いじめっ子 VS リュウジ
一方その頃、野球部が練習している校庭では。
勉夢「キンッ!(バッティング練習でボールがバットに当たる音)」
野球部キャプテン藤村「橘高、流し打ち上手くなってきたな」
勉夢「最近コツが掴めそうなんだよ!キンッ!」
藤村「流し打ちが出来れば相手投手は外角だけの勝負はできなくなる。走者も進められるし打率も上がる。もともと引っぱりは得意なお前だ。今年は3年最後の大会だし、面白くなるかもな(笑)」
勉夢「あぁ、悔いは残したくないからな(笑)精一杯やるさ!キンッ!」
他の野球部員「お~い橘高ぁ!」
勉夢「?」
他の野球部員「(ツトムのもとへ駆け寄ってくる)橘高、向こうで浜口が呼んでるぞ?なんか急いでるみたいだけど?」
勉夢「タカオが?なんだろう?」
言われるがままにタカオのもとへ行くツトム。
勉夢「どした?部活中に来るなんて珍しいじゃん(笑)(ユニホームの袖で汗を拭いながら)」
孝雄「ツトム!今すぐ体育館横の女子トイレに行ってくれ!」
勉夢「じょ、女子トイレ!?なに考えてんだお前は…」
孝雄「だぁ~!ったく変な意味じゃねぇ!マヒロが大変なんだ!」
勉夢「マヒロが!?どういうことだよ!?」
孝雄「俺は今すぐカケルにも伝えなきゃならねぇ!急いでっから詳しい事情はマヒロから聞いてくれ!(そう言って俺を探しに走り出す)」
勉夢「体育館横の女子トイレだな!?」
孝雄「おう!とにかくすぐ保健室に連れて行ってやってくれ!頼んだぞ!」
勉夢「わ、わかった!」
その頃俺は1人教室に残り、スマホでいじめの対策について調べていた。
空翔「なになに…「前項の規定による通報を受けたとき、その他当該学校に在籍する児童等がいじめを受けていると…」う~ん、これじゃちょっと弱いな…」
さらに調べていく俺。
空翔「「市町村の教育委員会は、いじめを行った児童等の保護者に対して学校教育法第35条第1項の規定に基づき…」こ、これだ!」
いじめの解決に向けてヒントを得たその時!
孝雄「ガラガラガラ!(教室の前のドアを勢いよく開ける音)カ、カケル!ここにいたのか!」
空翔「あらまぁ…ブサイクな顔が汗で余計磨きかかってるじゃない(笑)」
孝雄「フザけてる場合じゃねぇ!栗木ちゃんが…栗木ちゃんが大変なんだ!」
空翔「栗木がどした!?」
孝雄「いいからお前は今すぐ「青年の森」に行け!行けば全ての事情がわかるはずだ!俺はリュウジにもこのこと伝えてくるから!」
空翔「わかった!」
そう言って、青年の森へと猛ダッシュする俺!
空翔「うぉおおぉおお!!!(栗木待ってろ!!今行くからな!!)」
一方、その頃。リュウジがいる6組の校舎裏では。
龍司「さて、カケルと一緒に帰るか…」
俺のいる1組に向かおうとしていたその時。1人の男が後ろからリュウジを呼び止める。それは、マヒロを殴った金田だった。
金田「石母田ぁ!」
龍司「…金田?」
金田「久しぶりだなぁ石母田ぁ?」
龍司「オメーから話かけてくるなんて。またヤラれにでも来たのかよ?(このマゾが(笑))」
金田「いつまでも調子にノってンなよ?今の俺はあの頃の俺じゃねンだよ…」
龍司「…で何?」
金田「タイマン張れコラ…」
龍司「は?」
金田「今すぐタイマン張れって言ってんだよ!」
龍司「嫌だよ面倒くさい(頭をポリポリかきながら)」
金田「な!?なんだとテメー!ナメてんのか!?」
龍司「俺は弱いヤツに興味ねーの。暇つぶしなら他あたれ」
金田「…ヘッ!カッコつけやがってアホが…。だったら嫌でもヤル気にさせてやろうじゃねぇか」
龍司「?」
不気味な笑みを浮かべながら話しを続ける金田。
金田「お前、吉崎と仲良いよな?」
龍司「それがどうした?」
金田「あいつ今、ノビてるよ(笑)」
龍司「な!なんだと!?どーゆーことだそりゃ!?」
金田「…わかりやすいくらい顔色変えやがって(笑)」
龍司「どーゆーことだって聞いてんだよ!答えろコラ!」
金田「はっはっは!どーもこーも俺がシメたんだよ♪」
龍司「な!?テ、テメー…!マヒロ殴ったのか…!」
金田「石母田ぁ~…世の中不公平だとは思わねーか?」
龍司「あ?」
金田「世間じゃ「男女平等」なんて言いながらよ?今や優遇されてンのは女ばかりじゃねーか」
龍司「…なに言ってんだお前」
