偽りの世界8
さて、私がこの時期に転校してきた理由は嘘偽りなく言えば、鉄骨の下敷きになりその時に偶然脳死した女の子儚がいたのでその子に脳と心臓を移植して生き帰り医者との取引によりこの学校に入ったというのが本当だがこの話をするつもりはないので、ある程度本当の事を話しこの学校に来たのには嘘をついておく。
「先ず最初に私には本当の意味での家族は物心つく前時から居ませんでした。」
「どういう事?」
「おい、楓その話は聞かない方が・・・。」
「いえ私は大丈夫です、まあ私は産まれて直ぐに棄てられたのですね。」
「そんな、何で平気そうな顔でそんな事話せるの?」
「私にとっては何でもない事ですから、まあ私はそんな訳である児童養護施設に入っていました、その施設の名前は神の知恵という名前でした。」
「神の知恵だって⁉」
施設の名前を聞いた瞬間に優先輩が驚いた顔をしてこっちを見てきた。
「部長知ってるんですか?」
「知ってるも何も5年前大ニュースになった悪魔的な施設だよ、瑠璃ちゃんもしかしてその施設出身なの?」
「そうです、まあ優先輩の他は皆知らないみたいなので説明すると、この児童養護施設、神の知恵は表向きは普通の施設ですがその中身はある実験を行っていました。」
「実験ですか?」
「うん、確かBrains god projectだっけ?」
「はいその通りです、通称Bgp日本語に直すと神の脳味噌、神の知恵は人工的に天才を造るため様々な実験を行っていました、私はその被験者の1人です。」
さて、何故だか楓と草薙君の顔が怒りに染まって来てしまったが話を続行する。
「ですがその施設は今から5年前に警察の強制操作に寄ってなくなりました。」
「何でもっと早く警察は動かなかったの?」
「動かなかったんじゃなくて、動けなかったんだよ。」
「どういう事ですか部長。」
「簡単な話しその神の知恵には大物政治家や何人物医者、更には海外の人までもが関わっていたんだよ。」
「優先輩の言う通りです、ですが一部の上の命令を無視した警察に寄ってその事が表沙汰になり神の知恵は消滅しました、ですがその施設の子供達は度重なる実験に寄って普通の生活を送ることが不可能に近い状態になってしまいました。」
さて、ここからはある程度の嘘を混ぜる事にする、実際は私、俺は実験の後遺症が少なかったため、一応普通の生活を送ることが出来ていたが少し話を作る。
「ですが私は一ヶ月前やっと普通の生活を送れる位には快復しましたが、世の中1人では生きていけるように出来ていないので、偶々その時担当医だった今の義父と家族関係を結ぶことになり、つい先日やっと学校に通えるようになりました。」
話を終え顔をあげると何故か楓と草薙君更に橘先輩が涙目になっていて、更に草薙君以外が抱きついてきた。