第5話+side奔常絵美
「いつから気付きました?」
「最初から、かな」
新城は後をつけてきた奔常絵美にそう言った。
奔常はやっぱり、と言ったような顔をした後、
「じゃあ、私が何をしに来たのかも判るんですね」
「さっきの件だろ?」
「はい。此処には私達しか居ませんので、ちゃんと説明してください」
「断る」
と新城が突き放すように言った。
しかし奔常は予想通りだと言うように、
「やっぱりですか・・・・・・・。じゃあ教室に戻りましょう。皆授業を受けていますよ」
「それも断る」
と新城はまた突き放すように言った。
「やっぱり、『No.4』が来たからですか?」
「・・・・・・そうだ。ヤツが此処に来たということは近々何かアクションがある」
「何故、1人でやろうとするんですか?」
奔常が、疑問を投げ掛けた。それもそうだろう。新城は此処に来てまだ2日目なのだ。
だが、新城は知っている。ヤツが来たということは何かの前触れだと。
「・・・・・恐らく、『No.3』が此処に来る」
「えっ?」
「・・・・なんでもない」
新城は誤魔化した。そして、聞きたかったことを聞いた。
「守護獣計画って聞いたことあるか?」
「守護獣計画ですか?何ですか、それ?」
「・・・・・知らないならいいんだ」
「教えてください!!守護獣計画って何ですか!!」
「・・・・恐らく・・・・・外崎が知っている」
「局長が?」
「ひとつ忠告しよう。聞いたら確実に後悔するぞ」
新城はそう言い残し、屋上から出ていった。
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私は教室に戻りました。戻った私を見て、局長が、
「新城はどうした?」
「どっかに行っちゃいました」
「・・・・ハァ、そうか。では、席に着いてくれ」
「・・・・局長、質問があります」
私はそう切り出しました。私の権限でも守護獣計画というのは知り得ません。
ですから、新城さんが言っていたように知っているかもしれない局長に聞くことにしました。
「守護獣計画とは何ですか?」
それを聞いた局長は驚いた顔を私達に見せた後、
「・・・・・・新城か」
「はい」
局長はそう言って語り始めました。その、悪魔の計画を・・・・