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人生あけましておめでとうございます

この小説の内容に不適切な表現が含まれているとしても、それは作者の人生経験の少なさのなせる業です。どうか寛大なお心を甘いもの等で補充しつつ、目をお通し頂けたら幸いです。

先に言っちゃうのもなんなんですが、まあつまりはくだらない文章なんであります。

正直すいません。

気を楽に見ていただけたらと。な~んて思います。ハイ。

人生山有り谷有り。

曇りの後には虹が出る。挫けりゃ誰かが先に行く。


ってことで


世の中一寸先は闇。

降りしきるこの雨の流れる先がわからないように、何が起きてもおかしくないのが人生ってやつなんですけども――ね。



いやあ。



俺ほどワケの分からない人生の再スタートを切った人間もそうはいないと思う。


何がそんなに妙なのかって?


折角生まれ変わったらしいのに、どうしてこうなったのか、新しく手に入れた属性の使い道がちっともわかんないの。


だってさ



手とか毛むくじゃらなんですよ、今の俺。

尖った爪とか生えちゃってんの。立派な肉球とかついちゃってんですよぉ。

体中灰色なの。


ハハ。

えーマジどうしようコレ。


ハハ。


折角どう見ても生まれ変わってんのに、麗しいお姉さん達とイチャコラとか望むべくもねーよ。

参ったわ。

男前がどうこうの前にケダモノだもんな。只者じゃないもんなケダモノだもんな。ワイルドの塊。ワイルドそのものだもんな。今や流行の最先端だ。


………頭に疑問符が浮かびすぎて正直おかしくなりそうだった。というかもうおかしくなっているのかも知れない。


それは何かに取り憑かれたような衝動だった。俺は今の頭の中を言葉にし、口にした。

まず何かそうでも頭を整理しなければ自分はここから動けそうになかったのだろう。


でも流石に、それで余計に混乱をきたすことになるとは思わなかったが。


「……一体……どうしたことだと言うのだこれは……。」


いや。


いやいやいや、いやいやいやいや?


アレ?アレアレ?

アレレレレ???!


何?何スかその喋り方?何?何なのその低い渋い声?アーカードの旦那か?中田譲治か!?


え?誰に言ってんの?俺だよね?


むしろ俺しかいないよね?


紛れもない独り言なのに、なんでそんなに改まった喋り方するの?水臭いじゃない、俺たちなんだかんだで結構長い付き合いじゃない?それなりでも上手くやってきたじゃない?今更そんなのやめろよ、そんな急に一人で突っ走んなよ――!?

先程までは体中に新たに搭載された毛皮のせいか雨にもかかわらず寒さなど全く感じなかったのに――――。

体中の血の気が急激に引くような寒気に襲われ、もう一度、自分を確かめるように俺は口を開いた。


「拙者の身に、何が起きているのだ……」


Waーーーーーーーーーーーーッツゥ!!?ファッキン!シットマザファーッカ!!


「こんなものが、私なものか……」


こんなん俺じゃねェーーーーーーーーーーーーーーーーーァッ!!?



二度と喋りたくなくなった俺は心の中で魂の叫びをあげた。


し、喋る言葉に勝手に翻訳がかかりやがるだとっ!?

しかもエキサイトし過ぎだろうがこの翻訳機能!!?取り憑かれたように喋ってんじゃなくて間違いなく取り憑かれてますよね、コレ!?落ち武者に!武士に!!

こんなん矢風ヤフー|大江戸!!(BAKUMATSU!!)じゃねーか!!最先端先どり技術過ぎるだろォ!!ふざけんな!!なんつうか、ただもォふざけんなッ!!?


本気でどうしたらいいのかわからない事態に、俺は器用に五指が別れた手で額を抑え、頭を抱えた。


あ、肉球がひんやりして気持ちいい。


でもちょっとケモノ臭い。


「いや、自分の体に癒されている場合ではなかろう。」


まったくその通りだと思いマス譲治さん。

………………………アーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッ!!もぉ!うっぜえ!!

