変わる世界2
「以上って結局俺が悲劇? に何で会うか書いてねーじゃんか、それにフリーメイソンやら異世界やらどう見てもう胡散臭いぞ。」
「確かにそうですね、それに確かcrnは原始力学を研究している研究機関だった筈です。」
この二人の言う通りかも知れないが多少は本当の事が書かれている筈だ。
そうでなければ、これまでの事象のやり直しが無駄になってしまう。
「ふむ・・・確かに本当の事が書かれていないかも知れんな。」
「だったら」
「だがこの中に本当の事が書かれているかもしれん、この世の中の物事は半分が嘘偽りでできている、目の前の情報を迂闊に信じるな迂闊に否定するな、さもなければ結局は貴様の運命は悲劇に進むしか道はなくなるぞ。」
「とはいってもこんなの完全にただの陰謀説じゃないか、誰がこんなの信じるんだ?」
「誰も信じろとは言っていない、ただ私は疑えと言っているのだ、一瞬を注視しろ一瞬の違和感を見逃すな。」
この発言を聞いた竜胆は怪訝な表情を浮かべていた。
「そんな事しても無駄だろう? 俺は警察でもなければ探偵でもない、いくら気をつけた所で分からなそうなんだが。」
「うむ、今の貴様だけでは無理だな。」
「だったら」
「今の貴様だけでは無理なのだ、今までの全ての事象で起きた事が貴様には既視感として感じる筈だ。」
「お話は終わったかな? もう外も暗いし今日はおしまいにしたら?」
時計を見ると既に21時を回っていた。
「ふむ店主の言う通り今日はここまでにしておくか、店主よ私はこの部屋を気に入った一年でいいから住まわせて貰えるか?」
「いいよ~。」
「ふむ感謝するぞ、店主よ。」
これで私の住む部屋も確保できた。
「待て待て待て、お前はそれが人にお願いする態度か? それと店長も安請け合いしすぎでしょう、いくらなんでも。」
「店主がいいと言っているのだから良いではないか。」
「私は構わないよ?」
「ほらな?」
一体竜胆は何に不満なのだろうか? これはいつになっても分からない。
「お前は金を持ってるのか?」
「ああ対価の事か、持っていると思うのか? 見ての通り完全に着のみ着のままだ。」
「別にお金は要らないよ、私がしたいだけなんだから。」
「店長それは駄目ですよ、きちんと対価を貰わないと。」
「お、四月一日もそう思うか。」
今まで静かだった瑠璃が喋ったと思ったら過去の自分に迄言われてしまった。
「はあ~わかった、なら店主よ私を雇えそれが対価だ。」
「わかった、それで納得して貰えるならね。」
「まあ二人がそれでいいならそれでいいのか? でも迷惑はかけるなよルフェール。」
「誰に言っているのだ? 瑠璃はともかくこの場で迷惑を一番かけそうなのは貴様ではないか。」
「んだと?」
「まあ夜も遅い帰るがいい、それと瑠璃を送っていけ。」
「あの、私は一人で帰れますけど?」
「瑠璃、貴様は素直に送られておけばいいのだ。」
「帰るぞ瑠璃‼」
「あ、待ってください。」
さて今回はどこまで変えることができるのだろうか、この迷宮を抜けてもその次の迷宮があるそれを抜けきる事はできるのだろうか。




