出会う世界2
「てめぇ、よくもやりやがったな。」
「だよなーマジそれ。」
「ああ? そもそも男二人ががりで女に手ぇ出してんじゃねーよ、かなり格好悪いぞ。」
「てめぇには関係ないだろ‼」
そう言うとナンパ男は立ち上りヤンキー? に殴りかかったが、あっさり避けられ足を引っ掛け転ばされた。
「やめとけ、お前らじゃ俺には勝てねーよ時間の無駄だ。」
「くそ・・・ふざけやがって。」
「だよなーマジそれ。」
「はぁ、しょうがねーな‼ やってやるよくそったれ‼」
それから一分もかからないで、ナンパ男達は逃げていった、これからヤンキー? は少し心配そうな顔で声をかけてきた。
「大丈夫か? お前。」
「はい、助けて頂き有り難うございます。」
「そっか無事なら良かった、それにしたってあれは無いだろ。」
「あれとは何ですか?」
あれだけでは分からないので聞き返すと、ヤンキー? は頭をかきながら「マジかよ、わざとじゃないのかよ」と呟いた。
「まぁいいや、それじゃ気を付けて帰れよ~。」
「待ってください、助けて頂いたのに何のお礼もしない訳にはいきません、この後少し時間ありますか?」
「いや別に礼なんていらねーよ、そんなものの為に助けた訳じゃないしな。」
そう言うだけ言って立ち去ろうとするので相手の腕を掴みこの場に留まらせる。
「おい放してくんない? 帰れないんだが。」
「嫌です、何かお礼をさせてください。」
「じゃあ手を離して、帰らせてくれ。」
「それ以外でお願いします。」
「いいから帰らせくれよ! てか意外と握力強‼ もしかしてこれなら俺が助けなくても良かったんじゃね‼」
目の前の男はどうしても、お礼を受け取らないつもりなので、少々手荒なまねをして受け取って貰う事にする。
「そんなに私からのお礼は要らないのですか?」
「わかってんなら、いい加減に手を離せよ‼」
「分かりました。」
「おお、やっと離してくれる気になったか。」
「いえ、受け取らないのなら仕方ありません。」
そう告げるとヤンキー? の手を私の胸に押し付ける、そしたらヤンキー? が顔を真っ赤にして慌て出した。
「お、お前何のつもりだ⁉」
「簡単な事ですよ、これで貴方の指紋はバッチリ付きました。」
「ぇ?」
「つまりは今ここで貴方に痴漢されたと警察に連絡すればどうなるでしょうか?」
「おま! 冤罪じゃねーか!」
「確かに冤罪ですが転入試験で好成績を納めた私と不良の貴方、さて警察はどちらを信じるでしょうか?」
「分かったよ‼ てか本当にそれお礼する人間の台詞じゃねーよ‼」




