夢と日常
何となく書き始めしたがもし宜しければ読んでいただけると幸いです。よろしくお願いします。
気が付くと、黄色い光に包まれた空間の中に翔は立っていた。
背景には無数の武具やオーラが見える。
目の前には王族の様な雰囲気が漂う男が立っていた。
分かってる。これはいつも見ている夢だ。
そしていつも通り目の前の男は俺に問うのだ。
「君は、これ等の力を如何使う?」
これだけの財宝を如何使うなんて言われても翔には答えが出ない。
結局いつも通り下を向き、沈黙してしまう。
「決まってないなら、いつか答えが出るだろう。君にはいずれ、誰かを守りたい気持ちが芽生えるはずだ」
眩い光が辺り一面に広がり、意識が途絶えた。
意識が覚醒すると視界には、部屋の天井が入った。
ジリジリと高音が部屋に鳴り響く。透かさず枕元の目覚まし時計を押し、音を止める。
ベットから起き上がりその場で背伸びをし、部屋のクローゼットから制服を取り出し、着替える。
下の階のリビングに向かうと、一人の女性がキッチンで料理していた。
「おはよう。紅姉ぇ」
「あ、おはよう翔。ご飯もう出来るから座ってて」
「分かった。でもその前に……」
部屋の隅に置いてある、小さな写真縦が飾られた仏壇に手を合わせた。
「父さん、母さん、蒼おはよう。今日も元気に行って来るね」
翔の家の葛城家は五人家族だった。だが事故が切っ掛けで父と母、そして妹の蒼が亡くなった。
その場で奇跡的に生き残ったのが翔である。
その後怪我が回復し、昔から仲の良かった里川家に引き取られた。
現在は里川の娘である翔より年上の里川紅と暮らしている。
お参りを済ませ、席に着いた。
丁度横にテレビのリモコンが置いて有ったのでつける。
『……です。それでは次のニュースです。又もや遺体消失事件です。今日白影市の○○町の裏路地で潰れた様に辺り一面に血が充満しているのを近くの住人が発見しました。しかし、遺体は確認できておらず、警察は慎重に調べを進めています……』
「怖いわね最近」
「そうだね……」
画面に一瞬移った血の痕跡で翔は確信した。この世のどんな物を使ってもあんな殺し方は出来ないと。
学校に行く前に確認する事が出来た。
「紅姉ぇごめん。今日の朝食はいいや。適当にパンでも買ってく」
「今出来たばっかりなのに?」
「ホントごめん。帰ったら必ず夕食は食うから。行ってきます」
「気をつけなさいよー」
「分かってる。」
翔は家を出て、さっきのニュースの現場に向かった。