転校生
「ぐぇ〜」
「どうしたんだ、カノ?そんな世界の終わりみたいな顔して」
「いや〜、賭けで一攫千金しようと思ったけど宛が外れた」
昨日夜にNo.達を色々呼んで作戦会議したが、皆呆れて帰って行った。なんか因果律、とか強制力とか色々言ってたなぁ。でもバエルだけはノリノリだったけどアイツは未来予知出来ないんだよな…。
「なんだ?未来予知でもできる知り合いがいるのかハハッそんな奴は人間じゃねぇーよ」
「ぐぇ〜確かになぁ〜」
もちろんNo.は人間ではないむしろ、悪魔……いや辞めとこう
「そう言えば2人とも今日転校生が来るみたいですよ?」
「え、男?女?どっちなんだテニファ!!」
「わわわ、ガッツかないで下さいトント君!?」
「えー未来予知できる子?」
「いやそれは、流石に出来ないと……」
「カノお前なぁ……最近どんどんダメ人間になってるぞ…」
「僕はいや俺は元々こんなもんだよ〜」
(…………)
「はーいはい皆席について〜」
「今日から皆と一緒に勉強する転校生ですよ!」
と言うと紺色の髪に背は小さいが、顔が整っていて一言ですごく可愛い女の子だ、それはクラスメイトの男たちが喜んでる所を見れば分かる
「よろしくお願いします」
「では、自己紹介をお願いします」
「…………」
「あ、あの?」
「…………」
無言の女の子は僕を指さした
「?」
「……き」
「え?」
「好き」
「は?」
「「はあああああああ!?!?」」
ーーーー
この子はリリエ・シェアト。席は隣で俺の左腕をずっーと握ってる確かに可愛い子が僕の腕を握ってるのは普段なら可愛いと思うが、こいつのせいで理不尽を被った。いきなり好きと言い出したあとクラスメイトの男たちがずっっっと睨んでくる今もだ、と言うかトントが本気で殺意の目を向けているこいつと友達辞めた方がいいのか……?
「あ、あの……離しては貰えないんですか…?」
「ダメ、一緒に居る」
(くっそ!!可愛いから強引に引き剥がせない!!しそんなことしたらトントが飛んで来る)
お昼
「おい、カノ……お前、何か言うことはないか……遺言とか」
「おいおい、俺たち友達だろ」
「今までありがとう、せめて……俺が殺してやる」
そうトントが構えるとリリエが腕から離れて一言、言った
「手を出したら殺す」
「……ひぇっ」
トントはそこにヘタレこんで、リリエはまた腕に抱きついた
「カノって言うんだね、よろしく」
「あ、あぁカノープス・アストリアだ……あはは、よろしく」
「カノ、大好き」
あぁ……なんでこんないきなり始まってしまったんでしょう…僕の恋物語が……
しかも勝手に……
ーーーー
帰路
「って!帰りも着いて来るの!?!?」
「はい、カノの隣の部屋を用意してもらった」
「えぇ、いつの間にかにってか仕事早すぎだろ!?」
「でもまだ、家具が来てない」
「と、言いますと?」
「ベットがない」
「それで?」
「カノの部屋で一緒に寝る」
「……あの流石にそれはダメです」
落ち着け僕、シエテ先生の件からまだ何週間もたってないんだぞ……
ギャップが激しすぎるだろコレ!?
「ダメ?」
「はい、ダメです」
「そう。」
「あれ、案外あっさり諦めてくれるのね」
「私もワガママ言って嫌われたくない」
……なんか僕悪者みたいだ…布団くらい部屋に持って言ってあげよう。
「後で、使ってない布団持って言ってあげるよそれで我慢して」
「うん!ありがとう!」キラキラキラ〜
ーーーー
カノープスの約100m後ろの塀
「少し、様子を見に来たら〜、あの子私の知らない子と一緒ね〜お姉ちゃんに一言もなしなんて……寂しいわねぇ……」
魔力ダダ漏れの姉が後ろから見ていることには流石のカノープスも気づいている……むしろそれを感じて涙目になりながらカノープスは無事(?)に帰れたのであった……




