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第三話

「さて、シャルニーア様。今宵はパーティのご予定でございます。真に不本意ながら本日の魔術講習はお休みとさせていただきます」


 専属メイドのアイシャが、朝から本気で嫌そうにしかめっ面でぶっきらぼうに、朝食を持ってきた。

 ああ、そういえば今夜はパーティだったっけ。


 パーティ。


 貴族には必要な儀式の一つである。

 貴族は定期的に顔を合わせて、相手の動向を測る必要がある。

 また仲の悪い貴族への牽制をする場でもあるし、逆に家族を紹介する場所でもある。

 下級の貴族であれば国王や俺の家のような公爵、侯爵といった位の高い貴族へ自分を売り込むチャンスも生まれる。


 そういった政治的な場がパーティである。


 しかも今日は家が主催なのだ。

 正確に言えば、十歳になった俺を公的に発表する場だ。

 公爵家次女の初お披露目ということもあり、今日は国王もやってくる。


「パーティは不参加とさせていただきたいのですが……」

「私もパーティなどという魔術講習の邪魔になるようなものは、出来れば排除したいのですけど。しかしそのような事、可能とお思いでしょうか?」

「無理ですよね」


 さすがに主役が欠席するのは非常に問題があるだろう。

 はぁ、胃が痛い。

 気分的には、会長や社長と飲みに行く感じだ。


「シャルニーア様は、お見かけ上は非常にお美しい方ですし、常に私が側に控えてサポート致しますので、ご緊張なさらずとも宜しいかと」


 つまりこいつは、社交的な事は全てやるからお前はただ黙って笑ってろ、と言っているのだ。

 アイシャは子爵家の長女ということもあり、礼儀やマナーなども一通り学んでいるしな。


 俺だって幼少の頃からその辺りは一通り習っている。

 しかし元おっさんに、淑女らしい足の運びかたや、ドレスの着こなし方、ダンスの仕方など覚えられるわけが無い。

 結果、そっち系のスキルについては壊滅的な状態である。

 愛想よく振舞うことで何とか誤魔化しているけど、貴族である限り将来に渡って必要となるから、今後絶対覚えなきゃいけないものだ。


「アイシャは相も変わらず容赦がありませんね」

「そんなに褒めていただかなくても」

「褒めてねぇよ!」

「あら……」

「なぜ意外そうな顔をするんだよっ!!」


 こいつはいつも俺をからかってやがるよな。

 全く、公爵家って国王の次だぜ?

 会社に例えるなら専務とか常務とか、その辺の役員クラスだ。

 その家族に向かって専属秘書が、からかうなんて普通はありえねぇよ。


「ではシャルニーア様、今夜のパーティのお打ち合わせ致しましょうか」

「はい」


 といっても、基本俺は笑顔でうんうん頷いていればいいだけだ。

 唯一の仕事といえば、国王に挨拶しにいく程度だ。

 まあそれが一番胃が痛くなるところだが。


 当たって砕けろ精神で行くか。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



「お美しい、さすがシャルニーア様」

「ええ、あれで十歳とは到底見えませんわ」

「しかもあのドレス、ものすごく上品で可憐なこと。よりいっそうシャルニーア様のお美しさを引き立てておりますね」

「さぞかし名のある職人が手がけたものでしょうね」


 その日の夜、俺は着慣れないドレスを着て、壇上の上から笑顔でみなに手を振っていた。

 下にはたくさんの人が、ゴミのように集まって、俺を見ている。

 二百人や三百人はいるんじゃないのか?


