偽りの世界5
一緒に調理実習室に入り先ずは準備をする。
「さて、生地は余ってますか? もし余ってたら使いたいのですが。」
「余ってるよ、ちょっと作りちゃったからね。」
流石に生地は無事だろうと思ってたが、橘先輩が持って来たのは綺麗な青色の物体だった。
「なあ、四月一日さんクッキー生地って普通は青色なのか?」
「すみません皆さん、教えられる自信がもはやありません。」
「そんな事を言わずに頑張ろうよ、瑠璃。」
「ぼくも手伝えないけど、応援してるよ!」
皆に励まされたので仕方なくもう少し付き合うことにする、そもそも確かまだ私は人研に入部してないのだが。
「それで、橘先輩何をどうしたら生地が青くなるのですか?」
「それはね、かき氷シロップのブルーハワイって有るでしょ、それを入れてみたら甘いし綺麗な色になるかなって。」
「元の色が失われるまで入れたんですか!?」
もはやここまで酷いとは思ってなかったので、思わず叫んでしまった。
「瑠璃落ち着いて!」
「そうだよ四月一日さん堪えて!」
「はぁはぁ・・・ 大丈夫です落ち着きました。」
「え、入れちゃダメだった?」
「駄目に決まってます、良いですか? 変なアレンジを加えるから失敗するんです、絶対に今度はアレンジしないでください。」
「分かったよ、それと謝るからそんな怖い顔しないで、可愛い顔が台無しだよ。」
「はぁ~、ともかく作り始めましょう。」
「凄い瑠璃にあんなに突っ込まれるなんて、私にはふざけても軽く流されるだけなのに、私も得体の知れないもの作ればやってもらえるかな?」
「おい、止めとけ流石に四月一日さんが可哀想だろ、それにこっち凄い目で見てるぞ。」
流石に橘先輩はともかくとして楓までは面倒が見きれないので取り合えず聞こえなかったことにして、楓先輩と共にクッキー作りを始める。