新しい世界3
あれから一月がすぎ、ゴールデンウィーク明けの5月7日約束の初登校の日、クラス担任からの指示を教室の前で待っている。
「お前ら~席につけ~、転校生を紹介する。」
「先生、転校生は女の子ですか?」
「それはあってからのお楽しみだ、入っていいぞ~。」
がらがら、扉から転校生の瑠璃が入った瞬間に教室の喋り声がなくなり静かになった。
「初めまして、今日より皆さんと同じ1年4組になりました四月一日 瑠璃です、これから宜しくお願いします。」
「「「ウォーー‼ 女の子キターー‼」」」
可もなく不可もない適当な挨拶が終わり男性陣の半分は叫んだ。
「よーし取り合えず草薙の隣の席な。」
そう指示された席は草薙 結斗という何処からどう見てもいっぱんてきな男子高校生の隣の席だったがまた他の男子が騒ぎだした。
「また草薙か、呪われろ。」
「幼なじみや美人の先輩に飽きたらず転校生の隣の席だと‼」
「リア充爆発しろ。(ボソッ)」
「ちょっ、ちょっと待て俺はリア充じゃないぞそもそも彼女もいないし。」
まあそんな台詞で止まるわけもなく、男子陣が声を揃え一斉に。
「「「女子に話しかけられない奴の気持ちがわかるか、しかも幼馴染みに先輩だと‼」」」
「そんなの俺に言うなよ⁉つか皆声が揃うって凄いな⁉」
「「「これがモテない男子の結束だ‼」」」
と叫ぶ、いい加減収拾がつかなくなりかけた所でようやくこのクラスの担任 天宮 輪廻先生が面倒臭そうに動いた。
「とりあえず落ち着け~ 転校生が困ってるぞ~。」
「確かにいつまでも立たせておいたら可愛そうだし。」
「草薙~後で校舎裏な。」
「行くわけないだろ!」
「いい加減うるさいんだよこの、五月の蝿供が。
」
との発言の元ようやく落ち着いた。
「さあ、四月一日さんも席に着いて。」
「はい、わかりました。」
ある意味では前の高校生活より楽しくなりそうだと、この時瑠璃は思っていた。