第8話
冒頭で述べた、相討ちで倒された超獣は『No.2』です。
『守護獣計画』経過報告書
観察対象
44.5番
観察期間
実験終了2週間後から4週間後
観察結果
44.5番はーーした超獣の力を引き出せる可能性がある
また、44.5番の性格は残忍で好戦的
拘束を引きちぎり逃走しようとした為ーーーーーの隔離施設へと移送する
◇◆◇
「さて、僕が立ち塞がるんだけど、君たちはどうするんだい?」
『No.4』が帰還しようとする奔常達の前に立ち塞がった。
咄嗟に戦闘体勢を取る迎撃組だが、突然、新城と『No.4』が消えた。
その場に残った者達が呆気に取られていると、施設から連絡が入った。
『新城の反応が急速に遠ざかっている!! 多分『No.4』も一緒の筈だ。お前達は至急帰還してくれ!!』
「でもっ、新城さんが!!」
『新城なら大丈夫だ!! 此方が持たない!!』
「……わかりました。総員、新城さんを置いて帰還します!!」
それは奔常にとっても苦肉の策だった。
しかし、奔常にとっては施設に居る皆の方が大事なのだ。助けてくれたかもしれない新城より……
◇◆◇
新城にとって、『No.4』とは、敵であり、ある意味自分自身でもある。
「こうやって君と一対一で話をするのは久しぶりだね」
「俺に話すことは無いがな」
「それじゃあ、あの時の続きをしようか!!」
そう叫ぶと、『No.4』は何も無い虚空からナイフを投射する。そのナイフを新城は避けて距離を詰め、対超獣物質を纏った拳で殴りかかった。
『No.4』はその拳を触れること無くいなし、距離を取った。
「ハハハッ、やっぱり君との戦いは楽しいなぁ!!」
「この戦闘狂め……」
新城はそう悪態を着くと、
「これは、使いたくなかったんだよな………」
と言い、更に距離を取った。
「おっ、あれを使うのかい?」
「…使わないと、お前を殺せないからな」
新城はそう言い、対超獣物質で創ったナイフで右胸の肝臓の辺りを刺した。
すると、新城の雰囲気が激変した。
「全く、強引に起こしやがって。……あれ? 久しぶりだな、『No.4』」
そう言った新城に向かって、『No.4』はこう言った。
「久しぶりだね。ボクの半身」
そう言われた新城の左目は、まるで超獣の様に真っ赤だった。