偽りの世界4
実食してみたら外はじゃりじゃりして中はドロドロした何とも不思議な食感がした更に味はとにかく甘ったるいとてもクッキーとは言い難い食べ物だった、そして周りを見渡して見ると全員クッキーと呼ばれたものを手に持ってこちらの様子を伺っていた。
「あの、何故皆さん食べてないのですか?」
「すまん、これを食べるには勇気が足りなかった。」
「私も少し、ゴメンね瑠璃!」
「僕は本当に食べるとは思わなかったよ、凄いね瑠璃ちゃん。」
「皆酷いよ、せっかく作ったんだから少しは食べてくださいよ。」
「そうですよ、誰かと一緒に不幸になるなら、自分1人だけが不幸になった方がましだと言いますが、そんなの嘘です皆さんも一緒に不幸になりましょうよ。」
「瑠璃何かかなり目が本気何だけど。」
「確かに女子1人を生け贄にするのは間違ってるよな、食うぞ楓!」
「私も女子何だけど!?」
「いいから覚悟を決めて食え、部長も良いですね。」
「分かったよしょうがないな~。」
皆覚悟を決めた顔をして一斉に食べ顔が青ざめって行った。
「何だこりゃ、本当にクッキーなのか?」
「ううー、口の中がじゃりじゃりするよ~。」
「ん、不思議な食感だね。」
「え、そんなはずは無いんですけど。」
「あの楓先輩、味見はしたんですか?」
「え、味見何て必要ないでしょ。」
今の台詞を真顔で橘先輩は発言して、流石に全員微妙な顔をしていた。
「瑠璃ちゃん、これ何とかなる?」
「そうですね、橘先輩。」
「何? 真面目な顔をして。」
「やらないで苦手意識を持つのは不幸なので、やることは素晴らしいと思います。」
「そうだよね、やっぱりやるべきだよね。」
「ですが、苦手なのにやり続けるのはもっと不幸何ですよ、今回は諦めましょう。」
「おい、四月一日さんもっと他に何か無いのか。」
「そうだよ、諦めないで教えてよ。」
草薙君や橘先輩はそんな事を言うのでもっと丁寧に言うことにする。
「それでは、今日1日練習してから諦めるのと約束の日まで練習して諦めるのどちらが良いですか?」
「出来ないの前提!?」
「ねぇ、瑠璃ちゃんが隣で教えながらやればいいんじゃないの?」
「おお、部長が間ともな発言を。」
「どういう事かな? 楓ちゃん?」
「ご、ご免なさい。」
確かに隣で見ながら教えれば失敗はしないだろうが、非常に不安だ。
そんな事を思いながらクッキー作りが始まった。