金田「女限定の大学推薦入試、、女起業家限定の補助金、女専用席に女専用車両。今の世の中は男尊女卑どころか女尊男卑になっちまってる。そのクセ、世論まで「男は女に手を出しちゃいけねぇ」なんて始末だ。女なんて非力で群れてなきゃなんにもできねぇクセによ…」
龍司「………」
金田「俺はなぁ石母田?「男女平等」ってのをこの手で実践してやったまでだよ。だから吉崎が女だろーが関係なく殴ってやったんだ(笑)」
しばしの沈黙。
龍司「…オメーを産んでくれたのは誰だ?」
金田「あ?」
龍司「オメーを産んでくれたのは誰かって聞いてンだよ…?」
金田「母親に決まってんだろ(笑)」
龍司「そうだ。女は子供を産めるが男は産めないよな?生物の価値ってのは第一に「生きる」こと。第二に「子孫を残す」ことにある。これは両性生殖が始まった12億年前。オスとメスの歴史から見ればわかることだ」
金田「……?」
龍司「女は「子供を産む」「生命を繋ぐ」っていう優れた特性を持つ代わりに、男に比べて脳の体積が小さい、身長が低い、筋肉が弱いなど、総体的な犠牲を払ってンだよ」
金田「………」
龍司「そもそも、男と女を同じ前提で考えてることからして無知と言わざるを得ねぇ。生物学をはじめ、遺伝学、動物学も学ばなきゃ本当の違いってのは見えてこねぇんだ。成績が良いからってテメーの考えが無謬とか思ってんじゃねぇぞ?」
金田「…ワ、ワケのわかんねぇこと言いやがって…!(汗)」
龍司「能書きに付き合ってやったんだ。さっさとマヒロの居場所教えろやコラ?」
金田「か、簡単に教えるかバカが!(汗)知りたきゃ俺とタイマン張れ」
龍司「…ふぅ(ため息を吐く)…タイマン張りゃマヒロの居場所教えんだな?」
金田「はっはっは!教えてやるよ。ただし、勝てたらの話だけどなぁ(ニヤリ)」
龍司「なら、とっとと始めようぜ?(両手を顔の前で重ねバキボキ指を鳴らす)」
金田「あ、そうそう言い忘れてた」
龍司「…?」
金田「お前、栗木って女も知ってるよな?」
龍司「ま、まさかテメー…!栗木ちゃんまで!?」
金田「はっはっは!俺はやってねーよ(笑)」
龍司「俺「は」…だ?」
金田「そーだよ(笑)栗木は今、バレー部の女どもがさらって面倒見てんだよ」
龍司「テメーら…!マヒロに栗木ちゃんに一体どういうつもりだ!?」
金田「さぁなぁ~…。俺は吉崎ヤレって頼まれただけだ。詳しいことは知らねーよ」
龍司「…口は割らねーってか?だったら力ずくで吐かせてやるよ」
金田「おおっと…!お前、俺に手は出すなよぉ?(ニヤリ)」
龍司「…何だテメー?土壇場でビビったのか?」
金田「そうじゃねぇそうじゃねぇ…(笑)栗木はな、「俺の指示1つでボコボコになる」んだよ♪」
龍司「な、なんだと!?」
金田の指示で栗木がボコボコになるというのは謀略であった。事実、金田とアユミの間でそのような計画は立てられていなかった。だが、リュウジはそのことを知らない。
金田「徳山~!」
そういって校舎裏から姿を現したのは3年4組の徳山浩。いつも金田にくっついて回っているヤンキーかぶれのアホだ。
徳山「へへへっ!(スマホを手にニヤリとしている)」
金田「よく聞け石母田?俺がこいつ(徳山)に指示を出せば、向こうにいるバレー部の女どもに連絡が繋がる。その瞬間、栗木のリンチショーが始まるってワケよ(笑)」
龍司「…フザけんなよ…テメー!(超怒)」
金田「言ってる意味わかるよな石母田ぁ?つまり、栗木助けたきゃ手は出すなってことだ(笑)」
龍司「…タイマン張るんじゃなかったのかよ、インテリ大将?」
金田「俺は賢い人間だからな?同じ失敗はしねぇ」
龍司「………」
金田「だから最初に言ったろ?「昔の俺じゃねー」ってよ(笑)」
龍司「………」
金田「俺はなぁ石母田?どんな手使ってもトップとれりゃいーンだよ。テメーみてぇな聖人君子見てると虫唾が走ってしょうがねぇ…」
龍司「…テメーらしい悪辣な計画だぜ」
金田「なんとでも言えバカが(笑)俺はテメーに負けた恨み、今日まで1日たりとも忘れたことはなかったぜ…(怒)」
龍司「……クッ!」
金田「徳山ぁ…!こいつ抑えとけ!いくぞ石母田ぁあ!!」
そう言うと同時に、徳山に羽交い絞めされたリュウジの顔に思いっきり前蹴りを喰らわす金田!
