1 20,怪盗ワンダーの正体。
正月特別編でいつもの二倍以上です
「じゃあ帰ろっか!」
「う~伊予のポジティブさがうらやましいよです!」
「どうして?」
「だってムカつかなきません?」
と来た時の格好に戻って話していると、十字路に来た。そこで出会った―――
あの怪盗…ではなく、不審者二人に
「「「あっ」」」「逃げるよ!」
そう言い切る前に
ガシッ
とつかまれて
「つかまえた」
と言われた。
「すみません」
「俺らの彼女に何してるんですか?」
と圭と、あの怪盗。
…適当に名前つけとこう。…私の名前から、もを抜いて
「お…圭くん!」
「…れん。」
「⁉」
「…あ~あ彼氏持ちか。」
「…さっきの走った分の労力返してほしいわ。」
そういって帰っていった。
奴らが見えなくなったところで、伊予がしゃべりだした。
「なんでお兄ちゃんとワンダーが一緒にいるの⁉っていうかれんって誰⁉」
「まあまあ。…とりあえず、家来てよ。」
「「え?」」
***
「なんか飲みたいものある?コーヒー、紅茶、オレンジジュースあるけど。」
「「コーヒーで」」「オレンジジュース!」
「そろそろ、仮面外しません?狐宮先輩」
「へ?」
声を出したのは、伊予だった。
「狐宮先輩ってあの二年の?全然違うけど。」
「…知り合い?」
「あ――うん。…いや。ああ。鈴木は後輩だ。」
彼は仮面を取った。
「いつもの蓮先輩だ。」
「ん?ほんとに蓮って名前なの?」
「知らなかったのね。…でこの女の子は?」
「僕らの従妹です。狐月檸檬と言います。」
「…もしかして、分家の?…ってわからない…」
「はい。分家の。」
「…大変失礼しました!檸檬様‼」
「れもんさま?」
伊予は頭の上にはてなを浮かべる。
「だからそういう態度はやめてほしいって…伝えられてます?」
「ません!」
「まだ三時ですし、うるさいから、静かにしてね。」
「………」
「聞こえない。さっきと同じでいい。」
「わかりました。」
「敬語なし。」
「承知いたしました。」
「言ってるそばから言わないで。」
「…わかりやすく。」
伊予が言う。
「あ。ゴメン。」
「檸檬様に気を使わせるな。」
「蓮?怒るよ?」
「すみません!」
さっきよりはましね。
「…んでこれはどういうこと?」
「それはもちろん、檸檬様が、次期妖狐、狐坂当主候補だからだ!」
「蓮‼だ・か・ら!おじさまの子供や、恋優くん。碧が…やっぱ碧は…が見つかればその話は白紙!わかる?」
「…今の会話で忘れてたけど、いつもの蓮先輩こんなんじゃないよね。」
「あ~あれ?あれは演技。演技をするの楽しいし、それに普段あれならバレにくそうじゃない?」
「なるほど。…って演技⁉」
「…いっしょだ。」
「檸檬様も⁉」
「ええ。演技は楽しいわ。」
「そうなんです!演技は楽しいんですよ!」
「…ほかの人には言わないでおく。」
「ほんと!助かる~」
「で。ほんとに次期妖狐当主って本当⁉」
「そう。現在当主の飛空様にお子様がおられないからな。だから、分家の檸檬様にお声がかかっておられる。」
「そう。率直に言えば、私の叔父が妖狐当主。」
「なるほど~」
伊予が納得したようにうなずいてくれて安心…
「冗談…ではなさそうだな。」
「あははは。」
「…本題です。先輩はなぜここに連れてきたんですか?ほっておくこともできました。」
少し悩んで、蓮は言った。
「仲間が欲しい。」
「「え?」」
意外過ぎて伊予と声を出してしまった
「仲間が欲しい…ですよ‼先ほどワンダーの事は知ってるって言ってた…ですね‼ただ、動く回数が圧倒的少ないって知ってる…ますか⁉一人でやっていると、そちらがやってた、防犯カメラのすり替え、遠隔操作はもちろん、パスワードを覚えるのも大変なんだ…です‼準備をしている間に、警察に先を越されたりすることもある…ます‼そして思った…ですよ‼盗む目的が一緒なら一緒にやってもいいんじゃないかって…です‼今日盗んでいったものが盗品だった…ので‼今誘ってる…ます‼‼」