誰なんだよお前はーーーッ!?


「何者だ貴様はっ!」


…………………。


「小僧、お前にサンが救えるのかッ!!」


ちょっと楽しくなってんじゃねェーーーーよッ!!馬鹿か俺は!?



なんだろうコレは?俺という人間性の否定?

もしかして俺は生まれ変わったんじゃなくて畜生道に堕ちたとかか?山月記的なあれか?

償いきれない罪を犯してこの身を獣にやつし、心をサムライに乗っ取られ………いやおかしいだろがッ。

……なんで侍になるんだよ!!お前関係ないだろ、すっこんでろ!!


「おのれ……何ゆえに斯様な責め苦を受けるのか……っ拙者、皆目見当もつかぬ……!!」


くそっ!どうしてこんな目にあわないといけないのかちっともわかんねーよ!!……ってやつだ!

ああっくっそ畜生ッゾワゾワするっっゥゥゥ……っ!!


後にして思えば、さっきから感じる寒気らしきものは、なにも気持ち悪さのみからくるものではなかったのだろう。


この時俺は紛れもなく命の危機に晒されていたのだから。


「よォ、亜人のオニイサンよォ。…………てめぇこんな往来の真ん中で、素っ裸で一体何やってんだい?」


独特のイントネーションのしゃがれた……まあ俗っぽく言っちゃうなら要するに汚い声が後ろから聞こえた。


その声が自分に対して向けられていると気付くのには、ほんの数瞬もかからなかった。

何よりその声はすぐ後ろから聞こえたし、(周囲に存在する人間は俺一人だと思っていたのに。今までの自分一人芝居に大変な羞恥心を覚える。正直に告白するなら十円ハゲそうなレベル。)周りに田んぼしかない中に一本通った、舗装もされてないちょっと外れると草ボーボーのこの場所は多分往来の道路で。

それから少しばかり視線を動かすと毛だらけの体の中で俺のキッドが一人寒そうに垂れ下がっており。

つまり俺は紛れもなくスッポンポン(お上品に言って)な訳で。


………………動物が服着るのかよ少なくとも今の俺はいりそうにねーぞいやいらねーだろ。

という疑問と、しかしもし俺がこのまま心の赴くままに二足歩行してしまったら我らがペニー男爵も心のままに空にたゆたうであろうからしてそうなるとこの世界に麗しい乙女達が居てくれるなら流石に畜生のでも率先して目に入れたくはないだろうからええと……

うん。

この世界では見た目動物であろうとも、きっと二足歩行できるぐらいの知能があるならズボンぐらい履くんだろう。

よし!俺としてもその方がいい!


さて、このような思考を0.3秒ぐらいで済ませた俺は、とりあえず後ろを振り向く。


「あぁン!?」


と、そこに居た男はまったく上品さの無いお里が知れる威嚇の声をあげてこちらを睨んでいた。

睨んでいたと言っても男は目の焦点が合っておらず、なんて言うか……いや、いいや。この気持ちは流石に言葉にするの上品じゃない。


しっかしナァ。それにしてもこの男、汚い。声だけじゃなく顔も格好も。

がりがりに痩せた体にいかにも江戸時代の貧乏田舎農民です、みたいなぼろっきれを羽織り、股の間からはフンドシがちら見えしている。その上についた頭はコブ付きのツルッパゲで、さっき言った通り目の焦点は合っておらず、おまけにみそっ歯だ。……可愛く言ってやって。


神の作りたもうた不細工の体現者がそこにはいた。


振り向いた時にほんとに真後ろに居なくて良かったと思う。ちょっと離れて居てくれなかったら脈拍に異常をきたしていたかもしれない。

なにせ俺は動物以外の姿をした普通の人間がこの世界にいることを確かめたいのに、未だにこの男が妖怪なのか人間なのか判断を下し難い。希望的に言って彼は人間だ。

あまりの不細工さに俺は顔を歪めたが、何せ自分の顔がどうなっているのかわからない上に、首の上についているのも恐らく何らかの哺乳類の頭(除く人類)だ。少なくとも触った感じは毛むくじゃらで、耳は尖っていた。

