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聖徳公爵邸

その日、国子は実家の聖徳公爵邸に行った。

「用がすんだら早く帰れ」

公爵の後妻美代子は渋々国子を公爵邸に入れた。

「ご主人様、西松の国子様がご主人様に御用件があるということでお越しになりました」

あからさまに違う態度に毎度のことながら霹靂した。


「失礼します」

「おお、国子か。待っておったぞ」

「お父さん、実は・・・」

「何だ西松の件についてか。あの程度の粉飾決算なんてどこでもあるから気にすることはないぞ」

「ふ、粉飾決算?」

予想外の答えに国子は驚愕した。

「何だ、違うのか?」

「私が聞いているのは横領と愛人騒動で・・・」

「それは初耳だ。まあどちらにしてもあまり気にすることはないぞ」

公爵はあてにならなかったので国子は早々と公爵邸をあとにした。

続いて国子は兄が住む別邸に行った。

「あいにく主人はまだ帰宅しておりませんが」

兄嫁の喬子は申し訳なさそうに答える。

「とりあえず上がってもよろしいですか。」

国子が居間に通されると喬子の姉の森内織子と清水幸子がいた。

「何か私、お邪魔したようで・・・」

国子は兄の家をあとにしようとした。

「待って、国子さん!」

国子は織子に引き止められた。織子の顔は完全に憔悴していた。


「それで、森内侯に愛人が出来て森内家を牛耳ろうとしていると?」

「はい。それでその愛人は西松侯や柏原侯とも関係を持っているのです。それでその愛人は長粛の顔を見るなり“若い頃お前の娘に亡きものにされそうになったけど逆に始末してやった”と言うの。」

「粛君ってまだ中学生のはずじゃ・・・」

「その愛人、何でも未来から来た帝の愛人で私の子孫の女性とその孫に宇宙征服を阻まれてこの時代にやってきたらしいです」

国子の突拍子もない発言に通常なら驚くはずが長粛の娘の存在によって何も驚かなかった。

「そう。それであの女いわく森内家でも柏原家でも、西松家でもなくて本当は鹿島家が狙いだったらしいの」

「なぜに鹿島家?」

「鹿島公はまだ二十歳そこそこで若すぎだからじゃないかしら」

「いや、私が言いたいのはなぜ鹿島家がターゲットなのか」

「鹿島家は臣下で最高の家柄じゃないからかしら」

「うーん、何か違うような」

「ところで国子さんの子孫の女性、どこに嫁いだのかしら?」

「そこまでは聞いていないです」

「もしかして鹿島家に嫁いで生まれた娘が中宮になって孫が帝かもしれないわ」

「ありえなくもないけど中宮とは一言も言ってないわ」

「となるとお上の息子か孫に織子姉さんの孫娘が中宮になって生まれた息子が柏原家から中宮を迎え更に生まれた息子が西松家出身の母を持つ鹿島さんを中宮に迎え生まれた帝に未来時代を終われたということ?」

「それがその女、何百年先の未来から来たらしいのですから」「えっ!」

ここにいた全員が驚いた。

「えっと粛君の娘が数十年後に生まれ100歳の時愛人が20歳で、それでも精々160年ぐらいしか経たないわ」

「待って、あの女は一瞬で長粛を見分けられたのよ。となると少なくても長粛とは面識があるわ」

「でも人間が何百年も生きられないし、それにその愛人何歳ぐらいだった?」

「多分私より若いと思う」

「なんかいろいろ矛盾が・・・」

「でも時空を移動できるぐらいだから不老不死なのかもしれないよ」

とにかく訳がわからなくなった。

清水幸子(47)・・・故清水公爵夫人。織子の妹で喬子の姉。


柏原侯爵(40代)・・・女の愛人の一人。

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