姫の世界2
姫と名乗る人物にこちらの能力がばれたのは仕方がないとしてこれ以上の問答をすると更にこちらの事を知られそうなので話を一旦途切れさせる事にした。
「おい姫とか言ったな、ここは一応喫茶店だ何か頼むといい。 竜胆の奴は怪我人だからこの私が淹れてやる何がいいんだ。」
「おい、お前紅茶を淹れられるのか? 俺は見ての通りに怪我してるから無理でも四月一日なら大丈夫たから無理するなよ?」
「おい貴様、まさかこの私が紅茶を淹れられないとでも思っているのか? 貴様より遥かに美味い物を出せる自信があるぞ。 それとも何だ? そこまで私の事を馬鹿にしているのか?」
「じゃあ淹れてみせろ、俺がそれから出せるか判断する。」
「ふん、貴様の驚く顔が今から楽しみだな。 それで何を飲むかは決めたのか?」
「それでは貴女のお薦めででお願いしても宜しいですか?」
「わかった、少し待っていろ。」
お薦めと言ってもあの少女の好みが何なのかもわからないので、日本人に親しみのある緑茶に似た渋みを持つ紅茶ヌワラエリアの繊細な味を出すストレートティーを出すことにした。
「ほれ竜胆、試しに少し飲んでみろ。」
「初めて見る紅茶だな、それに香りも良いなこれ。」
「当たり前だろうが、なぜティーカップの淵が広いか知らないのか? 光を取り込み色彩を鮮やかにするのと同時に香りを楽しむためだ、そんな事も知らなかったのか?。 香りの逃げた紅茶など飲む価値もない。おい姫とやら貴様も飲むがいい。」
そう言って姫にもヌワラエリアを飲むように勧める。
「綺麗なオレンジ色ですね、これは何と言う紅茶なんですか?」
「この茶はヌワラエリアだ、竜胆の奴よりは茶を楽しめるようだな。」
「竜胆さんも楽しんでいるみたいですけど。」
「あいつは何を出しても同じ反応をするだろうがな。」
皆が茶を飲み落ち着いた所で話を戻す。
「さて、姫よあの黒い靄の事は何か知っているのか?」
「確かにそうだな何か知っていることがあるなら教えてくれないか?」
「そうですね、いえ今日はやめておきます時が来たら改めてここに来るので今日は帰ります、お代はここに置いておくのでそれでは失礼しますね。」
そういった瞬間姫は煙になるように消えてしまった。
「今日はここまでにしましょう竜胆先輩、ルフェールさん。」
「そうだなそれじゃ今日はこれでお開きにするか。」
「それではルフェールさん、また明日。」
「ああ、竜胆、四月一日よまた明日だな。」
そうして二人は帰っていった。