そうなると多分上手く表情を作れていないだろう。

と思ったら彼が親切にも、今俺はどんな顔をしているのか教えてくれた。


「なんだァ変態野郎?牙なんか剥きやがって、やろうってのかあァん?」


あァん?じゃねーよ。いい歳こいたおっさんがよ、恥ずかしい。このアニマルヘッド(詳細不明)で噛み付いちゅ

………噛んだ。心の中で噛んだ。

このビーストヘッドで噛み付いちゃうぞコノヤロー。


どうやらしかめっ面をしているつもりが、この頭でやると牙を剥いて威嚇しているように見えるらしい。顔の真ん中に向かって筋肉を集めるイメージを動物の顔でやると、……なるほど確かにそんな感じになるかもしれない。

それにしても彼のエレガントでない口の利き方はなんとかならないのだろうか。変態野郎の汚名は今現在事実なので甘んじて受け入れるとしても、人間同士もう少し温和な空気で話しあいたい。

せめて彼が京都弁で喋ってくれれば、彼の汚さも腐ったウンコからりたてウンコぐらいには緩和されるかも知れないのに……。

まあ出来ない事で悔やんでもしょうがない。

せっかくだからもっと建設的に気になったことを聞いてみよう。表情だけでなく、俺の頭が今どんな感じになってるのか聞きたい。


ではレッツリピートアフターミー


“おいあんた、俺が何に見える?(俺にはあんたが妖怪に見えるが。)”


「もし其処許よ、私が如何様に………」


「てェめ、なに勝手にクチ利いてんだァっ!?」


渋いジョージボイスがヒステリックな汚い声で遮られる。

質問の途中でそれを邪魔されたので、流石に温厚な俺もムッとした。


てめえおいこら質問してきたのはまずそっちからだろうがああんてめえコラァ、なのにしゃべんなってどういうことだオラァ、何の権利があって俺に喋んなとか言ってんですかブサイクコラァ俺の担任の先生ですかてめえコラよぉ???!


と、心の中では2ちゃんの荒らしより低級であろう煽りを入れているのだが、顔は神妙にとりあえず沈黙する。

男は俺のそんな紳士的態度に満足したのかにやりと笑い、雨で視界が悪いというのに自分の後ろを指さす。


「おいフルチン野郎、あれが見えるか?」


最初っから見えとるわハーゲ。誰がフルチンだ。好きでやってんじゃねえんだよ。ちょっとした手違いなんだよ。ちょっと役所に書類提出したときにちょっと字ィ間違えてたんだよ。


男の指差す後方には十メートルかもう少し離れて更に二人の頭悪そうな男(ガマガエルみたいな顔で明らかにこっちよりもっと遠くのどっかを見ていやがるようにしか見えない縦にも横にもうすらデカいデブと、カールおじさんみたいなヒゲを生やしてギラギラ目を血走らせている、筋肉があるのはいいが男性ホルモン多すぎてきっと頭の中には性欲のことしかないんだ間違いないやだキモい馬か猪みたいな顔のオタンコナス(どう贔屓目に見ても脳筋)。)と、一台の牛車が存在していた。二人の男は牛車の前で立ち塞がるように立っている。

馬車ではない、牛車である。紫式部の家に遊びに行ったら家の前に停めてありそうな高級そうなやつだ。

素直にチャリで我慢すればいいのに式部ったら見栄っ張りなんだからもうヤ~ネェ~。


……あれ?何の話だっけ?


