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invisible  作者: N"n(のぉん
1/1

時が止まる

当たり前のことが全て、当たり前とは思ってほしくない。


大事な時間を無駄にしてほしくはない。


"今"を後悔してほしくはないから、ちゃんと"今"を生きてほしい。

今でも覚えてる、あの日のこと。

自分にとっては当たり前のことが、あいつにとっては当たり前じゃなかった。


忘れもしない、春の日。

あの桜を見つめる君の笑顔は、とても切なかった。


まるで、あの桜と共に

散りゆくように____




新しい通学路、新しい制服。周りには俺と同じ制服を着た奴が挨拶を交わしている。


「よぉ!光~輝!」

「おぉ、おはよ」

「いやー、まさか高校まで同じとはね~」

「だよな~…」


あ…あの桜の木。


「どうした?光輝…あぁ~雨桜か?」

「え?雨桜?なんだそれ」

「あの桜の木、雨で育ったって言われてるんだ。だから、結構強くできてて、歴史もあるらしい。街にも大事にされてんだよ」

「へぇ、そうなんだ…なぁ、ちょっと写真撮ってってもいいか?」

「あぁ、いいけど早くしろよ?ってか、お前、昔から写真撮るの好きだよな~」

「あぁ、なんか…写真の中でだけ、時間が止まるのって…良くね?」

「……」

「…っ!ほ、ほら!学校行くぞ!」

「あははっ!ごめん、ごめん!」


俺は、時間が流れ続けている今よりも、時間が止まっている写真の世界の方が好きだ。


自分の好きな世界で、好きなだけ、その世界を味わってみたい。


「…ねぇ、」


「え…?」

「どうした、光輝?」

「いや、今、誰かが…ううん、何でもない」


誰かが俺を呼んだ気がした。


…けど、気のせいだよな。




「…ねぇ、見つけ、て」

"人間"とは何か。

「僕」「親」「他人」

この世界に存在する"人間"


"愛"とは何か。

「友」「家族」「恋人」

この世界に存在する"愛"


しかし、この世界にはそのどちらも持つことができない奴だっている。その存在に気づくことは出来ない。


でも、俺はこの手でその存在を掴んだ、あいつを…



俺は"見えない君に恋をする"

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