絶望に染まり行く世界2
傷は予想より浅く次の日には殆ど分からない状態にまでなっていた、そしてその日の放課後は人研には行かないで童話の館に来て、先に来ていた竜胆先輩と店長に昨日の事を説明した。
「瑠璃ちゃん、それって警察には連絡した? それにそんな事があったんなら今日は休んでも良かったんだよ?」
「すみません、ですがお二人の事も確認したかったので、それと警察には連絡していませんね多分悪戯だと思われるので。」
「確かに黒い靄に襲われたとか悪戯だと思うよな、でも本当の事何だろう?」
「はい、お二人は黒い靄は見なかったのですか? もし悪戯でなければ手紙にはこの手紙を読んでるとあるのでお二人のどちらかが本命だと思うのですが」
「私は読まなかったよ、あの手紙はハーブ置場に落ちてたから勝手に読むのは気が引けて。」
「そういう事なら狙われるのは竜胆先輩ですか。」
そう言うと私と店長は竜胆先輩の方を向いたらその背後に黒い靄がてを振り上げていた。
「ッ⁉ 竜胆先輩避けて‼」
「な!?」
間一髪竜胆先輩は避けることに成功した、そして逃げようとしたら店長は気を失っていた、その時竜胆先輩は私たちの前にでて声を荒げて逃げるように促してきた。
「四月一日! お前は店長を運んで逃げろここは俺が何とかするから!」
「そしたら竜胆先輩はどうするんですか⁉ 流石に見捨てて逃げるなんて事できませんよ!」
「大丈夫だ俺はこう見えても逃げ足は速いからな、それと‼」
竜胆先輩が話している最中に靄がいきなりナイフで切りかかってきたが、それを竜胆先輩はギリギリで避ける。
「できれば助けを読んできてくれ! ヤンキーよりお前の方が人が話を聞いてくれる。」
「・・・わかりました、助けを呼んでくるのでそれまで耐えてください‼」
「おう。」
そして店長を担いで急いで店を出た、それにしてもあの手紙には1年以内と書かれていたのにまさかたった2日でこんな事になるのは完全に予想外であった。
「う、う~ん」
「店長芽が覚めましたか‼」
「うん、それより降ろして貰っていいかな?」
店長を降ろしここまでの経緯を簡単に説明する。
「それなら早く人を呼んで助けに行かなきゃ‼ えーと誰か居ないかな?」
「昨日と同じですね、何で誰もいないんですか‼」
「あっあそこ見て! 男の人がいるよ。」
そしてその人や他の人にも声を掛け童話の館に急いで戻ってみるがそこには両手両足が無くなり、幾つもの刺し傷が残った死体以外には何も存在しなかった。
「何ですか・・これ? 逃げるって言ってたじゃないですか・・・」
「瑠璃ちゃん見ちゃ駄目‼」
店長が見えないように私を俺を前に進めないように妨害してくるがそんな事をせずとも動けなかった。
そして俺は考えてしまうもっと早く人を見つけられていればとか、もし逃げずに一緒に残っていたらだとか、もしもを考えてしまう。
「・・・この世界は不平等だ、俺は生き返れたけど、竜胆先輩はもう完全に手遅れじゃないか・・・もし、もし助けらるなら何だってやるから、だから助けるチャンスをくれよ神様・・・え?」
気がつくと俺は暗い闇の中にいた、そして光を目指し歩いていくと目の前には俺と竜胆先輩がいて一昨日起きた事が目の前で起きている。
「何これ、まさか過去に戻った? 夢じゃ無さそうだし、まあ助けられるなら別にどうでもいいや。」
そして俺は目の前の不条理を1つ消すため竜胆先輩を助ける為によく映画で見る同じ人間が二人いて偶然出会うことで世界が終わるとか言うタイムパラドックスを起こさないため影ながら動く事にした。
・・・・・・何度も何度もこの悲劇を終わらせる為に過去に戻ることになる事をまだこの時は知らなかった。




