2/58
1 2,おいしい夜のご飯の時間
今回は伊予視点です。
私の兄、圭と、私の母、蜜柑が檸檬の荷物を運んでいたので、私も運ぼうと靴を履くと
「もうない。」
と言われた。
「そうなの?…そうなの⁉」
だって、今お兄ちゃんが持っている、箱と、お母さんが持っている箱、そして、檸檬が持っている、カバンしか荷物らしきものはないよ⁉
「本当にこれだけ⁉」
私は気になって、檸檬に直接聞いた。
「うん。これだけ。」
「なんでこれだけになるのぉ?」
「伊予の荷物じゃ十は行くな」
「そんなんじゃないよ。十五は行く。」
「それは言い過ぎよ。」
と会話を交えて、荷物と部屋の整理を済ませた。
「ご飯だよ~」
とお母さんの呼ぶ声が聞こえてきた。
いつもより一段と暗い檸檬に向かって
「ご飯だよ。行こう?」
といつもと変わらないように言う
「うん。」
と檸檬が言う。ここにきて初めての笑顔を見せてくれた。
「今日のご飯はすき焼きだって!」
「ほんとだ。おいしそうなにおいがする。」
そう言って二人でリビングにに向かっていく―――
どうもこんにちは!翆雨です。今回は伊予視点!
面白いと思っていただければ幸いです!
次もどうぞお楽しみに!