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第三章・水没した町 (8-2)

 たどり着くと、そこにはまず大破した自動車が見えた。そしてその両端には、男女がその場で腰を抜かしている。その前方にあるのは、山のけものの3倍の大きさはあるであろう、巨大な怪物であった。


 怪物は大きな唸り声をあげ、前方の男女めがけて襲いかかった。


 その瞬間、バァン! と大きな破裂音がし、怪物の身体に小さな穴が開いた。怪物は横に流れ、ガードレールへと激突する。メキッとガードレールがひしゃげた。怪物は妖しげに目を光らせ、森の方を睨んだ。身体の穴はすでに塞がっている。男女も思わずその方を見た。そこには、ゴスロリ調の衣服に身を包み、マスケット銃を構えた少女の姿があった。


 彼女こそ、魔法少女に変身した三都まどかだった。


 まどかは道路へと降り立ち、ニヤッと不敵な笑みを浮かべた。そして再び銃をかまえ、引き金を引いた。


 バァン!!――


 再びけたたましい破裂音がし、怪物は衝撃に後方へとのけぞった。


 間髪いれず、バァン、バァン!とまどかは銃弾を放つ。怪物は衝撃の度に後ずさった後、ウガアッっと咆哮をあげ、まどかに突進した。まどかは銃を180度回し、柄の方で怪物の喉元をついた。


 怪物はよろめき、たまらずその場から逃げ出した。


「待て!」


 まどかは叫んで、怪物を追いかけた。


 怪物はものすごいスピードで山道を下ってゆくが、まどかもスピードで負けていない。まるで飛ぶように、地面を跳躍しながら怪物を追いかけてゆく。そして怪物とまどかは人が多く集まる山の中腹まで来た。その付近には、愛稀やトモエが泊まっている民宿もあった。



――



 その頃、愛稀とトモエは夕飯をすませてひと心地つき、民宿の近くにある温泉にでも入りに行こうか、という話をしていたところであった。


 その矢先――、

「……ん? 外が騒がしいね」


 愛稀は外が異様な雰囲気であることに気がついた。


「たしかに、ガヤガヤ声がする」


 その合間に悲鳴が聞こえるのをふたりははっきり聞いた。さらにはグワシャン! という何かを破壊したような音も立て続けに聞こえる。


「こりゃただごとじゃないね」


「外に出てみよう!」


 ふたりが外に出ると、あたりは殺伐とした雰囲気だった。人々は蜘蛛の子を散らしたように方々に散り、隅の方をふと見やれば、車が何台か大破してひっくり返っている。そして、人々が驚愕の眼差しで見つめている先に、一匹の大きなけものの姿があった。


「邪獣だ……!」


 トモエは叫んだ。愛稀の予想は正しかったのだ。


 邪獣は「グゥゥ」と唸って、突進のかまえをとった。邪獣が睨んでいる先は、愛稀とトモエのいる方だ。


 しかし、邪獣がふたりに襲い来る前に、暗闇からひとつの影が邪獣に向かって飛んできた。持っていた杖のようなものを振り下ろし、邪獣の首元を殴りつける。その主は三都まどかだった。彼女は長銃の長身で、邪獣を殴りつけたのだ。ギャアッ、と邪獣は大きく叫んでその場に崩れ落ちた。


「あれは、まどかちゃん……?」


「まさか、アイツも魔法少女なの!?」


 まどかの姿を確認して、ふたりは驚きを隠せなかった。


 まどかは空中で一回転し、地面に降り立った。そしてよろよろと立ち上がる邪獣に対し銃をかまえ、銃に魔力をこめる。銃がめらめらと紫色の炎をまとった。そして引き金を引く。ビームのように真っ直ぐな光線が銃口から放たれ、邪獣の脳天から身体を貫通した。


 邪獣はその場にズドンと大きな音を出して倒れた。


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