「てめえが酔っぱらって身ぐるみ剥がされてようが、野垂れ死んでようが俺らにゃ知ったこっちゃねえがよう、道のど真ん中にいられちゃ邪魔なのよ。轢き殺されたくなけりゃさっさと退きなァ。ケケッ。」


口元に嫌味な笑いを浮かべ、男は俺に話し掛けてきた用件を告げた。

それだけの話なら最初から後ろの車が通れないんでちょっと避けてもらえますかすいませんって言えよバカ。

もしかしてフルチンのせいで捕まるんじゃないかとちょっとだけ心配したじゃねーか畜生。職務質問されたら答えようがないんだよこっちはよ、住所異世界だぞ!?大体歯の隙間のせいか訛ってるからか知らねえがお前の話めちゃめちゃ聞き取り辛いんだよハーゲ!!

心のわだかまりはさておき、下らない諍いは好まない俺は自分の非礼を素直に詫び、牛車をよけるべく立ち上がる。


「かたじけない。これはいささか失礼した……」


すんません失礼しました武士語翻訳。

しかしなんだ、立ち上がってみると今の俺の体はえらくデカいのがわかる。

他の二人と比べてこのハゲがチビだってのもあるみたいだが、横の牛と比べてもそんなに小さく見えねえあのうすらデブと目線の高さはあんまり変わらない気がするから…………少なくとも190センチはあるんじゃねえかこの体。

すごい。遠い、地面が遠い。


どうしてこんなところで優遇されてるのに種族:獣なの……?ねえどうして?


あの、神様、私めに何をお求めになっているんですか?

俺の住所担当の運命の女神様はケモナーであらせられますのか?



……如何ともしがたいよね、個人の性癖は。

しょうがないね。


「……はぁ~。」


女神さまがオーソドックスに美少年スキーとかだったらなぁー、俺も自分に自信が持てたのになぁー。

などと退屈しのぎなのか現実逃避なのか訳のわからない妄想をしていると、馬車が小石を蹴散らして動く騒々しい音で現実に引き戻された。

大丈夫、どんなにアホな脳内会議をしていても顔は神妙にしていたはずだ。もともと上手に動かせないから。まあ、どんだけ格好つけようと我らが男爵様はご自慢の領地で泰然と風にそよいでいらっしゃるのだが。


そんでこっちにガン飛ばしてきやがる筋肉猪を睨み返しながら(体がでかくなってなんか気持ちもワイルドになってるみたいだネ。気持ち的に言うとプロレスラーの体を手に入れた小学生男子が、足とか組んでふんぞり返りながら腕の筋肉を見せびらかすような、そんな妙な誇らしさがあるよネ。)、また俺はいらんことを考えている。

奥のデブさっきからこっちを見ようともしやがらねーんだが、本当に奴の脳みそは機能してんだろうか、変なもん拾い食いして寄生虫にでも意識を乗っ取られてんじゃねーのだろうか。デブだし。

この二人の愛想の無さに比べたらまだあのハゲの方がコミュニケーションをとろうとした分、余程可愛げがある。ムツゴロウさんチックに頭をよしよししたくなる。

あの、あれだ、ドビーに似てる。使い古しの靴下とかあげたくなる感じだ。


……それにしても、と俺は思う。

こんな誰がどう見ても手放しでアホそうな連中に護衛を任せて、この牛車の持ち主は何を考えているのだろう。


大体よ、この妙な匂いはなんだ?臭えんだよさっきからこいつらずっと。

ああ臭い、臭い。胸がざわざわしやがる。頭が痛くなりそうだ。

多方身体が獣になったせいで、嗅覚も獣のそれになっているんだろうが、……人間様にはだいぶ刺激的すぎるみたいだな、このやんごとなき香ばしい世界は。


しとしと鬱陶しく降り続く雨の中でも、男たちから漂ってくるその匂いだけはくっきりと鼻にこびりつく。




         “そいつは血の匂いだろう――――――。”



顔をしかめる俺の疑問に答えるように――――

          頭の中で、そう声が聞こえた。





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