「そろそろです」


 俺の斜め後ろに控えているアイシャが、俺だけ聞こえる程度の声で話しかけてくる。

 それに対し、俺はアイシャへ向かって振り向き、何か話しているようなフリをする。

 アイシャが、如何にも俺の言葉を聞いているかのように頷く。

 そして「ようこそみなさま、わざわざ足をお運び頂きありがとうございます、とおっしゃっております」と代弁してくれた。


 これが打ち合わせの成果である。


 俺は外部には深淵なお嬢様として知られている。

 声が小さく、会場全体に通るような大きな声など出るはずが無い。

 そこで、アイシャが代弁してしゃべる、ということを事前に周知しておいたのだ。


 別に大声で話す事はできるが、さすがにこれだけの人数の前で話すとなると、緊張で噛みまくるだろう。

 それに話す内容も気をつけないといけない。

 元三十五歳のおっさんとはいえ、会社ではヒラ社員だった。

 こんな大勢の前で挨拶なんぞしたことない。

 宴会で乾杯の音頭を取るのとはわけが違うのだ。

 正直できる気がしない。


 十四歳の小娘に任せっぱなし、という事実に若干心が折れそうになるが。


 そんな事を延々考えながら、しかし表面では笑顔を振りまく。

 はぁ、酒飲みたいなぁ。

 飲めば多少はこの緊張も和らぐんだが。

 しかし俺の手には、オレンジジュースっぽい飲み物が入っているグラスしかない。

 それを口元へ寄せ、傾けて一口飲む。

 決してがぶ飲みしてはいけない。軽く口に含む程度に抑えるのがマナーだ。


 うん、果汁百%のジュースだな。

 この世界ではきっと高級フルーツなのだろうが、元の世界ならその辺にあるコンビニで買える程度のものだ。

 ふぅ、やっぱ酒飲みてぇなぁ。

 下に居る人たちは、赤く染まったワインや、透明な蒸留酒を手に持っている。

 どうして俺だけジュースなんだよ。差別だ!


 内心ふて腐れつつ、それでも笑顔は絶やさず愛想を振りまいていると、後ろにいたアイシャが俺をつついてきた。

 何事かと振り向くと、彼女の無表情な顔に少し緊張が走っていた。


 おや珍しい。アイシャが緊張するなんて。

 以前俺がエイブラ皇帝の亡霊を仕留め損なってピンチに陥ったときですら、アイシャは嬉々としながら俺ごと攻撃魔術でエイブラ皇帝を吹き飛ばしたのに。

 咄嗟に障壁を張らなかったら、俺もエイブラ皇帝と一緒に成仏してたぜ、あれ。


「そろそろ国王様のところへ行きますよ」


 ああ、そうか。そんな時間か。

 さすがのアイシャも国王の前じゃ緊張するのか。


「とうとうきましたか」

「国王様の三メートルほど手前にきたら、臣下の礼をしてください。おそらくすぐに国王様が止めに入られますので、それ以降は私の合図通りにお願いします」

「はい……覚悟を決めます」

「それと」


 一呼吸置いて、更に声を抑えた。


「障壁の準備をお願いします」

「……?」


 障壁とは、魔力障壁の事だ。

 物理や魔術の攻撃を防ぐ盾を生み出すものである。

 障壁の硬さは魔力の練度によっても変わるが、やはり一番は膨大な魔力量を使えば最も硬くなる。

 どんな攻撃だろうが、単純にそれを上回る魔力量を使った障壁を張れば、まず壊れることはない。

 練度の高い防弾ガラスの障壁を張るよりも、核シェルター並の分厚いコンクリートの壁を生み出したほうが遥かに硬い。

 そして俺がアイシャの攻撃魔術を喰らっても生きているのは、偏にこの障壁のお陰でもある。

 むしろ障壁の張り方がどんどん上手くなっていってるほどだ。


 ……そんなにアイシャから攻撃喰らっているのかよ、俺。


 さて、なぜこんな場面でアイシャは障壁の準備なんて事を言い出したのだろうか。

 単純に考えれば、誰かから攻撃を喰らうから守っとけ、と言っているのだが。

 となると、このパーティ会場内に暗殺者がいるのか?

 パーティ会場内での暗殺は、周りに人が多いからやりやすい。

 当然貴族も自分の周りに護衛はつけている。

 国王なんて自身の回りが魔術騎士隊たちに囲まれて動けないくらいだ。

 俺もアイシャという護衛をつけているしな。


 俺は公爵家だが次女だし、成人したとしても所詮は他家に嫁に出される身分である。

 嫁なんぞ絶対お断りしたいが。

 そして国政に関わることはない。

 俺がターゲットという事は考えにくい。

 うーん、ターゲットは国王なのか?

 俺が挨拶しにいく、臣下の礼した俺の手を国王が取る。その時、国王の周囲には護衛がいない。

 そこを狙っている、というところか。

 まあいい。とりあえず障壁の準備だけしておこう。

 ちなみに準備といってもやることはない。

 気分の問題だけであって、障壁自体はすぐに張れる。だてにアイシャの魔術を喰らい続けているわけではない。



「国王様、本日はお越し頂きありがとうございます」


 俺の前三メートル辺りに四十代後半のひげの生えたおっさんが偉そうに座っていた。

 いや国王なんだから偉そうにするのは普通なんだが。

 こいつがファンドル国王ハルメディス=ファン=ファンドル。

 まあ個人的によくも無く悪くも無い、至ってごく普通の執政者だと思う。


 その人の前で俺は、まず口上を述べた。

 よし、噛まずにしゃべれた!