龍司「ぐぅわっ!!ブバッ!!(鼻から血が噴き出す)」
金田「オラオラオラオラオラァ!!!(リュウジの胸倉をつかんで4発5発と殴る)」
龍司「ガッ!ゴッ!ゴンッ!ガッ!ガンッ!ぐはぁ!!(みるみる顔が腫れ血が巻き散る)」
金田「はっはっは!!ざまぁーねーなぁ石母田ぁ!!(笑)」
ここで一旦殴るのをやめ、校舎裏の林に落ちていた角材を手にする金田。
金田「石母田ぁ……」
龍司「…はぁはぁ(鼻と口から血を流し金田を睨む)」
金田「…なんでテメーなんだ?」
龍司「…はぁはぁ」
金田「…俺は今まで、ずっとアユミだけを見てきた。なのに…あいつはオメーばっかで、ちっとも俺を見やしねぇ…」
龍司「……」
金田「(回想)はぁはぁ……(小学4年生の時、マラソン大会を走っている)」
男子2人組「きゃははは!(ふざけあいながら金田の横を抜こうとする)」
金田「ガン!(抜こうとした2人組の1人の肘が金田の鼻に当たる)うっ!(鼻血が垂れる)」
男子2人組「(一瞬金田を見たが無視して抜き去る)きゃははは!」
金田「うぅう…(鼻から血が出るのを右手で抑え痛がっている)」
亜弓「?(金田の横を抜き去る際、金田が鼻血を出して痛がっているのに気づく)」
金田「……(ただアユミを見ている)」
亜弓「これ(ショートパンツのポケットから紫色のハンカチを金田に渡す)」
金田「?(わけがわからないままハンカチをそっと受け取る)」
亜弓「(一瞬だけ金田に笑みを浮かべ先を走っていく)」
金田「……(アユミの後ろ姿をずっと見ている)」
金田「なんでテメーなんだ…!なんでテメーなんだよ石母田ぁぁあああ!!」
嫉妬の感情が爆発したかの如く、角材で思いっきりリュウジの頭を殴る金田!
龍司「バキィイッ!!ごぁああっ!!(再び血が巻き散る)」
金田「テメーさえいなけりゃ!!テメーさえいなけりゃ!!テメーさえいなけりゃなぁああ!!」
龍司「ガッ!!ゴッ!!バコワッ!!(角材が折れる)ぐぅぁああぁ!!」
金田「…はぁはぁ」
龍司「…あぁ…あ…はぁ…ぅ…(目の焦点が合わず、意識が朦朧としている)」
金田「…し、しぶてーヤローだ…。まだ意識あんのか…」
龍司「……う…ぅ…」
カラン…(角材を捨てる音)
シュボッ!(内ポケットからタバコを出し火をつける)
フゥ~…(煙を吐く)
龍司「…はぁ…はぁ…」
タバコを吸いながら再び林に行き、今度は落ちている錆びた単車のマフラーを手にする金田。
金田「石母田ぁ…もう消えちまえよ…?ウゼぇからよぉ…(咥えタバコをしながら)」
徳山「…か!かねちゃん!さすがにそれはマズイって…!」
金田「ウルセぇ…!!(興奮しすぎて目がイっちゃってる)」
徳山「かねちゃん!!」
金田「いけや!!石母田ぁぁああ!!!」
龍司「…はぁ…はぁ…」
金田がリュウジに向かって渾身の力で単車のマフラーを振り下ろそうとしたその時!