…敬語にしようという威勢はいいわね…
ってそう説明した後に
『仲間になってほしいです!』
と頭を下げられた。
「…別に。仲間が増えて困ることはない。それに怪盗の先輩だしね。二人はどう?」
「…構わな…」
「断然賛成!つまり、仲間になってほしいってことだよね!」
「伊予…ありがとう」
そういってうれしそうに笑った。
「そうだ。名前。どうする?」
「蓮がよければこのままがいいな」
「どちらでも」
「どっちにしろ、勝手につけられて、勝手に名乗ってるだけなので、変えたいなって思ってたし、ファックスの方がいいですね。どっちにしろ俺も狐なんで。ワンダーという名はただの思い出になります。」
「じゃあ。帰るか。」
「あ。カード置き忘れた。」
「「はあ⁉」」
「…カード置きに戻ります?俺も伝えた方がいいかなって。」
「私も行く。」
「私も私も!」
「伊予はダメ。」
「なんでケチ」
「伊予全然寝てないでしょ。」
「あはは。ばれてた。」
伊予は楽しみすぎてほとんど起きてた。って圭が言ってた。
「圭。一緒に帰ってあげて。」
「言われなくても。」
そうして私たちは逆方向に歩いて行った。
***(伊予視点)
「あ~あ二人についていきたかったのに。そうだ!こっそり後ろついていこう!」
「やめとけ。ばれるのが落ちだ。」
ちぇ。帰ったらお母さんのかくしてあるおやつ食べよ。
「まさかとは思うが母さんのお菓子食べようとしてないよな」
「ゲッなんでそれを。」
「…伊予のオーラにしみついてた。」
「なんだそれ。ぷッ…あはははは‼」
「何笑ってるんだよ…フッあははははは!」
そっからは二人でずっと笑ってた。思う存分お兄ちゃんと久しぶりに笑った。お兄ちゃんの笑顔を久しぶりに見た。何年前かわからない。ただお兄ちゃんがいつも笑顔で、口数が人より多かった時かな。
その時の話は、またいつか。
***(檸檬視点)
私と蓮は全速力で走っていた。
「蓮。」
「なんですか?」
「あの時、助けてくれてありがとう。正直言ってあの屋根まで飛べる自信はなかった。」
妖狐かしてなかったし。
「あの時言ったように、礼には及びません。困っているなら助ける。それが普通です。」
「…蓮には普通かもしれないけど、そうじゃない人もいる。それが普通といえる蓮はすごい。」
そうして蓮は少しびっくりした顔で、
「そうですね」
といった。
「檸檬様。今日、怪盗ファックスが盗んだもの、アメジストの結婚指輪。あれ誰と誰の結婚指輪だと思います?」
「?知らない。」
でも、今蓮がいうならもしかして。
「あの結婚指輪は飛鳥様と柚様の結婚指輪です。」
やっぱり。これを選んでくれたのは…圭。あとでお礼を言わなきゃ。
蓮が速度を落として歩いてくれた。私はこの指輪二つを胸に押し付け、きゅっと抱きしめる。
私のいとこの双子はとっても似ている。性格はだいぶ違う。けど、心がとっても優しい。
私のいとこがあの二人でよかった。ほかでもない、あの二人でよかった。
それからは一番近くにいた警察官の前の壁に、カードを投げて刺す。
そっからは知らない。でもしばらくニュースになるのかなって考えながらまだまだ暗い夜の道を蓮と進んでいく。
あけましておめでとうございま――――す‼‼‼
「あけおめことよろ!」(活発男子ボイス)
「十二月二十七に何言ってんの。」
「「「うっさい小雨!」」」
「狐や霧雨からそんな言葉が出るとは」
「「いやあ。言えって言われたものですから」」
…無事1終わりましたね~ただまだまだ終わりません!最初の数字が2になるだけでまだまだ続きます。一つの数字で大体20行くなら少なくとも、単純計算で460は行きます。
「今考えているだけではね」
「で?次作はいつ出るの?」
さっきの単純計算で行くなら五十行けば、二つ目、百行けば、三つ目ってとこかな。
「「「やっと二つ目が見えてきた。」」」
まあ、なにとぞよろしくお願いします。ことよろ‼
「「「ことよろ~」」」




