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第一章・邪を祓う少女 (1-1)


 1



 夜空にふたつの閃光が飛び交った。


 K県K市S区D町。その上空で、人知れず戦いが繰り広げられていた。この世のものとは思えない奇妙ないでたちの怪物と、魔法少女との壮絶な空中戦だ。

 鶴洲(かくす)トモエは大きな剣を構え、怪物に向かって斬りかかった。しかし、怪物はそれをするりとかわし、先の尖る腕のように伸びた部位でトモエに攻撃をしかける。すかさずトモエは剣を盾にして、右から来たそれを受け止めた。ガシィン!と大きな音が響く。


 すると怪物は、今度はもう一方の腕をトモエの無防備な左の脇腹めがけて振り払った。


「ギャッ!」


 もろに受けた攻撃に悲鳴をあげ、トモエは飛ばされた。怪物は追撃しようとさらに迫ってくる。トモエは怪物に向かって手をかざした。掌からぼうっと青色の光が滲むように出たと思えば、それは大きな円い形をしたバリアーとなり、怪物の進行を喰いとめた。


 トモエは腕を後ろに引いて再び剣を構えた。その刹那、彼女の腕からめらめらと炎のように赤い光が揺らめき、それが立ち昇って剣全体を覆った。すかさず、トモエはバリアーごと怪物を斬りつけた。


『ギュゥワァァァァ……』


 頭から斬りつけられた怪物。この世のものとは思えない叫び声をあげる。


 次に、トモエは左手を胸の上の宝石にかざした。宝石は緑色に光り輝き、それはかざした彼女の掌に移る。手を剣の刃に沿わせると、刃全体が強烈な光を放った。


 トモエは剣を横に薙ぎ払う。縦と横、十字に切りつけられた怪物は断末魔とともに裂けて四方へ散った。


 トモエは剣を持っている右手をおろし、左手を顔の前にかかげ、

「浄化完了。邪悪なものに侵されし憐れな者よ。せめて魂は安らかに眠りたまえ」

 と仰々しく文句を唱えた。


 それから、彼女は重力に逆らうのをやめた。彼女は落下に身を任せながら、下の光景を眺めていた。ビルや車や街灯の光に彩られた街。それがマップを拡大してゆくが如く、徐々に視界に広がる光景は限定されてゆく。そして最後は街外れの人通りの少ない小道、そこに彼女は降り立った。


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