 そのまま臣下の礼を取ろうと膝をついた時、国王が立ち上がる。


「よい、今日はそなたの披露目だ。立ち上がりこちらに来るが良い」

「はい、失礼します」


 一礼し、そして国王に近づく。

 後ろに控えているアイシャは、もちろん近寄ることはできない。

 たかが子爵家のものが国王の側に近づくことは、許されない。


「ふむ、なるほど、ヘルメンデと目元が似ておるな」


 ヘルメンデは俺のかーちゃんの名前で、うちの父ちゃんの第二夫人である。

 ちなみに国王の妹でもある。正妻も国王の妹だけどな。

 うちの父ちゃんは、国王の妹を二人も娶っている羨ましい奴だ。

 だからこそ、その子供である俺の兄が王位継承権第一位なんだけどな。

 ちなみに、そう考えると国王って俺の伯父にあたるんだよな。


「これからも良く学び、励み、そして国の発展に尽くすが良い」

「ありがとうございます」

「では下がってよい」

「失礼します」


 そして俺が国王から離れようとした時だ。

 背後に殺気と魔力の気配が生まれた。

 反射的に魔法障壁を背後へと生み出した瞬間、大きな音とともに魔力のかかった矢が障壁に弾き飛ばされる。


「国王様っ!」

「何者だっ!」


 すぐさまお付の魔術騎士隊が国王の身の回りを囲むように動くと同時に、何人かが矢の飛んできた方向へと向かった。


「アイシャっ!」


 俺も近くにいるアイシャに声をかけようとしたが、既に彼女の姿は見えなくなっていた。

 アイシャを探そうと左右を見渡すと、パーティ会場の外からいくつもの魔術の攻撃音が鳴り響いた。

 この連続音は、アイシャ得意の十六連打魔術砲だな。

 もう外に出て犯人を追っかけたのか。



 そして数分後、アイシャが犯人の足を切り落として逃げられなくしたものの、犯人は即座に自決をして、事件の幕は閉じた。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



「それにしても、犯人はどこの一味だったのでしょうか」


 翌日のお昼、パンを小さくちぎりスープに浸しているとき、昨夜の事が思い浮かんだ。

 アイシャも俺と同じく昼食を取っている。

 普通、主とメイドは一緒に食事などしないものだが、そこはそれ、一緒に食べたほうが楽しいから俺が無理を通して一緒に食べるようにしている。

 相手が腹黒メイドであろうと、独身時代には嫌と言うほど一人で飯を食ってたから、やはり二人のほうが気分的に良いんだよな。


「分かりませんね。でも一番動機があるのは、シャルニーア様のお父上ですが」


 既に食べ終わっているアイシャが、食後のジュースを飲みながら答えてくれた。


 ああそうか。

 うちの兄が王位継承権第一位だし、国王が亡くなればすぐ王位が転がってくる。

 確かに動機的にはうちが一番怪しいけど。


「でも黙っていても、十五年もすれば王位がうちに回ってきますよ?」


 そう、国王は既に四十代後半。

 通例であれば、六十歳辺りで譲位するはずである。

 つまりは、十五年くらい待てば自然と兄に王位が移るのだ。

 兄の年齢はまだ十二歳。十五年待ったとしても二十代後半には国王になれる。

 ここで無理する必要性は薄い。


「その辺りは、魔術騎士隊や憲兵隊が必死で調べておりますよ」

「早く解決して頂きたいですね」

「それと、シャルニーア様は国王様のお命を救いましたから、そのうちきっと何かお礼が届くかと思われます。近いうちに王城へ行く事になると思いますので、ご準備だけお願いします」

「王城にですか。そのような礼など、私には必要ないのですけどね」


 国王から何か貰ったら、礼をしに王城へと行かなきゃダメなのだ。

 面倒な世界だな。

 それに金を貰っても自分じゃ使いにいけないし、勲章とかなんて単なる飾りにしかならないから、ぶっちゃけ要らん。

 正直、国王なら美味そうな酒をたくさん持っているに違いないし、そのうちの一本や二本貰うだけで十分だ。

 それで交渉してみようかな。


 そういや、アイシャって俺が国王に挨拶しにいく前に、障壁の準備をしろって言ってたよな。

 まさか、こいつ今回の件に関して何か心当たりあるんじゃないのか?


