新しい世界8
学校から徒歩10分の所にあるアパートの一室に私達は暮らしている、部屋に着いても病院で働いている洋が帰ってくるのは早くても夜10時すぎ朝も6時には家を出てしまうので殆ど一人暮らし同然の生活になってしまっている。
「はあ~、よく考えると今日1日よく何事もなくすごせたな、もしかしたらボロが出て何かしら違和感を持たれると思ってたんだが、まあ何より明日も何事もなく過ごせるといいな。」
ガチャ 玄関が開き部屋から覗きこむとそこには紙袋を被った不審な男がいた。
「何やってるんだ、仮にも父親を名乗るんだったら変な真似はするな、それと仕事はどうした。」
「決まってるじゃないか我が愛娘の初登校、父親としてすぐに会って学校の話を聞きたいからだ、それと仕事は後輩に押し付けた。」
「はぁ、後でその後輩に謝っておけよ、それより医者何だからそっちを優先しろよ。」
「まあまあそう固いことは言わずにさ、それにしても制服姿似合ってるぞ~朝は言えなかったかグフ」
「抱き付くな変態。」
抱きつこうとしてきたので取り合えず避けた後足を引っかけ転ばせておいた。
「今日は殴らないんだね。」
「何故不満そうなんだ、それより今日の夕飯は何にするんだ?」
「そりゃ不満だよいつもは抱きつこうとすると殴る蹴るしてくるのに避けるだけなんて、それと可愛い瑠璃が作ってくれるなら何でも良いよ。」
「それが一番困るんだけど、それなら今日は時間もないし簡単に野菜炒めと適当に合わせたのででいいか?」
「うん、それで良いよ。」
取り合えず部屋に戻りエプロンを装着し台所で料理を開始する、先ずは野菜炒めの材料を準備する。
「うん、エプロン姿の瑠璃も可愛いよ。」
「今抱きついてきたら殺す。」
「ゴメン、そんなガチトーンで話さないで怖いから。」
取り合えず後ろの馬鹿は黙らせたので調理を再開する、先ずは豚肉を小さめに切り塩胡椒で味付けをする、その後キャベツは一口大、人参ピーマンは短冊切りにする。
「それにしても瑠璃もきちんとした料理を作れるようになって俺は嬉しいよ、最初はカレーや炒飯も作れなかったのに。」
「その話は今しなくても良いよね? 夕飯いらないの?」
「本当にごめんなさい‼」
取り合えず後で土下座している義理の父親はむしして料理を再会する、それから10後出来上がったので洋を起き上がらせ夕飯を食べ始めた。
「いやぁ本当に旨い、流石に一月前とは比べられない。」
「それより何か聞きたい事でもあるんじゃないの? 早退してまで帰ってきたんだから。」
これ以上このネタを続けて欲しくないので早速本題に行くことにする。
「そうだね今日1日高校に通ってみて楽しめたかい?」
「聞きたい事ってそれだけ? まあ楽しかったよクラスの人と弁当を食べたり放課後に部活を見学したり、それだけ?」
「うんそれだけだよ僕は心配だったんだ、瑠璃は元男でしょ? それに野村君だった時は卒業と同時に同級生との連絡を絶った、だから今回は高校生活を楽しめないんじゃないかと心配していたんだ。」
この男は急に真面目になるから困る、それと半分脅迫じみた内容で高校に価よ通わせたのはこの男である。
「大丈夫だ、俺は何事もなく高校生活を送ってやるよ。」
「そうだね、でも僕としては何か会っても大歓迎だよ特に恋愛とか。」
「どうせ元男が男と女どっちに恋するか知りたいんだろ?」
「それよりも純粋に娘の幸せを願ってるんだけどな~。」
「幸せね。」
ある哲学者は言った「恋とは自分本意なもの 愛とは相手本意なものである。」と、もしするなら俺、私は恋と愛どっちをするのであろう、ようやく長い一日が終わった。