偽りの世界3
翌日の放課後約束通りに皆調理実習室に集まっていた。
「そう言えば何のお菓子を作るの?」
「はい、此処は無難にクッキーを作ることになりました、今日はご指導の方よろしくお願いしますね黒白院先輩、それに皆さんも。」
「まあ教えるのは瑠璃ちゃんだけだけどね僕達は邪魔にならないように見てるよ。」
学は指揮官にして実践は兵士である、教える立場でありながら間違えるわけにはいかないので、未だに少し不安だが実力を見るため先ずは作って貰うことにする。
「それでは私達は一旦教室の外に出ているので、クッキーを作り、終わったら読んでください。」
「はーい、分かりました四月一日先生。」
「先生は止めてください、少し照れ臭いです。」
「あー! 瑠璃ちゃんが照れてる可愛い‼」
「もう、早く外に出ますよ皆さん。」
取り合えず外に出ることにする。
「そう言えば四月一日さん、クッキーってだいたいどの位で出来るの?」
「そうですね、だいたい一時間半位ですかね。」
「そんなに待つの!」
「はい皆で待ってましょう。」
待つこと一時間位経った所で橘先輩が炭を持って調理実習室から出てきた。
「お待たせしましたクッキーできたよ。」
「あの失礼ですがもしかしてそれがクッキーですか・・・。」
「そうですが何処かおかしな所がありましたか?」
「私は炭かと思ったよ。」
「失礼だぞ楓‼ まあ俺も少し思ったけど。」
「まあまあ、食べてみれば案外美味しいかも知れないよ?」
「そう言うなら部長が先ず食べてくださいよ。」
「赤信号皆でわたれば恐くない、皆で一斉に食べよう!」
「まあそれはともかく、確かに食べてみないとアドバイスの使用がないですね。」
そういうわけで実食タイムになった。