「そういえば、アイシャは事前に暗殺の事が分かっていたように見受けられますが?」

「あれだけ薄い気配を持った人がいましたら、誰でも暗殺者だと思いますよ」


 ああ、なるほど。暗殺者っぽいのを見つけたから、障壁準備とか言ったのか。

 それにしても、暗殺者って普通の人に比べて影が薄い人だったのか。

 見る人が見れば、わかるもんなんだな。


「それならば、事前に捕まえることは出来なかったのでしょうか?」

「会場にいらっしゃった方々は、全員パーティに呼ばれるほどの力を持っている貴族関係者でございます。現行犯でも無い限り、事前に捕まえることは出来ません」

「難しい世界ですね……」

「ええ、でもこれでやっとシャルニーア様に……」


 そう言ったアイシャが、途中で口を止めた。

 まるで、つい口を滑らしてしまった、という表情を作っているが、絶対これはわざとだ。


「アイシャ……何を企んでいますか?」

「このアイシャは全身全霊を持ってシャルニーア様にお仕えしているつもりでございます。企むなどとそんなおもしろ……ごほん、そんな恐れ多いことなどできましょうか」


 ……面白いと言いそうになりやがったな、このアマ。




 そして一月後、俺はアイシャの企みを知ることになる。




「シャルニーア辺境伯・・・、ここが領地でございます」


 俺は王都から遠く離れた、薄暗い森の近くにある、小さい寂れた村の入り口の前に立っていた。

 側には、いつものようにアイシャが佇んでいる。


「……私はなんでこんなところに来たのでしょうか」

「それはシャルニーア様が、国王様より辺境伯という爵位を授与されたからとなります」


 そうなのだ。あの事件から一月後、俺は国王に呼び出されて辺境伯の爵位を授与されたのだ。

 それとともに公爵家から臣籍降下となった。

 既に俺の名は、シャルニーア=ハルシフォン辺境伯となっている。

 辺境伯という名の通り僻地に領地が与えられ、そして先ほどここに赴任してきたのだった。


 しかしいくら僻地とはいえ、領地なんてそうそう開いている場所はない。

 そして見つけたところが、先日俺とアイシャでエイブラ皇帝の亡霊を倒した戦乱の闇の森、そのすぐ近くにある小さな村だった。


 こんな小さな村一つが領地って、辺境伯というか単なる村長さんじゃね?

 まあ領地の広さ云々は置いておくとして、なぜ辺境伯なんていう高い爵位なんだ。


「辺境伯って侯爵と同等ですよね。何故私がそんなものを?」

「シャルニーア様は腐っても公爵家、つまりは王家です。公爵家が臣籍降下となる場合、通例ですと伯爵が相当されます。ですがシャルニーア様は国王様のお命を救いになられました。その功績により、それより一つ上の辺境伯となられた模様です」

「辺境伯となり更に領地も得るということは、私はこれからずっとここで暮らすことになるのですよね。ゆっくり王都でのんびり生活していたかったのですが」

「シャルニーア様、王都もよろしいですが、静かな暮らしも良いものですよ。それにここなら邪魔者は誰もいませんし、ゆっくりと魔術講習が出来ます」

「ここに来てまで魔術講習? 私は一応辺境伯当主ですし、この村を経営する義務があると思うのですが」

「それについて、実は先日私の昔の仲間が、是非シャルニーア辺境伯様のお手伝いをさせてください、と三十名ほど私を訪れてきました。彼らに任せれば全て万事解決されると思います」


 アイシャの昔の仲間って、王立ファンドル魔術学園の同級生とかだろ?

 しかも押しかけられたんじゃなくて、アイシャが声をかけた、の間違いじゃねぇのか?


「それってアイシャが呼びかけただけじゃねぇのかよっ?!」

「そんな邪推をせずとも。彼らは非常に優秀な手駒……もとい部下となります。あれだけ優秀な人材を三十名も集める事など、このご時勢中々難しいかと。それに彼らの手にかかれば、このような小さな村でも、数年で人が溢れ返るほど豊かにすると思います」

「じゃあ俺は一体何すりゃいいんだよ?!」

「先ほどもお伝えいたしましたが、ここなら邪魔者は誰も・・・・・・いませんし、ゆっくりと魔術講習・・・・が出来ます」

「まさかそれが目的かよっ! そんなためだけに、俺が辺境伯となるよう手を回したのかよ?!」

「いやですわシャルニーア様。確かに私は、パーティなどという魔術講習の邪魔になるようなものは出来れば排除したい、と申しましたが、それは今となっては憶測にすぎませんよ。しかし、この村は王都からも遠いですし、そうそうパーティなど開けないですね。いやはや偶然とは恐ろしいものです。このアイシャ、久方ぶりに身震いいたしました」


 もはや俺は口をあんぐりと開けた状態である。

 暗殺者を見つけたときから、ここまで想定していたのか?

 というよりも、暗殺者が入り込みやすいように手引きしたのはこいつじゃないだろうか。

 そんな俺の疑惑を完全に無視して、小さな村へと入っていくアイシャ。


「さて今日のところは村長さんの家に泊まらせて頂きましょう。明日から魔術講習頑張りましょうね、シャルニーア様」


 その時振り返ったアイシャの顔、それは一生忘れられないほど過去最高の笑顔だった。

 完全にハメられた俺は、天に向かって心の奥から叫んだのであった。




「俺の安定した生活を返せぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」




 これは十四歳の小娘に翻弄される元三十五歳のおっさんの物語である。






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