孝雄「リュウジィィイ!!!」
猛烈な勢いで金田にヒップアタックを喰らわすタカオ!
金田「うぉっ!(バランスを崩し後ずさる)」
孝雄「んががっ!!(顔から地面に落ちる)」
龍司「!?……タ…タカ…オ?」
金田「…は、浜口!」
孝雄「かか金田テメー!!ななな何やってんだコラァ!!」
金田「こンのザコがぁ…!いいところで邪魔しやがって…!ブチ殺されてぇのかコラ!」
孝雄「(怖い怖い…)リュ、リュウジ!青年の森で栗木ちゃんが…!」
龍司「…き…聞いたよ…バカ(金田のこと)から…」
孝雄「だったら、お前も早く栗木ちゃんのところに…!」
龍司「…「も」?」
金田「ここコラ浜口!テメー余計なこと喋ってんじゃねーぞ!(大汗)」
龍司「フッ…。ク…ククッ…!…ってこたぁ…もう向かってるヤローがいるんだな…(ニヤリ)」
孝雄「あぁ!さっきカケルが向かった!もう付く頃だ!」
龍司「…ニィ…そ…そうかい…。カケルが…」
金田「…クッ…!(ポロッとタバコを落とし、汗を流しながら後ずさる)」
龍司「い、いやぁ…。さすがに…痛かったぞ…金田ぁ…!(ニヤリとしながら詰め寄る)」
金田「…そ、そのナリで俺が倒せるってか!?」
龍司「…ザコなんざ…一発ありゃ十分よ…!(ニヤリ)」
金田「ナメやがってぇ…!あの世行け石母田ぁああ!!」
再び単車のマフラーを握って大きく振りかぶり、リュウジにフルスイングしようとする金田!
金田「オゥラァァアアァア!!!」
龍司「うぅぉおおぉオオオ!!!」
孝雄「リュウジ!!!」
徳山「かねちゃん!!!」
金田が両手で目一杯振り下ろすマフラーのタイミングに合わせ、左足を大きく前に踏み込み、右足が浮くほど上体を前に持っていきながら、渾身の右のカウンターをアゴに喰らわせるリュウジ!
カッ!!!!(閃光)
金田「メリメリメリメリ!!!(リュウジの右のパンチがアゴにめり込む音)」
龍司「うぉぉらぁあああ!!!(そのまま思いっきり体重を乗せてパンチを振り抜く)」
金田「ゴキベキバキベキ!!!(右のパンチがアゴを砕く音)たたずげべばぁあ!!!(宙に浮き豪快に吹っ飛ぶ)」
孝雄「………(口を開けてその様子を見ている)」
徳山「………(唖然とした様子で金田を見ている)」
龍司「…はぁ…はぁ…はぁ!!」
金田「ピク…ピク…(ぶっ倒れて鼻と口から血を流し痙攣している)」
孝雄「ジョ…ジョ…ジョルトカウンター…(鼻水を垂らしながら呟く)」
徳山「…ひ…ヒィイ…!!(尻もちをつき恐れ慄く)」
龍司「…滅多に当たるモンじゃねーけどな…。今の俺が一発で倒すにゃ…これしか思いつかんかった(笑)」
孝雄「…ば…化け物かお前は…(汗)」
龍司「…おい…徳山?」
徳山「はは、はい!(大汗)」
龍司「そいつ(金田)手当てしてやれ…」
徳山「わわ、わかりました!(大汗)」
孝雄「リュウジ。栗木ちゃんのこと聞いたってことは、マヒロのことも金田から聞いてるよな?」
龍司「…あぁ…。このバカ…タイマン張りゃあ…マヒロの居場所教えるっつーからよ…」
孝雄「それでヤリあってたのか…。でも大丈夫だ!マヒロもツトムに任せてある」
龍司「…そ…そうか(笑)よかった…」
孝雄「今頃、2人とも保健室にいるはずだ。オメーも俺が連れてってやる」
龍司「…ヘッ。…タカオに助けられるとはなぁ…。まだまだ自衛隊員には程遠い…か(笑)」
孝雄「いーから行くぞ。その怪我じゃ1人で歩けねーだろ…(リュウジを肩車して保健室に向かう)」
龍司「(カケル…!栗木ちゃん…頼んだぜ…!)」
タカオの助太刀もあり、金田の謀略を破って辛勝したリュウジ。一方その頃青年の森では、アユミによる栗木への「ヤキ」が始まろうとしていた…。




