4 63.檸檬は頑張る。両親の仇を討つ覚悟はできた‼
檸檬視点ッ!
「大丈夫」
心はざわざわして、声も手も震えている。
体調が悪いわけではないが、寄り掛かっていないと立っていられる自信がない。
「檸檬様ッ!」
いち早く蓮が反応する。
「蓮、心配かけてごめんね。琉生、話を聞いてくれてありがとう」
「檸檬……無理しなくていいんだぞ……?」
琉生が心配している。
顔が真っ青だからだ。
「今、決着付けないと……ダメだから。勇気出して、行かなきゃいけないから」
声を出して私の意志を伝えると
「………檸檬が決めたんなら行ってこい。俺はいつでも相談に乗ってやるからな」
と琉生が言ってくれた。
とても頼もしい。
「大丈夫大丈夫」
葵はギュッと抱きしめて頭を撫でてくれた。
「うちに伝わる取って置きのおまじないよ♡」
と言ってくれた。
「…? ……? とッ…とりあえず、頑張ってください……?」
一人状況が分かっていない一花。
ごめんね。
「蓮。連絡したから行こう」
「本当に大丈夫なんですか?」
「うん。言ったように、今やらないといつやるの? 日本人のまた今度はあてにならないそうよ?」
「………分かりました。…主、檸檬様の言うままに」
蓮は片膝をついて言ってくれる。
「ありがとう。申し訳ないけど、従兄姉達にあってこなきゃいけなくなったから、ご飯……四人で食べ……ダメか」
「全員で写真を撮らなきゃだめだからな」
「陽翔さん一人で大丈夫でしょうか……?」
「私、行ってくるね。私も食材当番だったんだから」
でも、陽翔だいぶ近くにいる気がする。
一人にして申し訳ない。
玄関を開けるとすぐそこに陽翔はいた。
「陽翔ッ。ごめん。私のせいで一人にしちゃって……」
陽翔の持つ袋を持つ。
「檸檬⁉ もう大丈夫なんですか⁉」
「大丈夫と言ったら大丈夫じゃないかな? でも、決着はつける。絶対」
「………真っ直ぐな目ですね。分かりました。ちゃんと決着付けてきてくださいね? 一人で頑張ったんだから」
「それは本当にごめん!」
♢
鍋等がないので、ご飯をレンジで作って……って思ってたらなんと葵が買っていた。
一花も知らなかったらしく、いつの間にってなってたよ。
私が荷物からエプロンを取り出そうとしていると、ほんのちょっと焦げ臭いにおいが漂ってきた。
「檸檬さん助けてください!」
おとなしい一花が大声で私の助けをもと求めるな…って思ってたら次の声は
「キッチンが壊れますッ‼」
だった
私でも焦るって思いながらキッチンに急ぐ。
すると私が目を話したのはほんの一瞬だったはずなのに、切られた食材があって、フライパンの中には暗黒物質が出来上がっていた。
「だ~か~ら~!俺は手伝おうと思ってやってるだけなんだってッ!」
「それで任せたら真っ黒こげになったのが分かりますか⁉ 真っ黒こげですよ⁉ 食材を減らさないでいただきたい‼」
陽翔と琉生が喧嘩していた。
暴れ出しそうな感じで。
しかも、蓮はお手洗い、葵はどうしていいのか分からないまま、あわあわしている。
「………お二人さん……ちょっと来てもらいましょうか」
思いっきりの(怖い)笑顔で二人の腕を掴み、玄関の方に向かう。
外に出して鍵を閉める。
「「檸檬⁉」」
手際のよい檸檬の行動に二人はあっけなく外に追い出された。
「喧嘩が終わるまでそこに居なさい。お隣さんに迷惑かけないようにねッ!」
そう言って玄関を去る…んだけど、その後足音を出さずに玄関に近づく。
ドアスコープを覗くと、どうしようか考える陽翔と慌てる琉生。
十秒ほど経つと二人で協力しようってなったから鍵を開ける。
「もう喧嘩してないね」
そう言って中に入れてあげる。
「「え?」」
「え? 喧嘩してないでしょ?」
「それはそうですけど……」
少し戸惑う陽翔。
「檸檬さ~ん。ちょっと強引じゃありませんか?」
「ん? 確かに強引かもね。でも、喧嘩を辞めさせるにはこれが今まで見た限り一番なんだ~。あ。先生、お騒がせしました」
外に出ていたお隣の新藤先生に謝る。
「「先生⁉」」
二人は先生がいたことに気が付いていなかったらしい。
「小さい時、家でやられてギャン泣きした記憶があるんだよねぇ~」
「…檸檬って喧嘩するような兄弟いるのか?」
「兄弟? いないよ? ………確かに。あの時、誰と喧嘩してたんだろ」
友達と喧嘩して追い出すようなお母さんじゃないし、伊予あたりかな?
「ま、喧嘩も終わったし、ご飯作るよ~」
そう言って二人を中に入れる。
♢
そうして無事にお昼を終え、圭の部屋に向かう。
圭の部屋番号は二〇五。
ピンポーン
『おッお客人。圭くんのお友達? 話は聞いてるよ。入ってきていいよ~』
チャイムを鳴らすと、出てきたのは男の人? 子? 微妙だけど男性。
すぐに出て招き入れてくれた。
「お邪魔します」
「いらっしゃい。三年相沢だよ」
向かい入れてくれた先輩があいさつする。
「圭く~ん。お客人が来たぞ~」
「分かりました」
奥で圭の声がする。
「あら。ケイのお友達? お友達一号ね。私は二年の七五三掛よ。珍しいでしょ」
「七五三掛さん……七五三掛重蔵さんって先輩のお爺さんですか?」
昔、会ったことがある。
小さい時だったけど。
「あら。祖父をご存じで?」
「とても個性的だったので記憶に残っています」
他にないほどの特徴をお持ちの元気な方だった。
「あら。今度祖父に会うからあなたの事を話そうかしら。お名前を教えてもらっても?」
「私の名より、〝狐坂の姪〟と伝えていただいたら分かりやすいと思います」
あの場には〝狐月檸檬〟よりかは〝狐坂社長の姪〟としていたからなぁ……。
「あらそう? 分かったわ」
「七五三掛先輩。そろそろいいですか?」
「あら。ごめんなさい。檸檬ちゃんとは話が合いそうだわ。今度話しましょう?」
「…………分かりました。楽しみにしてます」
社交辞令?
微妙だなぁ……。
この年でそんなに使うものじゃないけど、七五三掛さんは立場は上の方だからなぁ。
「この部屋には絶対に入らないでください。絶対に」
圭が釘を刺して言う。
その後はちゃんと会議して決めたよ。
明日の夜に動くことになった。
んだけど……私以外の五人でおつかいに行かせたんだけど……。
迷子になったらしく。
ちょうど話し合いも終わったから迎えに行く。
ちなみに連絡されたのはテレビの横に会った共通スマホ。
「まあ、生き物なんだから失敗はあるか」
深く息を吸う。
みんなの匂いがすれば簡単なんだけどね~…。
完全妖狐の鼻には負けるからなぁ……。
十分ぐらい探していると、かすかにみんなが通ったのか匂いが残っている。
「よし。あとはこれをたどれば……見つけたッ‼」
翆「はわっ⁉もうすぐネタバレゾーンが来る⁉」
小「弟に昼ごはんの用意させてサボってるやつが何言ってんだよ」
翆「そうじゃなくて! いや周りから観たらそうだけど!」
小「そうじゃん」
翆「リアル×バーチャルがそろそろ復活だ!」
霧「やった~! ところでだけどその名前変えよ?」
翆「さんせ~」




