1 13,お金ください!
「「お金くだ…」」
「ダメ。」
途中で途切れさせた蜜柑さんの『ダメ。』
「だろうな」
きつい圭の『だろうな』というツッコミ
「「うっ」」
そしてその『ダメ。』と『だろうな』でグサッと刺さる私、檸檬と伊予。
…最初から見苦しい姿でごめんなさい。ただ、ほんっとうにお金が欲しいんです!
「なんでお金が必要か言ってみなさい。」
来た。これで言わなければ私たちはお金は貰えないだろう。
ただ、ここで言っても、怪盗をやれるかわからない。
…ここは息子と娘に任せよう。
「「…」」
おそらく、伊予と圭は話すか話さないか目で話し合っている気がする。
「檸檬…言っていい?」
「二人の判断がそうなら。」
「好きにしろ。」
そうして、私たちは怪盗になりたいという気持ち。盗むもの。今必要なもの等をじっくり説得した。
「なるほどねぇ…でも、圭の受験校での中間テストの学年一位の頭脳や、伊予の人間離れした運動能力。檸檬ちゃんの妖狐の能力を使うなら、怪盗になるってもよさそうね。」
そう言って少し考えて
「よし。協力してあげようじゃない。」
「えッ⁉」
伊予は納得してもらえると思っていなかったみたいで、声を出していた。
「何よ。私だって、息子や娘や姪が本気でお願いしてきたら、考えてあげないことはない。それに、面白そうじゃない!怪盗なんて!」
…面白そうなのに食いつくのは、この親あってこの子達あり…か。
「ただし条件
・使っていいのは、一人おこずかいとは別で、月二万。計画性に使って。
・頼まれたことはちゃんとやること。
・三人で共同は月三万。
・関係ないものは買っちゃダメ。
・買ってきたものと、レシートは出す。
これを守ってくれる?」
「「もちろん。」」
「さて。今から買いに行くんでしょ?ならお使いもよろしくね。これ。メモね」
「…僕の分もあるよね」
あっ僕に戻ってる。
「もちろん。」
「おっけ~じゃあ行こ!」
そう言って家を出たけど…
「すごいね…一人月二万ってことは、一年で、七十二万。そして三人共同は、三万。ってことは三十六万。で一人のおこずかい二千だから、合計…何?」
「お~そこまで考えられた。」
「合計、百八万六千円。」(1,806,000円)
「そんなお金どっから出てくるの。」
「だな。」
「まだまだ謎の鈴木家。」
「ほかに謎あったか?」
…このお金はたぶん妖狐本家からの、お金の支援だと思います…
こんな会話をしながら鼻歌を歌える伊予はある意味才能だと思う。
「どうも!檸檬のむ」
わ――――‼
「やめてよ」
こないだの『存在自体がネタバレ』な奴!
「え~関西弁じゃないじゃん。」
そうだけどそうじゃない!とにかく同一人物!
「それ言ったら同一人物になっちゃうじゃん。」
事実同一人物でしょうが!この元、引きこもりガキが!
「ひっど…対して悪口じゃなくない?」
…
「四年生でガキなら六年生もガキでしょ。」
…すーもりーも六年だよ?
「…最初だけね。」
じゃああなたも最初だけ四年。
「あーもうるさい!もう終わり終わり!コメント等励み!」
じゃあね『存在自体がネタバレ』な奴
「すーとりーってあだ名言っちゃってるやつに言われたくない!」