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総支配人、部長の田中 史郎は煩悶(はんもん)していた。『佐藤が、まさか胸にパンティを突っ込んでいたとは・・・』う~ん俺は。何でパンティを被ってしまったのか。シブイ中年の見本といわれてたのに、これじゃ台無しだ。権威も失墜だ。社長の耳に入ったらどうしよう。

う~ん、箝口令(かんこうれい)でもしくかないかな・・。

煩悶する田中部長は散乱する書類の下に、肌色っぽい物を見つけた。書類をどかしてみると、何と、それはオッパイだった。

「何だ、これはー!」

ビックリしたが、すぐに誰かのイタズラかと思った。それとも、おもちゃ売り場の見本かな・・・。それとも、肌着売り場の見本か?。

そっと、触ってみた。

「あっ」

温かい。冷たいのを予想してたのに、それは温かかった。人肌の温かさだ。手で掴むと、適度な弾力がある。不思議に思い、なお(いじく)り廻していると乳首がもり上がってきた。

不思議に不審が重なり、なおモミ揺すり、弄り廻していたら近くで「あ~」という大声がした。


 「部長、何やってんですか!。イヤらしい」

例の佐藤くんが居た。ぞわぞわと、周りの奴らも集合して来た。

「いや、なに、これは・・・」

「それ、私のオッパイです。何で、こんな所に」

「えっ、これ佐藤くんのオッパイなの」

「そうです。私のです。今朝、気付いたら無くなっていたのです。返してください」

「そ~、良く出来たオッパイだね。本物みたいだ」

「えっ、やだ、それ本物ですよ」

「えっ、!」

田中部長は、マジマジと珠恵を見た。珠恵は真剣だ。

「イミテーションじゃなくて、必要な時に脱着出来るオッパイパットじゃなくて、本物。

君、気は確かか。・・・バカな、本物のオッパイが取り外し可能なのか。『コブ取り爺さん』じゃあるまいし・・・」

「え~、でも本当なんです。今朝気付いたら、居なくなってたんです~」

なおも不審な田中部長に、珠恵が迫った。その気迫に押され、後退した田中部長が書類の山をバサバサと崩してしまった。この上司は整理整頓が出来ていない。

「あれ~ない」

「やだ~ふざけないでよ~」

珠恵はバサバサと書類を散らしながら、オッパイを探した。見物中の従業員も一緒になって探した。

書類の下、机の上、引き出し、机の下、キャビネットの中、キャビネットの裏、不思議なことに何処を探してもオッパイは見つからない。

珠恵が泣きながら「また、逃げられちゃったぁ」と半狂乱で床に這いつくばって探している。

だが、不思議にもオッパイは見つからなかった。

その時になって田中部長は、ようやく部外者の存在に気付いた。


 「君、うちの従業員じゃ無いな。何者だ」

「私、邦東テレビの邦東ひるテレビ担当プロデューサー、山村 涼子といいます」

「えっ、何で?」

涼子は名刺を差し出した。

涼子は、今朝からの一部始終を知ったこと伝え、この怪異を取材させて欲しいと申し込んだ。

田中部長はシブイ顔をした。このヤッカイ事を面倒くさい相手に知られてしまったのだ。

「部長さん、人の口に戸は立てられませんよ。この怪異は尾ひれハひれが付いて、ドンドン拡散しますよ。箝口令なんか強いたら、よけいに拡がるでしょう」

田中部長を見て、涼子はニッコリと微笑んだ。

「う~ん」

「どうでしょう。私に任せてもらえませんか。物事は結果、結論が出れば、自ずと鎮まるものです。幸い私どもには、科学者、精神科医、評論家、作家などのたくさんのコネがあります。それを駆使すれば、何らかの結論が導き出せると思うのですが。

もちろん、丸腰さんの名はぼかします。どうでしょう」

「う~ん」

田中部長は、それでも逡巡していたが、ようやく決断した。

「分かりました。ただ、社長に計って見ないと、ちょっと待ってください」

田中部長はその場で電話をした。アポを取って、直接社長に説明してから回答するとした。


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