2 39,大ピンチ
「……外にいっぱいいるよ。じゃあ僕はもう動けそうにないし、ここにいるよ。」
そう言って無線を取る。
『…音をMaxにしろ』
言われた通り最大にする。
「ここは的外れだった。別を当たるよ。」
『了解。』
Kが言う。返事がないと怪しまれると思って
「どうした?」
「あばらは折った。足も折っとけ。」
そう言って後ろを向く。
「…刑法第204条。人の体に傷害した者は、15年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処する。って知ってますか?」
「ああ?」
「それにより山田太郎、十六時三十七分逮捕。」
そう言って辻村さんに渡された手錠でカシャリと手にはめる。
辻村さんに渡されたのは、手錠だったのだ。
と言っても私は警察ではないのでこれに意味はない。
だからと言って、私人逮捕でもない。住所も氏名もわれているからそんな権限はない。
「お前…」
でも、私は今警察の服を着ているし、大体は騙されるだろう。
「ふざけんな‼」
もう一人が殴りかかってくる。
ただ、その拳は届かない。
「ずっとほったらかしでしたよねぇ…」
「E…戻ってよかった。」
「これでも吸っててもらいましょ。」
そう言って睡眠玉(範囲狭小版)を割って眠らす。
「じゃ、アルちゃんの手を放してもらおうか。」
「くッ…離すかよこいつの腕は折る。折られたくないなら、二人はそこから動くな。」
おそらく最大限の力を出す。
「「……」」
「ふ……二人は…なんだ。」
そう言って私はそいつの股間に蹴りを入れる
「私が動かなかったのは、手が怖かったからなのよ。足をつかまれたらもう、攻撃手段がなくなるからね。でも、封じられた今、怖くはない。」
「おおぉ…同じ男として痛さはとってもわかる…けど、同情はしないよぉ?」
「女性だとて痛いと思いますけど。」
「ウチの痛みを感じさせ多分思いっきり蹴ってやりました‼あと、私人逮捕ではないので、後は頼みましたよ。本物の警察さん?」
そう言って私は服を脱ぎ、怪盗の姿に戻る。と言っても、髪なんかは取らない。めんどくさいから。
『中の警備はしてないらしい。入って大丈夫だ。』
ガチャ
Kの説明を聞いてドアを開ける。
「…ここまで来てくれてありがとう。」
「……お母様の形見はそれだけですか?」
「うん。全部売りやがったから。やっと見つけたのはこれだけ。」
「……」
辻村さんのお母さんの形見は腕時計。銀色で大切に長く使われてきたのが見てわかる。
「二人の両親は?」
「聞きます?それ。」
「ハハハ。」
私人逮捕って知ってました?
「私人逮捕とは、警察官などの捜査機関に属さない一般人が、現行犯を逮捕できる制度のこと。 電車内での痴漢事案で、私人逮捕が事件解決に貢献しているという統計があり、市民の力で犯罪を防ぐ重要な手段となっているって言おうとしたんだろ?」
酷い。…Rが言った通りRには私人逮捕の権利はありません。私人逮捕をするには条件があるそうです。
一・犯人が現行犯人、準現行犯人であること。
これはクリアしてます。目の前で蹴られ、骨も折れてるらしいので。
二・軽度の犯罪の場合、犯人の住所、氏名が明らかでなく、逃走する可能性がある事。
これは違いましたね。軽度かはちょっと(調べんのめんどくさいので)わかんないですけど、犯人の住所、氏名はkから教えられてますし、この時点で条件の達成はできませんね。
「っていうか軽度の犯罪に警察官でもないのに警察官だと名乗るってあるけど。」
RとEは名乗ってないです。コスプレです。だって警察って言って無くないですか?向こうの思い込みですから。
「ギリギリだな。」




