偽り世界9
「グエッ」
「うわ~ん瑠璃辛かったよね、何で瑠璃がそんな目にあわないといけなかったの‼」
「四月一日ちゃん、もう四月一日ちゃんを苦しめる物は無いんだよ、幸せになっていいんだよ。」
「おい、二人供その辺にしとけ段々動かなくなってきてる。」
「あ、ごめんね瑠璃、大丈夫?」
まさか抱き付くと見せかけて胸で殺しにくるとは思わなかった、それにしても橘先輩は見ため通りに大きく、楓も着痩せするタイプみたいだ、因みに俺は少し膨らんでるだけで最初にこの姿になった時は言われるまできずかなかった、それと別に元男だから羨ましくない、更に草薙君は私の胸を見てこう発言した。
「ああ~何だ四月一日さんもいつかは大きくなるよ。」
「いえ、別に羨ましくなんてありません、それと普通にセクハラですよ草薙君。」
「すまん‼」
「それと橘先輩、そろそろ冷えたと思うのでクッキー作りに戻りましょう。」
「あ、すっかり忘れてた‼ そうだよね元々は私のクッキー作りを手伝ってもらってたんだ。」
どうやら全員、今の話に夢中になって本来の目的を忘れていたらしい、橘先輩は慌てて調理実習室へと戻っていった。
「さて、それでは私も行きますね後少しなので待っていてください」
「うん‼」「分かった。」「頑張ってね~。」
三者三様の言葉で返事をした、因みに楓、草薙君、優先輩の順番だ。
・・・そして調理実習室
「ねぇ四月一日ちゃん、この位の固さでいいの?」
「はい大丈夫ですね、それでは最後の仕上げに取りかかりましょう、その後はこの生地を8㎜の厚さに輪切りにし形を整えたら、オーブン用の天板にクッキングシートを敷いてさっきの生地を少し間隔を開け並べたら、オーブンで13分焼いて焼けたら直ぐに網の上に移して冷やす、これで完成ですね。」
「すごい綺麗な色になってる、確かにこれと比べたら私が最初に焼いたのはただの炭だよねそして一緒に作ったのに何故か色が少し違うよ、ハハハ・・・。」
確かに橘先輩のは少し焦げ目が付いていたがそのくらいで後は普通に美味しそうなクッキーが出来ていた。
「橘先輩のも美味しそうですよ。」
「慰めはいらないけど、ありがとうね。」
「いえ慰めではなく本当に美味しそうですが。」
「確かにこれならクラスの皆には配れるよそれからこれからはルーちゃんて呼んでいい?」
「ルーちゃんですか? 流石にそれは恥ずかしいので遠慮したいのですが。」
「ルーちゃんありがとね。」
どうやら私のあだ名はルーちゃんと言う奇天烈な物に決定したようだ。
「まあ、いいでしょう感謝の気持ちは受け取っておきます。」
「うんうん、それでいいんだよ。」
「それから皆さん待っているので、早くクッキーを持って行きましょうか。」
「そうだね、早速行こう‼」
こうして私の始めての人研での活動は終わった、それと橘先輩のクッキーはクラスの皆に好評だったらしい、それと最後に全ての物事の半分は偽りに満ちているだが私という存在は半分以上が嘘で固まってしまっている、私が真実を話す日はいつか来るのだろうか。