偽りの世界2
数分後に橘先輩は立ち直ったので話を聞くことにする。
「それで華凛ちゃんはどんな悩みで来たのかな?」
「はい実は私の友人と一緒に皆にお菓子を振る舞う事になったのですが、実は私お菓子作り所かまともな料理も出来なくて今更出来ないと言えないので、先生に相談したら此処を紹介されたのですが手伝って頂けますか?」
「任せてこの部活には女子が3人もいるし、男子も1人味見係には充分でしょ。」
「そうですよ、味見は任せてください!」
「あの私としては、作り方を見て貰えると嬉しいのですが。」
「そもそも楓も優先輩も確か料理は出来ないだろ、四月一日さんはお菓子作りはできる?」
草薙君が発言したのをきっかけに楓と優先輩は全力で目線を反らした、私は一応出来なくは無いけど、そこまで上手いわけでは無いのでその事を伝える。
「私としてはそれでも大助かりだからお願いしたいかな。」
「まあ、この中では四月一日さんしか出来ないからこの相談を受けるかは四月一日さんが決めていいぞ、いいよな優先輩、楓。」
「うん、僕はいいよ~。」
「私も右に同じく。」
「だってよ、どうする?」
正直に言って誰かに教えられる程に上手くないので断りたいが、此処で断ると後が面倒な事になった挙げ句結局手伝うことになりそうな気がする、それに女子メンバーが期待に満ちた目を向けているので受けることにする。
「はぁ、分かりました橘先輩、出来る限りお手伝いさせて頂きます。」
「そう来なくっちゃ、流石は瑠璃!」
「抱きつかないでください暑苦しい。」
「ひどい!?」
「楽しい部活みたいですね、えっと草薙君でしたっけ?」
「そうですね、まあ退屈なのよりは、断然良いですね。」
「皆楽しそうだな~僕も混ぜてよ‼」
「いい加減料理出来る場所に移動しませんか皆さん。」
結局その日は一旦解散して次の日の放課後調理実習室を借りることになったのだった。