偽りの世界6
「さて、既に下準備は終わってるので早速作り始めましょう。」
「そうだね、先ずは何をするの?」
「何故そこから質問してるんですか、さっきはどんな風に作ったんですか?」
「さっきはバターを溶かして「待ってください」どうしたの?」
「バターを溶かすってどういう事ですか、溶かすのではなく練り混ぜるんですよ!」
橘先輩は何故かいきなりフライパンを取り出したので慌てて止めた。
「え、何が違うの?」
「全然違います! はぁ仕方ないですね、先にやるので見てて下さい。」
「分かったよ。」
「端から見てるとどっちが先輩か分かんないよね~。」
「楓お前大分先輩相手に容赦無くなってきてるな。」
「僕たちは完全に外野だよね。」
「皆さん、出来上がるまで部室に戻ってたらどうですか?」
「そうだねここにいても僕たちはやる事ないし戻ってるよ、できたら読んでね~。」
取り合えず外野は部室に戻して再開する。
「先ず、バターをボウルにに入れ木ベラで練り混ぜバターが柔らかくなったら泡立器で混ぜます。」
「どのくらい混ぜるの?」
「クリーム状になるまでですね、その後砂糖を加えて更に混ぜます。」
「まだ混ぜるの⁉」
「はい。」
クッキー作りは意外と腕の力を使う作業である。
「出来ましたか?」
「うん、出来たよ。」
「そしたら、卵黄を加えて混ぜます。」
「また⁉」
確かにここまで来ると混ぜすぎだと思う人もいるかも知れないが、ここで混ぜないと失敗してしまう。
「混ぜ終わったら最初に薄力粉と塩を混ぜて作っておいた物を入れます。」
「へぇーここで使うんだ。」
「はい、そしたら切り混ぜます。」
「切り混ぜるってどうやるの?」
「切り混ぜるとは、その名の通りに切るように混ぜる事です」
「本当にそのまま何だね。」
「そうですね、粉っぽさが無くなったら底から返した生地をゴムベラで押さえるようにまとめていきます。」
「うおーやっと混ぜるのは終わりなんだ。」
「はい、ですがまだ油断しては駄目ですよ。」
「分かったよ。」
そう、ここで油断すると味が纏まらなくなったりする。
「そしたらラップの上に半畳を乗せラップを使って手早く3.5㎝位の棒状にしてそれをもう一本作ります、そしたら冷蔵庫に入れて待つだけですね。」
「はぁやっと終わったよ。」
「それにしても、手際はいいのに何故案内所失敗をしたんですか?」
「そんなのレシピ道理に作っても面白くないじゃん。」
「お菓子作りや料理に面白さを入れてもろくな事にならないので、やらない方がいいですよ。」
そう、折角手際はいいのにその面白さを追及したせいで得体の知れないものが出来てしまっていた。
「さて、できるまで部室で待ってましょうか。」