表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
61/68

4 61.辻村さんに似た人。


「進藤先生」


 檸檬は出て行こうとした先生を呼び止める。


「何です………」


 振り返った先生は目を見開いて驚いた表情をしていた。


「先生?」

「……すみません。どうかしましたか?」

「…先生って兄弟居ますか?」


 先生を呼び止めてまで聞く質問じゃないと思う。


「………どうしてです?」


 でも気になった。


「いえ。何でもないです」


 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


「兄と姉がいます。全員生き別れですけど」


 兄と姉?

 辻村さんが兄だとして姉がいたなんて圭から聞いたことないけど。

 まあ、新藤先生と辻村さんが兄弟だって決まったわけでもないけど。


「そうですか。ありがとうございます」

「先生の渡した冊子、しっかり読んでおくんだよ」

「はい。ありがとうございました」


 先生はそう言って今度こそ帰って行った。


「檸檬、新藤先生と知り合いですか?」


 一花が聞いてくる。

 まあ、その質問は来るよね~。


「初めて会う。でも、知り合いと顔がそっくり。あ。新藤先生の下の名前分かる?」

右紅(ゆうく)先生。右に紅って書くらしいです。珍しいですよね」

「そっか。一花、陽翔、ありがとう」


 さすがに蓮も分かったんじゃない?

 辻村さんと新藤先生が何らかのつながりがあるんじゃないかって。


 でも圭からは聞いたことなかったし……言ってないだけ?

 それとも辻村さんが消した?

 (サラッと言うが簡単に出来たことではない。ただ、できそうだって思う檸檬がいる。作者も同様だ)


「じゃあ、買い出し。全員で行くと多いから半々に分けで食材担当と家具担当に分けよ。最年長は分けたいけど、葵が心配だから、蓮もそっち行ってくれる?」


 勝手に仕切ってるけど大丈夫かな?


「分かりました」

「家具一人で持てそう? 一括で行きたいから一週間ぐらい買い貯めようと思うんだけど」

「一人…でですか?」

「無理なら大丈夫」


 そこでキッチンをぐるっと見回していた陽翔が


「ソファー等の優先順位は低いですね。寝床が最優先。家電は一式そろっていますが、日用品はないですね」


 と。


「日用品ないままご飯を作ることはできるけど、あった方がいいね」

「三人で六つのベットを運ぶのは大変なので最悪、今日は布団で寝ますか。布団は供えられています」


 三つの部屋を覗く一花。


「ベットもどうすんだ? 男女で部屋をわけるのはいいが、三つ並べたら結構狭いと思うが?」

「琉生に同感。………ベッドね。知り合いに頼めば運んでもらうことは可能だけど……。シングルで大容量チェストベッド六つ」


 ベッドぐらいは用意したっていいだろ。

 どうやって六つ運ベと。


「本当ですか? なら、家具よりかは日用品を優先ですか」


 私のベッドの用意が必要になったので仕方なく電話することになった


『はい。晃です』


 電話の相手は一応私の世話係。

 と言うか、蓮に聞こえたな?

 体がピクンと反応したぞ?


「もしもし。檸檬です。お久しぶりです。十二月ぶりですか?」

『そうですね。どうかされましたか?』

「シングルの大容量チェストベッドを六つ頼めないですか?できれば小さめのを。無理ならいいわ」

『……了解しました。……どうやったか知りませんがGPSの電源を入れてください』

「いやです。二十時までにお願いします。それでは」

『れ………』


 そう言って電話を切る。

 何か言いたそうだったが構わず切る。


「晃さまに電話するなら俺も話したかったです‼」


 晃さんは仕事は完璧で狐の憧れの的でもある双子の弟。

 蓮も晃さんに憧れているらしい。


「…届けられる。とのことです。二十時までに届くそうです」

「よかったです」

「入居者以外が入るには何か許可が必要ですか?」

「……敬語はやめてください」


 蓮に敬語で話すのを止められる。

 今だに治らない私の癖。

 演じたらしばらく演じたものがとれない。


「サッと目を通した感じ、担当の先生に伝えれば大丈夫だそうです」

「蓮、今さっきパラパラ見てただけじゃ……?」


 一瞬で覚えるのも重要だからね。


「俺の特技だ」

「分かった。先生に伝えてきます。あ。伝えてくる」


 そう言って檸檬は部屋を出て先生に伝えに言った。


「ところでなんだが」


 檸檬が行ったところでしばらく話していなかった琉生が口を出す。


「もう一時なんだが、そろそろ買い出しに行かないか?」


 一斉に時計を見る。

 校長の茶番が始まったのが十二時のため一時間も話していたことになる。


「檸檬様が帰ってきたら、行きましょうか」

「「そうですね……」」



   ♢



『それでは』

「檸檬様⁉」


 突然俺の使える主、

 檸檬様から連絡が来たと思ったら、

 シングルの大容量チェストベッドを六つ、二十時までに頼まれるという無茶ぶりをされた。


「檸檬様も無茶ぶりするなぁ」


 はっはっはと笑うのは助手席に座る兄、晃。


「今、大阪なんだが?」

「それも分かって八時までだろ? 七時間。向こうまで渋滞なしで約六時間。向こうで注文して受け取れば時間はある」

「他人事だと思いやがって」

「他人事だからな」


 兄にバカにされながら車を関東方面に向ける。


「まあ、俺らはそれぞれに使え、業務は最優先だ。お前の仕事はやっといてやるよ。」


 仕事をやってくれるのはありがたいが、嫌味はいらん。


「適当なとこで下ろすかんな。」


 すると兄のスマホがなる。


「昴です」

『今どこにいる』


 声的に碧様。

 俺は檸檬様に使えているが、兄は碧様に使えている。


「どうされました?」

『どこにいるか聞いている。』


 ちょっと急いでるか?


「…大阪です。今から関東に向かいますが何かありました?」

『大阪か。今長野にいるんだが、拾って関東に送ってくれないか?』


 長野。

 ギリギリだな。


「なぜ長野に」

『恐らくドッキリかなんかだろ。離れたところでカメラを構えた奴が数人いる』

「……新幹線で帰ってください」


 おい、たとえ死んでもその口からため息を出すんじゃね~ぞ?


『金がない』

「何でですか」


 そんなに早く突っ込むなよ。


『…〝人気アイドルはお金のない状態で長野からどうやって帰るのか!〟って言う企画らしい』


 随分と面倒くさいドッキリだな。


「分かりました。向かいますが、碧様の方からも言ってくださいね?」

『は?』

「ただいま晃も檸檬様に呼ばれておりますので。お二人最優先な上、わたくしらの仕事をするものがいないため、仕事が滞ります」


 分かりきったことだが、昴も面倒くさいな。


「お二人の()()()‼ お願いいたします」

『…分かった』

「場所を教えてください」

『松本』

「…松本市美術館。そこに向かってください。そこは自力で。それでは」


 そう言って兄は電話を切った。


「晃。松本を通ってから行ってくれないか?」

「別にいいが、時間ギリギリだ。遅れたら昴のせいにするからな!」


 晃は車の速度をあげる。


「へいへい。遅れたら俺からも言えばいいんだろ? だが、遅れないのが一番だから飛ばせよ?」


翆「辻ちゃんに似た人が出てきましたねッ!」

霧「何で⁉ どういう関係⁉ 家族⁉ 兄弟⁉ 双子⁉ 姉って誰⁉ もう出てたりする⁉」

翆「…………………………今日…………帰ります………」

霧「翠ちゃん⁉」

小「図星だったとか」

霧「え⁉ 嘘! どれか当たってたの⁉」

翆「プンプンマルです‼」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