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第3話

文才が欲しいです。


ご都合主義かつ低クオリティですがどうぞ。

結局あの後、神社への被害を避けるために神奈子が兵士の訓練場を使うようにと提案した。


今現在、その訓練場では流零と諏訪子が互いに睨みをきかせた状態で向かい合っている。神奈子は離れた場所から様子を見守っていた。



「気絶するか降参した方の負けってことでいい?」


「ああ、それでいいぜ。俺は別に煌龍なしでやってもいいんだがな」



ルールを確認し合う諏訪子と流零。流零は挑発も兼ねてハンデを付けてもいいと言う。



「そんなことを言っていられるのも今の内だよ。それじゃ、こっちから行くよ!」



先手を取ったのは諏訪子。神力が込められた大量の弾幕が流零に放たれる。



「このぐらいどうってことねぇぜ!」



迫る弾幕に臆することなく突っ込み、余裕で避けていく流零。



「これはまだまだ序の口だよ!」



すると順調に距離を詰めていた流零の足が急に止まる。



「っ!?これは!?」



なんと流零の足が地面に沈んでいるのだ。更に流零の左右から大きな土の壁が迫り、押し潰そうとしている。



「そういや諏訪子は大地に干渉出来るんだった。すっかり忘れてたぜ。だが、これで俺を倒せるとで「思ってないよ。だから、だめ押しで私の取って置きをくらわせてあげる!」」



流零の言葉を遮ると諏訪子は両手にある物を出す。それは金属製の輪だった。



「この鉄の輪で勝負を決める!これで終わりだよ流零!!」



諏訪子の声と共に流零へ大量の弾幕と二つの鉄の輪が襲いかかる。



「……仕方ねぇか」



流零が呟いた直後、諏訪子の攻撃が流零の元へ届き、大きな音と土煙が起こる。



「これでおしまいっと。とりあえず殺さないぐらいの威力にはしたけど、ちょっとやり過ぎちゃったかな?」



勝利を確信して流零の心配をする諏訪子。だがその時土煙の中から何かが飛び出し、諏訪子の目の前まで来た。それは土埃を被り右手には愛刀の煌龍を持った無傷の流零だった。



「嘘っ!?」


「オラァ!!」油断していた諏訪子の鳩尾に左手で拳を叩き込む流零。諏訪子は声も出せずに吹っ飛ばされ、倒れてしまった。動かないのを見ると気絶したようである。



「ったく。まさかほんの少しとはいえ煌龍を使わされるたぁな。」


「流零!終わったみたいだけど、一体どうやってあの状態で無事でいられたんだい!?」



戦いの終わりを察知した神奈子が駆け寄ってくる。



「簡単な話だ。ちょいと力を解放して拘束から抜け出し、煌龍で攻撃を薙ぎ払ったのよ」


「簡単なのかい?それ」



諏訪子の拘束を抜け出すのはそう簡単に出来ることではない。攻撃から身を守るとなればなおさらだ。それを簡単と言ってのける流零に神奈子は驚きを通り越して呆れすら感じていた。



「どれ、そろそろ諏訪子を連れて戻るか」


「そうだね」



煌龍を鞘に戻しながら諏訪子の所へ向かう流零。神奈子は土煙が起こっていた場所にふと目を向けるとそこには真っ二つに斬られた鉄の輪があった。



(ただ防いだだけではなく武器の破壊までしていたとはね)



流零の規格外ぶりを改めて思い知らされた神奈子であった。


その後復活した諏訪子主催で宴会が行われ、この日は終わることになる。








一月程時間は流れ、神社の入口に流零・諏訪子・神奈子の三人が集まっていた。



「色々と世話になったな。ありがとよ」


「いいのいいの、私と流零の仲だから。それに久しぶりに流零と話したり騒いだり出来たから、とっても楽しかったよ!」


「確かに、あんなにはしゃいで楽しそうにしてる諏訪子は初めて見たよ。それより本当にまた旅に出るのかい?見慣れた顔が居なくなると思うと寂しいねぇ」



笑顔で気持ちを伝える諏訪子と、少し名残惜しそうにする神奈子。



「湿気たこと言うなよ。別にこれが今生の別れってわけじゃねえんだ」


「それもそうだね。気が向いたらまた来なよ。いつでも歓迎するからね」



互いに微笑みながら言葉を交わすと、流零は荷物袋を担ぎ諏訪子達に背を向けて歩き出す。



「流零ー!!また会おうねーー!!」

徐々に遠ざかる流零に叫ぶ諏訪子。その声に流零は無言で手を挙げて応えるのだった。






龍人の新たな旅の幕開けである。










場所は変わりとある山道、ここでは何やら武装した兵士と思われる男達が何かを探すように忙しなく動き回っている。



「奴は見つかったか?」


「いや、こっちには居なかった。向こうを探そう」



どうやら誰かを探しているらしい。会話が終わった男達は別の場所へ移動して行った。


男達が去った後、近くの茂みが揺れて中から誰かが出てきた。



「ふぅ、どうやら行ったみたいだな」

茂みから出てきたのは金髪の美しい女性であった。青い着物を身に付け、十人いれば十人が振り返るような美貌の持ち主である。


しかし彼女には変わった特徴があった。それは頭に狐の耳、お尻の辺りからは九本の尻尾が生えていることである。



「私はただ誰かと一緒に居たいだけなのに……」



悲しげに呟く女性。すると感傷に浸る間もなく声が聞こえてくる。



「いたぞ!!こっちだ!!」


「はっ!?」



見つかってしまった女性はすぐさま走って逃げ出す。しかし兵士達の数はどんどん増えていき、逃がすまいと女性を追いかける。



「ハァ……ハァ……」

呼吸が乱れる女性。実は彼女、まともに休む暇もなく何日も逃げ続けているのだ。



「このままでは体力が……っ!?」



立ち並ぶ木々を抜けた女性の前にあったのは切り立った崖、しかもかなりの高さである。崖に気を取られた次の瞬間女性の右肩に鋭い痛みが走る。



「うぁっ!?」



なんと女性の右肩には一本の矢が刺さっていた。そのまま崖の下へ落ちていく女性。


兵士達は彼女の生死を確かめるため崖の下を見る。崖の下には川があり、女性の姿は見えない。



「川に落ちたみたいだな」


「追撃するか?」


すると隊長らしき男が現れ兵士達に告げる。



「いや、放っておけ。先程の矢には妖怪にも効く強力な毒が塗ってある。どうせ生き延びれまい。帰還するぞ」


「「「は!!」」」



兵士達も居なくなり、無人となった崖にはただ空しく風が吹いていた。

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